果樹園の風

愛知県豊橋市で無農薬のレモンを栽培している河合果樹園です。
目指せ!楽しむ農業、楽しませる農業!

自然のジャズと初めて見るクモ

2016年04月30日 18時06分13秒 | 日記・エッセイ・コラム
みかんの木が花やつれしないように、根気よく蕾を落としていく。
むせび泣くような音を立てて西風が、木々の間をすり抜けてくる。
この時季にしては冷たく乾燥した輩だ。
小さな苗木の花を摘む手は、せわしなさを通り越している。
こういった作業の時は音楽を聴きながら気持ちよくやりたいが、
年齢のせいか自然の音のほうが心地よい。
まるでジャズを聴き一杯やりながら考え事にふけっている状態ともいえる。
風の音、小鳥のさえずり、虫の羽音など私にとってはいい音域なのだろう。
2日間必死でみかん山の頂上のみかん園が終了。
肩が痛いのが気になるが、少しの達成感はある。
すこし体をいたわってあげなければ・・・。

作業中視覚情報として気になるのが、虫たちの動き。
テントウムシのせわしない歩きについ目がいってしまう。
みかんの葉の上には多くのさなぎがテントウムシになるために、
内部で変態が少しずつ進んでいると思うと
見てみたいという欲求にかられるのは私だけだろうか。
ぐっとこらえてそっとしておいてあげるのが、
みかん農家としての流儀だと欲求をしまい込む。
そんな作業中、初めて見るクモを発見!
ちょうどヒラタアブが犠牲になったから気が付いて。
一瞬、人面グモにも見える。
平面的な巣と、その巣の隅にあるシェルター。
普段はシェルターに隠れていて、獲物がかかると急襲してがんじがらめに。
そしてシェルターにもっていき、ゆっくり味わう。
誰にも邪魔はさせないという、面白い奴。
時間があるときに、ゆっくり名前を調べるとしよう。

河合果樹園 http://kawaikajuen.jp/







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とよはしマルシェとお隣でのご縁 足利市

2016年04月24日 20時22分31秒 | 日記
露地みかんの蕾がどんどん大きくなっていく。
毎日の気温に五感を集中させて、仕事の段取りを決めていく。
そんな中、休みの日のワンチャンス、東京へ販促活動に行くことに。
東京浅草にある「まるごとにっぽん」3Fイベントスペースで22日~24日まで
とよはしマルシェに河合果樹園の初恋商品をもって参加してきた。
23日(土曜日)だけの参加であったが、
多くの来場者の皆さんと触れ合うことができたと思っている。
無農薬レモンと無農薬レモネーディアで作った一切の無駄を省いた「無」ともいえる
その本質を説明させてもらいながら甘酸っぱくもほろ苦い物語をお話させてもらった。
もちろん食べ方の提案は素敵なレモンライフへとつながり、
お客様の生活へほんの少しのレモンアクセントを楽しむ機会を作ったはずだ。
株式会社47プランニングの皆さんにお世話になり、浅草の雰囲気を楽しむことができました。
もちろん市役所のKさんの陰なる努力があってこそ。
近くの食べ物街で、ビールをおいしそうに飲むインターナショナルな
雰囲気に引き込まれそうになりながら足が棒になった一日でした。

たまたま隣でブースを出していた
足利市のシティープロモーション担当の方々にも大変お世話になりました。
古印最中を買ってみたり、ポスターを見ながら観光地の説明を受けたりしていると、
ふとある講演がフラッシュバックしてきました。
巨大な大藤のポスター・・・、そう浜松フラワーパークの塚本こなみさんのお話。
足利フラワーパークへの大藤の移植から始まった彼女のタブーへの挑戦と
命を削ってのパワーあふれる行動は、自身のやっていることに
かなりオーバーラップしたのを覚えている。
こうやって今までの学びが小さなご縁でつながっていくと、一気に興味の風船は膨らんでいく。
一度、いろいろな仕掛けで進化を続ける足利フラワーパークに行ってみたい。
こんなことは農業用語でいうなれば、
アレロパシーに違いないと擬人化の反対が急に浮かんでくる。

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春の演出と日本タンポポ

2016年04月14日 08時17分59秒 | 日記
昨夜は夢の中で雨音が響くほど、春の植物を潤す潤滑水が多く降ったようだ。
草木は景色をちりばめる水滴を纏って、生き生きとしている。
菜ッ花園さんに昨年いただいたボロニアが、
手裏剣のような4枚の花びらといういで立ちで咲いてくれた。
このボロニアはミカン科なので、以前みかんの害虫がつくことを教えてもらったことがある。
蕾が出てくると一気に綺麗な様相になるから不思議だ。
庭のトキワマンサクも春の演出にはかかせないメンバーだ。
庭木としては人気があると思うのだが、自然界では絶滅危惧種のようで
環境省の絶滅危惧ENとなっているようだ。

この雨と暖かさで露地みかんの蕾は白化期に階段を駆け上がる。
花摘みといって、毎年なるように蕾や花を落とす作業をすることになる。
一月の寒波でみかんの木やレモンの木は種を残すために多くの花を咲かせる。
当然、ゆく川の流れに身を任せていると、一年おきに成る年と成らない年となる。
それはみかん農家にとっては、天国と地獄を意味する。
少し肉離れ気味になっている太腿の様子が気になるが、どうも楽はさせてくれそうにない。

先日、豊橋市の有名な某所に森の香りでリフレッシュするために行ってきた。
あたり一面に黄色の点をちりばめている、
ダンデライオンを接写していてあることに気が付いた。
ガクが反り繰り返っていないのだ。
観察すればあたりに外来種はないようにみえる。
牧歌的風景に、やはり和種だとわかると価値も上昇する。
我が家の周りやみかん園にはない価値がここにある。
駆逐されないように祈るばかりである。

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原点と悪魔のレトリック

2016年04月04日 20時24分21秒 | 日記・エッセイ・コラム
ソメイヨシノが満開となり、梅田川沿いのコントラストが美しい。
堤防から湖西連峰を見渡せば、もこもこと色とりどりのパッチワークに見える。
露地みかんの小さな蕾が顔をのぞかせている。
暖かさと雨で一気に生育が進むが、実はまだ剪定が終わっていないという現実がある。
新芽と蕾を見ながらの剪定になることはもはや確実。
こんな年もないなと、ここのところ一筋縄ではいかない空を見上げる。
今はみかん作りの新しい年に入ったばかりの時期、
不安は物事を考える原点になり、時間とともに希望が生まれ、
まだ見ぬ豊穣の時に期待を膨らませる。
一生の間にそう多くない経験のルーティーン階段を少しずつ上る。


無農薬レモンの剪定は、まるでおもりをつけられたような
肩や肘の痛みをだましながら終えることができた。
1月の異常低温のせいだろうか、細い枝から直接蕾が出ていた。
このままいくと花を咲かすのにエネルギーを使い果たし、
レモンの木はぐんぐん弱っていくことになる。
そのため、蕾を落とす作業をすることに。
寒さにやられて落葉した枝の蕾を、すーとなでるように引いてすべて落とす。
意外と楽に落ちるが、判断スピードの要求値は高い。
状態が悪いと再度蕾が出てくることがあるが、先のことを考えたらできない。
心の中の悪魔はささやきの中に、いつもレトリックを使う。
無農薬レモン作りは楽=楽しいという公式は成り立たない。
甘い言葉をやり過ごしながら、いつも罪悪感なしの作業をしていきたい。

河合果樹園 http://kawaikajuen.jp/






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