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時代劇が消える日・・・伝統文化の消滅

2012-01-12 21:28:00 | インポート
きのう11日、NHKの「クローズアップ現代」を視ました。

山田洋次監督を招いての話しでしたが、いま映画・TVドラマの世界で時代劇が作られなくなってきていることへの危機を取り上げた内容です。

ご存知の超長命TV時代劇「水戸黄門」が昨年で終わりました。「鬼平犯科帳」も新作はほとんど無く再放送が多い近ごろです。

TVドラマで言えば、製作費に困らない(と思われる)NHKがいくらか頑張っていますが、けっきょくいま民放で作られる時代劇は一つだけになったそうです。

作られなくなった理由は高額な製作費の割に視聴者が少なく、視るのは高齢者が多く、スポンサーが意図する購買に結びつかない、などが挙げられます。

困るのは時代劇制作を担う裏方の人たち、例えば「衣装」「カツラ」「殺陣」「専門エキストラ」などなどが職を失って行くことがあります。
そのことは引いては、この国の歴史的文化が失われ喪失することにつながります。
       
とは言うものの、一方で「文庫書下ろし時代小説」が売れています。
佐伯泰英を筆頭として、上田秀人、風野真知雄、鳥羽亮などなど、いまや書店のレイアウトは「書下ろし時代小説」群が特別棚で一番目につく場所を占めています。

佐伯泰英にいたっては、作品全体の売上部数が数百万冊を超えるほどになっているようです。

驚くことは、この国の映画・TVの「時代劇」が衰退する反面、「韓流時代劇」がTVやDVDなどで隆盛を極めています。
『朱蒙(チュモウ)/チャングムの誓い/王と私/イ・サン/チェオクの剣/海神(ヘシン)/善徳女王(ソンドク)/トンィ』などなど、数え上げたらきりがありません。

韓国では映画やTVドラマの制作に対して、国家が手厚い補助をして国の産業として位置付けているようです。
時代劇の撮影現場セットや他をごく廉い価格で利用できるようです。
ために多くの作品を作ることが可能で、日本などへ輸出し大いに稼ぐ・・・という構図になっています。

山田洋次監督が言うには、そうした国の補助予算などはたいした金額ではないそうで、時代劇映画を作ることにより日本の伝統文化を守ることにつながるのに・・・と為政者の無関心を嘆いています。        
歴史・時代小説をこよなく愛し、時代劇を視ることを楽しみにしている私です。
映画にせよTVドラマにせよ、映像制作が先細るこの国のありさまに、嘆きを覚えずには居られないのです。

photo by karusan from OCNフォトフレンド
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