中島京子の直木賞受賞作の
小説を映画化。
監督は山田洋次。
小さなおうちの主婦、
時子には松たか子。
小さなおうちの女中で、
昭和のタキには黒木華。
後の平成のタキには倍賞智恵子、
家の主人、雅樹に片岡孝太郎、
雅樹の部下の板倉正治には吉岡秀隆、
タキの親類の荒井健史には妻夫木聡。
黒木華演じるタキは、
昭和10年代、東京郊外に建つ、
赤い三角屋根の小さな家に
女中としてやってくる。
穏やかな日常に、
変化をもたらすことになる
雅樹(片岡孝太郎)の部下の
板倉正治(吉岡秀隆)の出現。
時子(松たか子)の心の中に、
板倉正治(吉岡秀隆)の存在が
大きく占めていく。
60数年後
タキが自叙伝として綴った大学ノートを
読んだタキの親類・荒井健史(妻夫木聡)。
彼はそこでタキの切なさ哀しみを知る。

タキが家族を守るために抱え続けた秘密。
その秘密がタキの心の中に辛い思いを
抱え込むことになる。
穏やかで幸せな家族に隠された秘密。
家族の温かさに接し、
その幸せが壊れるのをおそれるタキ。
大事に思っている家族、
特に憧れている時子(松たか子)には
誤った行動をして
不幸になって欲しくないという気持ちで
秘密を背負うことになります。

タキはきっと板倉も時子も好きだったので
一応三角関係を想像するのですが
その辺りはさらっと描かれています。
舞台となる「小さいおうち」のセットも
昭和の雰囲気をよく出していました。
割烹着がよく似合う黒木華の、
素朴さ可愛さが
印象に残る映画でした。
