二重苦と初恋の日と肉桂

先週、朝一番の仕事で腰を痛めてコルセット状態に。
10ヶ月ほど直らない肩痛とあわせて二重苦を何とかだましだまし
つきることのない仕事をこなしている。
朝焼けと夕焼けがやけにきれいだなと思いながら、
昨年もそうだったなとつぶやく。
記憶はいつも曖昧のため、思い起こしは画像管理ソフトに頼りっぱなしである。
脳の一部をPCに肩代わりしてもらっている状態なんだろう。
無農薬レモンも無農薬レモネーディアは果実全般に言えることだが、
２週間ほど後方を走っている。
あれやこれやと手を尽くしているのだけれど、
自然の摂理にぴったりはまってしまい、喩えれば蟻地獄状態か。
１０月３０日の初恋の日が迫っているのに、今年はほろ苦い経験となりそうである。
どこかで自然の時計が進んでくれるといいのだが・・・・・。

今日は肉桂（シナモン）の木をチェーンソウで切りつめた。
少々邪魔だったことがその理由なのだけれど、しのびなさにひかれた。
というのは昔はその根をかじっておやつにしていたという事を聞いていたからだ。
エンジン音と共に辺り一面に、いい香り（私には）が広がる。
一気に気持ちが健やかになるパワーは可能性を秘めているような気がしてならない。
この肉桂は香辛料や漢方薬として使われ、２０００tほど輸入されているのだとか。
料理にも使えるということなので、とにかく大事にしていきたいと思う。
が！、遙か昔からあるため、木の半分ほどは朽ちかけて中心には穴が空いている。
かわいそうに思い、樹木医に変身し木の赤チン（死語か？）を塗る。
勝手にいいことをしたような気になり、プラス思考に。これ大事です。
周りを見渡すと自然とは良くしたもので、ちゃんと小さな肉桂の木が生えてきてる。
また遙か彼方を見ている命、そこに価値感を落としたくなった。

http://www5.ocn.ne.jp/~kawaikje/

肉桂（シナモン）の葉

マクナギと準備と記念日

今日は夕方になると風がないできて無風状態に。
マクナギが飛んでいるのを見て、雨か？と思う。
湿度も上がってきているのか、夕方の肌寒さを感じない。
マクナギは下手な気象予報士より、私なんかは信じている。
人の頭の上についてきたり、自転車で走っていると口の中に飛び込んできたり、
昔はだいぶお世話になったような気がする。
無農薬レモンと無農薬レモネーディアはこれまでの高温と乾燥に祟られて、
どうも肥大が芳しくない。
秋が暑い天気はレモン達にとっては過酷な条件なのだ。

１０日の日は愛知県農業経営士協会の会議と農業技術懇談会で、
十数年ぶりに愛知県農業総合試験場にいった。
午後からの懇談会では研究テーマの発表と質疑応答が行われ、
私も自分の作っているもの以外の作物の研究に耳を傾けさせてもらった。
いろいろな意見が出たが、今までの殻を破って新たな価値を創造するためには
やはりマーケットを知らないとだめだと思う。
先進農家自体はどんどんプロ化しているのに、一翼を担う農業政策は昔のままだ。
プロ化への条件は、いかに時間を上手く使うかだと思う。
最初から時間なんて上手く使えるはずがないから、
その前段階は既存の労働時間以外に労働時間を作ること。
解りやすく言うと、時間を忘れて仕事ができるか、
他の言い方だとプラスアルファの努力ができるか、
言い方を変えれば言われた仕事以外の仕事ができるか、
もっと言うと仕事の前に準備はできているか。
おもしろいのはできている人ほど、準備をしている。
会議中、いつもつい余分なことが頭を駆け抜ける。
毎年のことだが、１０月１０日のめでたい日はなぜか必ず忙殺させられる。（私も準備できていません。）
紙に雪車の絵を描いただけでは、許してもらえそうにありません。(^^;)

河合果樹園　http://www5.ocn.ne.jp/~kawaikje/

無農薬レモネーディアのタルトとアロマレモン

直撃を受けた台風17号の被害も少しで済んだのは幸いだった。
もう少し過ぎ去りし日々は温度が下がるかと思いきや、蒸し暑い日が続きそうである。
少しずつではあるが、無農薬レモネーディアと無農薬グリーンレモンの収穫を始めた。
まだまだ採れる量は少ないため、予約をこなすのが精一杯の状態。
彼岸花がやっと咲き出したと言うことは、例年より1週間以上収穫は遅れてしまうのが摂理であろう。
果樹は野菜と違って急に生産量を増やすことが難しいということをご理解ください。

初恋レモンプロジェクトでお世話になっている幻のケーキ屋：ベルカントさんで、
今シーズンの無農薬レモネーディアのタルトの販売が先週から始まった。
待ちわびていたお客様も多いとかいう噂が秋風に運ばれてくる。
関わっている一農家としてはこの上のない喜びである。
このレモネーディアは成分分析の結果、アロマで使われる精油の成分をいっぱい含んでいる。
アロマレモンと言っても過言ではないような気がする。
特にリモネンはレモンよりも多いので、完全栄養でいけば機能性は広がる。
リモネンで検索してみると本当におもしろい。
こんなレモンは売れるわけ無いと多くの人に言われたレモネーディアであるけれど、
確実に売れるマーケットが存在することをお客さんから教えていただいた。
マーケットを知り自分の感性が研ぎ澄まされた時、物語は始まるのかもしれない。