果樹園の風

愛知県豊橋市で無農薬のレモンを栽培している河合果樹園です。
目指せ!楽しむ農業、楽しませる農業!

生理落下と河合果樹園見学会

2017年05月30日 21時34分54秒 | 日記
朝の心地よさは一瞬で、帽子が役に立たない高さで太陽が襲い来る。
無農薬レモンや露地のみかんは生理落下と言って、自然に実が落ちる時季。
はらはらドキドキで、まるっきりわくわく感はない。
ここで1年の出来が決まってしまい、
後は自然の法則に則って歳月を否が応でも過ごさなければならない。
自然栽培のレモン園地は、大段と呼んでいて超だんだん畑だ。
最小限の振る舞いの山の中での栽培なので、
いろいろな生き物たちに出会う、見方によってはその宝庫と言ってもいいだろう。

この微妙なバランスの上に成り立つ栽培は、
私が作っていると言うよりもっと崇高な者立ちの共同作業にもとれる。
さて実が止まるか?お天道様に祈るしかないのは確かである。

28日(日曜日)に河合果樹園見学会&加工品などの販売を開催しました。
今年は1時間ごとグループに分かれてもらって無農薬レモン、露地みかん、
無農薬レモネーディア、温室みかんの説明をさせてもらった。
お客様の反応を見ながら、なるべく興味のある方向にお話を軌道修正していくので
すべての方々にまるっきり同じことにはならなかったことはお許しください。
のべ6時間以上、お客様とのやりとりは相変わらず、かけがえのない経験となる。
遠方からのお客様は、孔子の論語ではないけれど、本当にうれしい。
2泊3日の豊橋への旅なんてとても素敵な時間軸、自身もお客様の様になりたいと思う。
また、私たちの生業は、『「モノ」を作り売る生業だが、
「コト」を売るのも生業だ』と長く買い支えて頂いているお客様からお言葉をいただいた。
ありがたかったし、「物語」という言葉が回帰してきた。

それとシチリアのお話しはお二人の方からいただいた。
グーグルアースでは何回も行っているけれど
シチリア島のレモン街道へ、いつか行ってみたい!と空想する。
見学して頂いた皆様、いろいろと至らない点はあったかと思いますが、
参加して距離を縮めて頂いたことに心より感謝申し上げます。

PS:檸檬文庫好評でした!(*^-^*)

河合果樹園 http://kawaikajuen.jp/










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朝露と名古屋出張

2017年05月20日 06時59分41秒 | 日記
快晴の朝、果樹園全体が露に覆われている。
最低気温は14度、放射冷却でやや低め。
ただ日中は急激に温度が高くなり、温室の中は真夏となる。
風が吹けば渇きを運んできて、レモンたちは一気に水分を奪われる。
実が落下する条件がそろってしまわないように気を遣う。
露地のみかんは早いものは満開を過ぎ、業界用語で落弁期となる。
雑草コントロール栽培の主役、ナギナタガヤはほぼ出穂を終えて、
露の重さに耐えきれず、こちらも業界用語で倒伏、してきている。
鳥たちは発情期の鳴き声から雛を育てるじきになり、縄張り争いの鳴き声に変わる。
あっという間に歳時が走っていく中に、慣性の法則どおりの自分がいる。
主導権はやはり、彼女にあるのだろう。

先週、名古屋の久屋大通にあるANNEXで毎月一度開催される
「こだわり野菜マルシェ」に参加させてもらった。
地下鉄の久屋大通駅で降りて、そのままビルに直結している入り口左側スペースで
そのマルシェは開催されている。
地上階ではないのでいまいち分かりづらいけれど、思いはいっぱい。
こういった地道なマルシェは、消費者の皆さんの声で発展していくことで、
国内のフェアトレードにつながるような気がする。
加工品はセントラルパークの東急ハンズパークストアーにて常時販売されています。
久しぶりの名古屋出張に、都会の雰囲気を味わった一日でした。

また休憩中にテレビ塔下で開催されていた、「世界フェアトレード・デーなごや2017」に偶然遭遇。
一緒に行った仕事でお世話になっているIさんのお勧めで、
豊川のSHANTI・SHANTIのネパールコーヒーを味わった。
確かに引き立て、入れたてにしても、香りと甘さが引き立っているテイスト。
SHANTI・SHANTIの意味をオーナーに聞いたところ、「まあまあ」。
予測は大きく裏切られたが、言葉の響きの良さに感心させられた。
ネパールのコーヒー農園、一度行ってみたいと妄想が膨らむ。

河合果樹園 http://kawaikajuen.jp/








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借景とクジラ山と理想郷

2017年05月10日 21時43分37秒 | 日記・エッセイ・コラム
このところ温室の上に上がって作業することがしばしば。
それは修理のためだったり、ビニールの開放だったり、掃除だったり。
そう、農夫は高いところが苦手では勤まらないのである。
西風に吹かれて飛んだ木々の生ける証である古葉は、
これでもかと樋の上に堆積して水の流れを緩慢にする。
経年劣化でビニールもところどころ裂け目ができていたりすので、
補修用のテープを張ってもう少し生きながらえてくれと祈る。
開放するときは、密閉するために止めてあるバネを外して
換気のためにビニールを巻き上げれるようにする。
そんな時、目に飛び込むは雄大な景色。
ビニールのつるっとした無機質な庭に、有名な立岩が借景のよう。
一呼吸してしまう瞬間だ。


河合果樹園は愛知県にあるのだけれど、最寄り駅は静岡県の新所原駅。
南口ができたおかげで、我が家からの距離はかなり縮まったし、
踏切と立岩街道を通らなくてよくなったので、
安全性と言おうか安心感と言おうか、気持ちに余裕ができたのは確かだ。
街に出るときはここから、JR東海道本線にて二川駅を経由して豊橋駅に行く。
このところの日の長さから、立岩を尾に見立てた通称クジラ山が沈みゆく夕日で影となる。
身近なものがなぜか美しく見えるのは、天命クラブ半ばだからだろうか。
ある人が言っていた、「理想郷は身近にある」と。
しかしその理想郷は、近くて遠い存在なのだろう。
つまり見えない場合が多い、灯台下暗し状態。
理想郷の入り口の門番に問うてみたい。
「どうしたら中に入れてもらえるのですか?」
はてさてなんと答えてくれるのだろうかと妄想が湧き上がる。

きっと「地域の美しいものを100個、答えなさい」というだろう。





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