kazuフォトローグ

「徒然なる日常」を写真で語ります。

奇妙な塑像?

2018年05月24日 | アート


竹橋にある国立近代美術館一階ロビー。
フォルムだけの塑像が立っている。
ガラス越しに同じポーズ。
まるで鏡に写っているかのようだ。

静止したパフォーマンス?、思わず近寄ってみたくなる。
誰の作品か表示を見落としたが、このアーチストの他の作品はどんなのだろう、
そんな気持ちにさせられた。

横山大観展 体感!

2018年05月19日 | アート


初夏なのに、夏日を超え真夏日と思える昨日、
東京国立近代美術館(地下鉄東西線竹橋駅徒歩3分)の「生誕150年 横山大観展」を見てきた。

20代から晩年まで、明治・大正・昭和にかけて大作を描き続けた近代日本画の大家。
その大回顧展である。

竹橋駅を出ると、平日とあって、同世代の爺婆?がほとんど。
混雑を覚悟したが、意外にスムーズに見られた。

屏風絵の大作に圧倒されたが、圧巻は長さ40mにも及ぶ水墨画「生々流転」。
列は大渋滞、幾重もの人が並ぶ。
大作を見続け、いささか疲れた後に、この行列である。20~30分待ち。

はじめに下書きが続き、それも十分見ごたえがあるのだが、本作にはさらに驚かされた。
列は遅々として進まず、係員の「立ち止まらずにご覧ください」のアナウンス。

小さな水の流れが、次第に大きくなり、竜となり空に昇る。その物語が40mにもわたって続くのだ。
この作品一つを観るだけでも、来た甲斐があったというものである。

見終わった後、近くのパレスサイドビルでビールを一杯飲もうと思ったら、
「横山大観展」チケットの半券で、生ビール一杯無料。

疲れは癒されるし、得した気分になった。





川底のオブジェ

2018年04月09日 | アート

何気ない石の造形も、条件によっては一つのオブジェに見えてくる。
いつもは眺めることもない神田川の川底。

増水で急な流れを和らげる役目を果たしている石の集まりが、
桜の花びらにまとわりつかれて、オブジェになった。

これで錦鯉でも泳いでいればもっと絵になるのだが…


はばたこう!

2018年01月04日 | アート

西永福・大宮八幡幼稚園舎の壁面。
朝の陽をあびて、鳩たちがまさに飛び立とうとしているオブジェ。
なかなかよくできている。
影が映っていなければ、本物と見間違えそうなほど躍動感がある。
気分がよい朝の情景だ。

佐藤忠良氏作品 「ジーンズ」

2017年11月21日 | アート
某日、所用で阿佐ヶ谷の区役所に行かなければならなくなった。
浜田山駅からコミュニティバスで約20分。
大人も小人も100円というのがうれしい。
井の頭線・中央線を乗り継いでいったら、時間も金もかかる。

平日の午前中とあって、渋滞もなくあっという間に着いた。
区役所の入り口で迎えてくれるのが、佐藤忠良氏の作品「ジーンズ」(1990)である。

現役のころ、PR誌の表紙絵を受け取りに永福町のアトリエを何度か訪れた。
ミニ体育館のようなスペースで、いつも制作作業をされていた。
91才で亡くなられてもう6年になる。

作品は色あせない。それよりますます艶っぽく見えるのは、カメラ爺が年を取ったせいか。


季節に合わない絵だけど・・・

2017年10月22日 | アート

江戸の美を今に伝える「上村松園展」に行ってきた。
美術の教科書で日本画の代表としてとりあげられる女流画家である。
恵比寿の山種美術館。


画展の目玉ともいえる代表作「蛍」が入口に展示されている。
174.5×97.7㎝、ほぼ等身大の大きさ。
髪一本一本、着物の柄の細かな表現、目を見張らされる描写だ。
蚊帳を吊る姿の視線の先に、蛍が飛んでいる。

涼し気、そして、そこはかとない色香。
今時の女性に、こうした美しさを感じるのは舞妓さんしかいないのではないか、
そう画家も言っている。

確かに江戸の女性美は独特のものがある。
北斎や広重の浮世絵もその美を追求したのではないか。

美術館所蔵の作品は18点しかないためか、~美人画の精華~として、小林古径など、同時代の画家の作品も展示されている。その数に驚いた。
解説がなければ、誰の作品か区別がつかないくらい、表現に共通するものがある。

著名画家しか知らないカメラ爺には、ほとんど聞いたことのない人ばかりだった。
ま、覚えられないけど、それもまた、新たな世界に触れた、と言えるかもしれない。

涼を誘う風鈴・・・

2017年08月25日 | アート
あまりの暑さ。せめてブログは涼しげにしたい。
部屋の温度計を見たら、34.9℃。
さすがのテニス依存症のカメラ爺も、出かける気にならない。
おかげでエアコンの効いた部屋でじっくり新聞を読めた。

東京新聞朝刊「こちら特報部」(8/25付)に
‘官僚主導から政治指導 誤りだったのか?,という記事があった。
なるほど内閣人事局の創設以降、政治にもの言う官僚は、表舞台から消えてしまうのだ。

M前文科省事務次官のことは、うやむや。あろうことか、激安価格で国有地を売却した何某が、国税庁長官に栄転である。

一体この国はどうなっているのだ。
同日の別な記事。「笹川日本財団会長が、自身のブログに、山梨・鳴沢の別荘で安倍首相と歴代の首相(小泉・森・麻生)と会食、大笑いしている写真を投稿」、とあった。

なんの危機感もない。プライベートな世界をうんぬんする気はさらさらないが、公営ギャンブルの元締めの誘いで、こんな写真をさらけ出させるとは、あぜんとしてしまった。




圧巻の迫力!

2017年08月02日 | アート

「タイ仏教美術の熱風、トーハクに」のキャッチコピーの通り、
上野の森はものすごい蒸し暑さだった。
が、会場に入ると、涼しい。こういう時は、冷房の効いたところで過ごすのが一番だ。

仏教に大乗と小乗があるのは知っていたが、むろん詳しいことはわからない。
日本で普及したのは大乗。大きな船で救済する、一方の小乗は小さな船で救済する、のだそうだ。
ある解説者によると、大に対して小は差別になるので、上座部仏教というらしい。

タイの国民の9割が小乗仏教の信者だという。
釈迦没後、仏教はさまざまに分派したが、あまりにごちゃごちゃしていて整理がつかない。

それはさておき、近世のタイ仏教美術の派手さにはとてもついていけない。
一時期は、日本の飛鳥仏に通じるものがあるが、その後は、まったく違う仏教文化になった。

奈良や鎌倉の大仏には威厳が感じられる。
それは、タイの古代仏教世界に通じるのかもしれない。







この絵が500年近くも前の作品とは!

2017年03月20日 | アート


先週、上野・東京都美術館「ティツィアーノとヴェネツィア派展」を見に行ってきた。
第三水曜日シルバーデーは、65才以上無料である。
長年、都税を払ってきたのだから、この程度のサービスはあってもいいだろう。

平日の午前とあって、鑑賞者の大半は爺婆である。
それに比べて、展示されているのは、豊満な女性の裸体絵画。
落差が激しすぎる。

なんとこれらが、500年近くも前に描かれているのだ。
日本の戦国時代に比べて、なんと優雅なことか。

それはさておき、絵画の保存状態がいいのに驚かされる。
絵具のひび割れひとつないのだ。

同時代の画家の作品も展示されていたが、ティツィアーノは出色である。
なかでも「フローラ(女神)」は、いつまで見ていても飽きない。
意味深な左手の指、右手に持つ花。
官能のシンボリックな表現に、想像の世界がどんどん広がっていく、カメラ爺だった。

日本画を超える日本画? 生誕90年 加山又造展

2017年03月05日 | アート
日本橋高島屋で「加山又造展」を見てきた。
日本画の中で異色の画家。

繊細で緻密な表現の中に独自の世界を作り出している。
それもそのはず、ブリューゲル、ルソー、ピカソなど西欧の絵画の手法を吸収し、日本画を新たに発展させたというのである。

華麗な屏風絵、可愛い動物たち、裸婦、伝統の水墨画、多彩な表現は、同じ画家とは思えない。
自由な世界に「人間は変わる」のだ、ということを改めて実感させられた展覧会だった。