数年ほど前にお世話になった農業共済新聞の記者の方の推薦で、
その新聞の1面に持ち回りで連載されている「ズバリ直言」というコラムを
担当することになってしまった。
学生時代のゼミの先輩がその新聞社にいるため、何かのご縁だと思って受けさせてもらった。
執筆者一覧を見ると農家なのは私一人、読者に農家の親父のつぶやきは人気がないということだろうか。
このブログのように意味不明の言い回しになって伝えられるかどうか妙に心配でもある。
目的とターゲットが少し?なので、担当者の方にそう伝えたら、どうもご自由にということらしい。
1面なのにあまり目を奪われない小難しいものなのかと・・・。
担当者の方に字数オーバーを校正をしてもらい、締め切りにセーフ!
果たして何人の方が理解してくれるか、深遠な哲学などない私には少し気に懸かる。
昨年仕込んだリモンチェッロは半分は私の体内で消化、
残りの半分は1年寝かしてみたらどんな味になるのかという興味で、
冷蔵庫の中で小言を言われる邪魔者になっていた。
表面にはレモンのオイルが分離して瓶の内面に付いている。
昨年作った時は黄白濁していたが、1年寝かせたら透明感のある液体に変わった。
1年ではあるが悠久の時と同じぐらいの重さを感じながら、ワンショット味わってみる。
やはり刻んだ時間はリモンチェッロをしっかりと素材同士が絡み合った
清楚な味に変化させてくれているようだ。
これなら日本の伝統の梅酒と同じように、食前酒でもいけそうかなとも思う。
決まり事から言えば邪道なのかもしれない1年もののリモンチェッロ、
単なる私の好奇心からだが、
こんなところに次のステップへのヒントが隠されているのかもしれない。
とにかくやってみよう!ほとんどの人が失敗体験の方が多いのだから・・・。
新年恒例のレモンオイルの仕込みを行った。
木なり完熟レモンでつくるこだわりのドレッシングである。
レモンの皮のオイルと果汁をEXバージンオイルに付け込み、2週間~1ヶ月ほど熟成!
これが春を感じる味へと熟成変化していくのが、毎年楽しみである。
食べ方は生野菜サラダのドレッシング、パスタの香り付け、
そして私が一番気に入っているのが天然酵母パンに少し付けてお酒のおつまみに。
ノンベーですね~!その通り、当たっています。
熟成期間中は毎日瓶を振って、レモン果汁とEXバージンオイルの混じり合う狂想曲を見る。
レモン果汁が気泡のようになって、EXバージンオイルの中で踊る。
ゆっくりと降下していくレモン果汁は何か特別のロマンスを感じるような生き物に見える。
作る過程の機微を楽しむのも素敵なレモンライフのひとつだ。
寒い日が続くなか、瓶の中のレモンオイルが春を運んできてくれそうである。