経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

10%後よりも足元を見よ

2012年01月25日 | 経済
 内閣府が経済財政の中長期試算をし、基礎的財政収支の2020年度黒字化には、消費税6%分不足という結果を出したが、「だからどうした」というところだ。イタリアは、基礎収支が黒字でも危機に陥った。それは目標にしても意味がないという証明ではないか。

 財政再建は国際公約とは言っても、日本が勝手に宣言しただけのもので、何かを得るための引き換え条件でもない。目標がなければ、政治的な財政規律が緩むというだけのことで、経済的にも、国際的にも意味がないものに拘る必要はなかろう。

 むしろ、今回の試算で注目したいのは、震災で巨額の財政出動をしたつもりになっているが、2010年度から2011年度への基礎収支の悪化はわずかであり、2012年度、2013年度は、消費増税がないにも関わらず、改善が急だということである。これは復興費が抜け落ちるためだろう。

 プロがこれを見れば、これほどの財政のデフレ・インパクトがあって、日本は成長を果たせるのか疑問に思うだろう。もし、イタリアのように成長力を失えば、日本を「買う」というわけにはいかなくなる。先走らないで、足元をよく見ることだね、日本は。

(今日の日経)
 復興始動・閉塞感破る起業の息吹。IMF・欧州は景気後退。社説・ミャンマー外交の転機。消費増税はや10%後。ギリシャ4%未満攻防。日銀総裁・国内景気回復に遅れ。米のエネルギー自給進む。問われる研究開発。経済教室・IMFの単独支援難しく・伊藤隆敏。
コメント (1)
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