果樹園の風

愛知県豊橋市で無農薬のレモンを栽培している河合果樹園です。
目指せ!楽しむ農業、楽しませる農業!

ポンテローザと近藤寿市郎

2017年12月27日 08時47分46秒 | 日記・エッセイ・コラム
もうすぐ一年が終わろうとしている。
寒さで長かったヒマラヤザクラの花も樹上で茶色くなってきた。
なぜか一本だけピンクが濃いのが特徴で、
今年は2年ぶりになかなかの艶姿であった。
脇にあるポンテローザというレモンは成りが薄いため、
ただでさえジャンボなのにまた一段と大きい。
柑橘類はもともと、マンダリンとザボンとシトロンの三種類が起源で、
そこから突然変異や交配によって星の数ほどの品種へと発展してきた。
ポンテローザは花の咲き方を見ていると、シトロンに近いものだと推測できる。
レモンイエローの大きな実は、風水的には玄関に置くのがいいかと思い、
皮がしなびるぐらい長いこと置いておくと、レモンらしい芳香を漂わせる。
その昔、シトロンは宗教儀式に使われていたため、外観のいいものはとても高価だったと聞く。

そんな理由から最近はまっている仏像とのマッチングを妄想する。
金箔に覆われた仏像だったら、レモンイエローが勝過ぎることもないだろう。
いずれアトリビュートになれば面白いと
薫陶かぼちゃをオーブンで焼いて食べながら思う妄想家である。


前回紹介させてもらった宮沢賢治の「水汲み」、
実はその次の714の「疲労」という詩に私は最初にひかれた。

私たちの生業は疲労とともにあるといってもいい。
汗だくになって働いていて、額の汗をぬぐいながら空を見ると
入道雲がモクモクと押し寄せてくるような感覚は私も経験がある。
単純な作業をこなさなければいけない、修業時代を思い出す。
そしてそれは一般的にはとても疲れる骨を折るほどの作業。
だから「疲れを知らない・・・」ここのところに凝縮される。

何に見えるかは人それぞれだが、体験でしか理解できないのが人間である。
そんなことも時代とともに忘れられるのは当たり前だけれど、
この東三河の地に豊川用水という灌水の疲れを緩和してくれるものが
当たり前にあることは感謝しなければいけないはず。
壮大なプロジェクトが完成したのは
近藤寿市郎のとてつもない構想と発案があったからだ。
私がそれを知ったのは台湾旅行中に、
ガイドさんに後藤新平を知っているかと問われ知らなかったことに端を発する。
台湾では新聞一面を飾る後藤新平賞も、日本での扱いはほんの少し。
そんなことを調べているうち、郷土の人のことも知りたくなり寿市郎につながる。
まるっきり個人的な意見だけれど、
近藤寿市郎を東三河の後藤新平だとわくわくしながら感じた瞬間だった。
バルブをひねれば出る豊川用水の水、空を見上げながら立像に問うてみよう!


河合果樹園 http://kawaikajuen.jp/









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冬の芸術とエロティック東三河

2017年12月18日 13時43分29秒 | 日記・エッセイ・コラム
冬らしい天候がとても気持ちいい。
朝暗いうちから仕事の段取りを取るのが、ルーティーン。
河合果樹園から車で10分ほどにある無農薬レモネーディアの温室に行く。
借りている温室の方が、果樹園より2度ほど最低気温が低い。
夏場も太平洋からくるだろうやや涼しげな風が吹くため、
レモネーディアたちは気持ちよく成長する。
隣にある野菜畑の耕起した端部分の影が、まだ低空にある太陽に照らされてとても長い。
なにも植えられていないので茶色の土と黒い影のコントラストが芸術的だ。

潅水をしている豊川用水の立ち上がりからこぼれる冷たいであろう水に、
恋教鳥が尾を振りながら速足で歩いていく。
かわいい脚は冷たくないのだろうかと心配する。
だいぶ黄色くなった無農薬レモネーディアの収穫を急いで終え、
戻って倉庫の中で箱詰め作業をしなければならない。
CBCラジオの澤明宏アナウンサーの絶妙な伝える力が、
発送業務を忙しくしてくれたことは、感謝するばかり。
聴いていた人から、声をかけてもらい少し照れ臭い師走である。

このところメディアを賑わせているのが、寿プロジェクトの「エロティック東三河」
この地域は来年の6月に豊川用水通水50周年を迎える。
農産物の生産の前提条件として絶対不可欠なのが、土地と太陽と2酸化炭素そして水である。
その水がない時代、静岡県湖西市の西部から渥美半島にかけて保水力のない土地は
夏場に干ばつの被害を受けることが多かった。
その時代を私は幼すぎて知らないが、大先輩との話でなんとなくは理解していた。
水のあるであろう河から、植物の命を守るために何度も水を運ぶ作業は単純な重労働である。
今の現代人には決してできない仕事になっているはず。
そしてその時代に水がもとでの争いごとがあったことは想像に難しくない。
わが家の先祖が肥料としての、山の下草のもめごとで、この地に来た歴史からそう思う。
そんな時、宮沢賢治の詩を読んでいて、その時代にあったであろう光景が飛び込んできた。
春と修羅の711番目の「水汲み」がその詩だ。
単純な重労働の身を置いているのなかで、感じ取るしかない自然の芸術性が素敵だ。
感じ取るしかないというのは、だれにでも見えるものではないということ。

そしてその芸術性はこの東三河には数多あるし、
感じ取れるセクシーな人もどんどん出てきている。
そんな魅力を奥三河を源とする水に感謝して、このプロジェクトは船出した。
私も少しばかりお手伝いすることになり、先人の労をもっともっと学ぶ立場になってしまった。
来年の11月24日(土)に東三河からこぞって上京する人たちが目に浮かぶ。
まだまだ情報&勉強不足の面はお許しをいただいて、少しずつ学びを公開していこうと思う。


河合果樹園 http://kawaikajuen.jp/





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

澤明宏アナウンサーと紅葉祭り、そしてヒマラヤザクラ

2017年12月04日 20時50分21秒 | 日記
いらぬ雨が降っている。
繁忙期なのに野暮用が天から舞い降り、頭の中で描いている仕事の進み具合とは程遠い。
無農薬レモンの出来は悪く、多くのお客様にご迷惑をおかけするようになってしまった。
無農薬レモネーディアは熟度が増し、美味しくなってきた。
早生みかんはもう少しで収穫完了となりそう。
全国的な不作と台風被害で、巷ではみかんが足りないという声が聞こえる。
今年の果物農家の嘆き節も、あちこちで聞こえる。
そんな中、久しぶりに河合果樹園を訪れてくれたのはCBCの澤明宏アナウンサー
当園に足を運んでいただくのは、片手では足りない数だと記憶をたどる。
空ナビというお天気を題材にした新しい視点の番組は大きな反響を呼んだ。
お天気キャスターがこの番組から世に出たといっても過言でない番組だ。

そして今回は「多田しげおの気分爽快~朝からP.O.N」の金曜特集、東海3県食材の旅にて
無農薬レモネーディアを取材していただきました。
放送日は12月15日(金)のAM8:15~8:45。
澤アナウンサーの軽快なしゃべりにどこまでこたえられたかは疑問であるが、
とっても楽しい取材だったので、内容をわくわくして待っています。
浮き沈みはあるけれど、こういったテイストに救われる日々だと思うとなおさら感慨深い。

毎年恒例の船形山普門寺の紅葉祭りに、少しだけ顔を出しに行った。
百儂人キッチンカーで販売する本家「豊橋スムージー」が気になったからだ。
そして年々増える参拝者と年々綺麗になる紅葉とヒマラヤザクラのコントラスト。
ヒマラヤザクラは河合果樹園の温室の近くにも巨大になって4本植えられている。
ということは中日新聞を読まれた方は、なんとなくいきさつがわかるかもしれない。
本堂でお参りをして、このところ妙にひかれる年齢になったのか宝物殿に足が向く。
今回はライトアップされた四天王が、いつもと違って見える形相で
古の船行山の守りについているかのごとく胸を張っている。
この紅葉祭りを肌で感じながら、空を無限大ととらえてもう一歩進んでいきたし!

河合果樹園 http://kawaikajuen.jp/






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする