今年も近くの田んぼにカブトエビと豊年エビが、水の温みとともに泳ぎ回るようになった。
他の草取り虫と呼ばれるカブトエビは、
田んぼの泥をかき混ぜながら一生懸命えさを探している。
ちょっと見はオタマジャクシに見えるため、気づかない人も多いのだという。
進化しなくても生きることができた【生きた化石】と言う呼び方に、
カブトエビの底知れない時間の奥深さを、多くの人が感じるはずである。
子供の頃、シーラカンスやカブトガニの話を聞いた思い出が、
よけいにそうさせるのかもしれないのだが・・・。
環境保全型農業が叫ばれる中で、
生業の糧を生み出す畑や田んぼに多くの昆虫や植物がいるのは、
少しずつそれを実践している私としてはとてもうれしい。
このことは農産物を生産する以外の、農業の多面的機能だといえる。
そんな環境が地域の人たちに巡り巡って、
たくさんの目に見えない価値が生まれていることを知ってもらえれば・・・と思う。