花ごよみ

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ツナグ  辻村 深月

2012-07-27 | 本 さ、た行(作家)

ツナグ

亡くなってしまった人間に、
「ツナグ」という、
少年を使者として、
たった一度、
一人だけに会うことができる。

「アイドルの心得」
「長男の心得」
「親友の心得」
「待ち人の心得」
「使者の心得」
4つの連作短編になっていて、
5話の「使者の心得」で、
締めくくっています。

使者はまず依頼人の希望する人に確認、
そして亡くなった人の承諾を得て、
依頼人に会わせる。

会いたい人はそれぞれ、アイドル、
ガンで亡くなった母、
喧嘩別れした友
7年前に失踪した婚約者。

ほんのりとした優しさを感じる
ストーリーの中にあって
「親友の心得」だけは
一瞬の悪意と、
重く深い後悔を描いた
他の短編とは少し、
異なった性質の物語でした。

7年前に失踪した恋人を待つ
「待ち人の心得」は、
心が揺さぶられて涙腺決壊。
本を読んでの涙ボロボロは
最近では珍しい出来事。
涙がじわっと来るというのは
結構よくありますが…

主人公である使者「ツナグ」、
本当の名は歩美という人物は、
優しく、魅力のある高校生です。

コメント (2)
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