果樹園の風

愛知県豊橋市で無農薬のレモンを栽培している河合果樹園です。
目指せ!楽しむ農業、楽しませる農業!

シチリア紀行とみかんのオーナー募集

2019年06月22日 08時26分03秒 | 日記・エッセイ・コラム
太平洋のすぐそこで雨雲ができて、ここ豊橋東部を北へと通り過ぎて行く。
部分的な雨は今のところ、恵み多き方向で進んでいる。
シチリアから戻ってきて、仕事は立て込んでしまっているかと思われたが、
スタッフのおかげで順調に季節を追いかけている状況で一安心。
イタリアの穀物倉庫と言われるシチリアを、
農家視点で見てきて湧き上がるものが少し見えてきた

もう一つの興味はヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテのイタリア紀行。
「シチリアなしのイタリアというのは、我々の心中に何らの表象も作らない。
シチリアにこそすべてに対する鍵があるのだ。」という言葉から、
自分自身の鍵を求めての視察。

訪れるところで必ず、ガイドさんが口にするゲーテの足跡と曰く。
パレルモではゲーテが歩いたリベルタ通りのプラタナス並木を見ながら聞く、
「世界一美しいイスラムの都」といわしめたこと、宿でのぼったくりの話し。
アグリジェントでは神殿の谷を歩く。
タオルミーナで「ギリシャ劇場から見るパノラマは世界一だ」と言ったゲーテが
途中で登るのを諦めたエトナ山を望み
ガイドさんから肥沃な土地と標高を利用した果物栽培が盛んだと教えられる。
移動の時に車窓から見る柑橘園に想いをはせながら、
温暖化とそれによる食の変化を予測して行こうと思う。

今年も募集が始まっている河合果樹園とNPOほの国プロジェクトが主催する、
地産地消型みかんのオーナー制度。

日本農業賞の大賞をいただけたのも、15年も続けてきたオーナー制度のおかげ。
オーナーになってもらうことで、みかん山の景観を守り、地域の農業を守る。
そしてみかん園は学びの場となり、多くの方に植物生理と農業の本質を知ってもらう。
そうすることで五感が研ぎ澄まされ、自然と感性が融合する。
また運営に携わってくれる、若きスタッフの成長もある。
今年は花が多く、このまま行くと来年はみかんがならない状態。
その対応でかなりの投下労働力を消費したが、継続の文字がそんな苦労をかき消してくれる。
残り10数本だと、担当のろみたんから連絡が来た。
移り変わりの激しい時代に、変わることができないみかんの収穫。
一つ一つみかんを収穫をする喜びを体験しに来ませんか?
心配はいりません。
もし切るのが大変な場合は、若きスタッフが対応してくれます。
詳細はこちらから

河合果樹園








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夏のコスモスとササユリとレモンパルフェART STYLE

2019年06月12日 11時06分18秒 | 日記・エッセイ・コラム
梅雨に入り、みかんたちが一気に成長しだした。
宇連ダムの水は相変わらず少なく、佐久間から導水しているらしい。
ダムもそうだが、植物も体から水を給水して成長を促進する。
みかんの上の雨露は美しく、そして儚いが大切なものである。
近所のコスモスの群落の一部が狂い咲きで、雨の風に揺れている。
昨年の秋には植物たちは春を感じていたので、
ちょっとしたボタンの掛け違いで咲いてしまったのだろうと農夫は想像する。
しかし梅雨のコスモスもついカメラをもって出掛けたくなるほど美しいものだ。
伊古部のささゆりは見頃を過ぎただろうか、少し前の見返り美人が頭に浮かぶ。
その美しい姿は、花を咲かせるまで7年の歳月が必要だと知った。
美しく実るには時間がかかる、果樹農家は痛いほどわかる。

少しタイミングが遅くなってしまったが、
ホテルアークリッシュ豊橋の16階レストランKEIで、
河合果樹園の無農薬レモンたちがお客様の味蕾を虜にしているという連絡。
デザートとして、河合果樹園のレモンパルフェART STYLE」というクールなネーミング。
ランチとディナー、それぞれに出てくるという。
内容はレモンクリーム・レモンの皮のシロップ・
レモネーディアゼリー・レモンアイスクリーム・レモンの新葉。
下に敷かれている自然栽培のレモンの新葉は、お客様から必ず質問が来るらしい。

時季ごとに移りゆくレモンの葉の味わいと香り。
リモネンとシトラールの香りの演出は、
昨年の初恋レモンプロジェクト10周年パーティーの時に私が皆さんに伝えた、
プルースト現象を伴って再びいつしか記憶が戻ってくる。
齢を重ねても記憶に留まるそれは、懐かしさという言葉と一緒にもう一度行動を起こさせる。
自然栽培レモンの木にとっては、生産工場である葉を摘み取られると言うことは、
一大事件出歩けれど、実はここに自然栽培の不思議な循環の作業が隠れている。
やってはいけない、一般的ではない、そんなところに原石は転がっていると感じる。

河合果樹園







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エシカルな栽培と道の駅とよはし

2019年06月03日 20時07分43秒 | 日記・エッセイ・コラム
このところ何年もせっかく咲いた花が実になり、
そして落ちてしまう現象に悩まされている。
原因は温暖化の一言だと言うことは明白な事実。
天候に左右されやすいという有機質肥料100%栽培のつらいところだ。
いろいろな方策をためしているのだが、どうもしっくりこない。
解決方法は絶対あるから、不可能はないという輩もいるが、
前提条件が違いすぎることは頭に入っていないようだ。
化学的なものを何でも使っていいというなら、
それに近づくことはできるだろうけど、
モラルや環境や循環を前提条件に栽培すると、
やはり自然にもたれかかり、受け入れていくしかない。

もう少しすると実も目立ってきて、勝敗ははっきりする。
自然の取り分を返すことが、
買い支えてくれる方々への真摯な行動だと思う。
あがくのは体力がいるけど、頑張っていこう!

5月26日にオープンした「道の駅とよはし」。
そのブランドショップに河合果樹園の初恋レモン・レモネードが、
レモネードブームの火付け役としての自負を纏っておかれている。
その他の商品に埋もれてしまっているが、無農薬完熟レモンを皮ごと絞り、
水と北海道産の甜菜糖のみで、一切の添加物を加えず作った逸品である。

以前山謙さんが責任表の成分を見て、一言「オリゴ糖」と言ったのを思い起こす。
流石、作り手もわかっていますねという遠回しな言い方。
目に見えない糸が真っ直ぐに張り詰める瞬間である。
山謙さんと言えば「エシカルソーシング」!
個人的な線引きではいけないのかも知れないが、
本物をめざすのであればその部分は伝えていかないといけないだろう。
さて難しい話しは置いておいて、一度道の駅とよはしを訪れてみてはいかがだろう。
担当のY君が畑違いながら、向上心溢れる対応で頑張っています。
一声かけるときっと喜ぶだろう!
隣にはJAアグリパーク食彩村があり、
農産物などがたくさん販売されているので、楽しませてくれるはず。
豊橋で3本の指に入ると言われているHさんにも、一声かけてみてください。

河合果樹園






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