無農薬レモンと無農薬レモネーディアに発生するハマキムシもだいぶ落ち着いてきた。
昨日今日と涼しい天候のため、またハマキムシが元気になると困ってしまうが・・・。
手で取るという原始的な処方箋は、一見対処療法に見えるが、
実は長い時間をかけて生物の多様性を醸し出す予防療法だといえる。
当然そこまで行くのには、甘いささやきをやり過ごしていく。
農薬をかければ一発で殺すことのできるムシを土着の天敵を使った自然の叡智で、
やり過ごして収穫まで行くのはかなり勇気がいる。
勇気農法というだじゃれにもならない表現なのだが、自身妙に笑えない。
そんな中、理解に苦しむのが「有機農薬」という言葉。
そう、これらの農薬は農薬としてカウントされないため、
無農薬栽培(化学合成農薬不使用)という訳のわからない言い回しになる。
つまり有機農薬は使って作っていますよということだ。
使えれば楽だな~と私自身何度思ったことだろうか。
そうすれば代替えの技術を磨いたり、精神的に重い観察眼など必要もないのだけれど
わかってしまうと自然との共生はやはり楽しい。
あらたなアイデアを求めて収斂はまだまだ続きそうだ。
最近知った事でおもしろいと思ったことが二つある。
一つ目は昆虫の抵抗性獲得について。
農薬に対する抵抗性は昆虫自体が作り出すものとだというのが定説だけれど、
土壌や食べているものを介してそれの抵抗性をもった微生物が体内に入り、
それが昆虫自身の抵抗性となっているという説。
二つ目は食べ物の趣向について。
食べている食事がジャンクフードだと、それを好む微生物が体内で増える。
もしジャンクフードを食べるのをやめると、
その微生物はジャンクフードを食べたくなるような信号(誘惑物質)を、
宿主(人間)に出して我慢できない状態にするという説。
ある意味、生き物は体内の微生物に操られているということになる。
自分を操縦している奴を知れば、甘い誘惑に打ち勝つことができるのだろうか?
見えない敵が見えると、世の中は俄然おもしろくなる。
河合果樹園 http://www5.ocn.ne.jp/~kawaikje/
画像はレモンの萼の中に潜む憎きハマキムシ