kazuフォトローグ

「徒然なる日常」を写真で語ります。

向井潤吉的風景

2016年04月10日 | 建物
失われゆくものにノスタルジーを感じる。
心の中に安心感があるからだろうか。
調布・深大寺水車舘。
周辺の新緑が茅葺屋根の水車小屋をいっそう際立たせる。
実際に水が流れて水車が回っているのもいい。
こんな眺めに心動かされるのは、現実の都会生活とかけ離れているせいか。
それとも年をとったせいか…。
向井潤吉は、やがて消えゆく民家を多く描いたが、カメラ爺も同じ心境になってきたか。

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2 コメント

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向井、北斎、爺 (6944)
2016-04-10 11:26:17
画家というものは写真家よりも対象を自由にデフォルメする。

向井潤吉の絵はあたかもホキ美術館にある写実画の手法をもって田舎の風景を描いたように見える。しかし同じ位置から写真で撮ると大きな違いがある。

屋根の勾配や背景の山の頂がともに本物より尖っている。
葛飾北斎の富士山も急傾斜に描かれている。

二人とも恰好よさにこだわったと6944は推察する。

さて爺の水車小屋である。
屋根を見てみよう。高く尖り神社建築まがいに千木風な木が並んでいる。

爺はその辺カメラで残さず写し撮った。百年後もう一度、評価してみたいが叶わぬ夢だろう。
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カッコマン (kazu)
2016-04-10 14:33:06
6944さんへ。
大変な方々に並び称せられ、恐悦至極。置き千木に目がいくとはさすが、です。

先日、TVで、向井潤吉、葛飾北斎の作品が、実風景とは違い、ディフォルメされていることをCGで重ね合わせ、実証してました。

確かに、画家、彫刻家は、カッコよさを求めてデフォルメしますね。
かの有名な「泉」「ダビデ像」しかり。

現在はCGの技術で、さまざまバーチャルリアリティを表現できます。そんなことのできなかった時代、かの黒澤明監督が、ロケ地で遠くに見える一本の木を、助監督に「邪魔だから切ってこい」と言ったそうです。

カメラ爺もカッコマン好きです。でも、本当にカッコよくなれないのが残念。
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