ぱぐぱぐ通信

環境にわるいペットボトル飲料を買わないジョー・てるりんの絵日記みたいなものです。

本「利休の茶杓(ちゃしゃく)」

2015年06月10日 22時30分38秒 | おすすめ
本「利休の茶杓(ちゃしゃく)」  山本兼一著



江戸時代末期の京都で、見立てや「とびきり屋」を営む真太郎、ゆずの夫婦の身の回りで起きるエピソードを綴った連作短編の第三集。

茶道具や自在置物、骨董品に深い知識を持っていながら、ひけらかすことなく、

「講釈は客に言わせるもの。客に語らせていいきもちにさせてこそ、いい客になってくれる」

という、商売の奥義などが書かれています。。

なるほど、インタビューでも使えそうです。

茶碗は「内に包み込むかたち、胴のへこみ、尻の張り具合、そなわっている風格」

などを見て、真贋や作者を推し量るのだとか。もちろん、釉薬も観察します。

50本ある茶杓の中から、利休が手作りした茶杓をあてる表題作や、

堆黄の盆をあずかった真太郎夫婦の心配や喜びをつづった「よろこび百万両」は、

はらはらどきどきが終始続く短編らしい作品です。



2014年2月に逝去された著者。表題作が絶筆となりました。合掌。


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