脳男 (講談社文庫)
連続爆弾犯のアジトにいた、
鈴木一郎(鈴木イチローって…)。
それにこのタイトル。
なんとインパクトの強いタイトル!
解剖図の様な、
脳みそ丸見えの不気味な男の
イメージを抱いていて、
どんなに気味が悪い、
怪奇話なのかなと思いましたが、
いい意味で裏切られました。
この男は心を持たない。
感情のない男、
でも知識はある男。
逮捕後に警察に
爆弾の在処を告げる。
精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子。
彼の心、体の謎を見極めようとするが…。
男が入院している病院にも
爆弾が仕掛けられる。
江戸川乱歩賞受賞作。
謎に包まれた男と、
彼の本当の心を
探ろうとする女性精神科医が
主人公の小説です。
彼の精神分析を依頼された
女性精神科医。
鈴木一郎の本性がこの医師によって
少しずつ明かされていく。
この過程は興味をそそられます。
結構、この男は正義の味方なのかな。
以前読んだ無痛という小説に出てくる
痛みを感じることの出来ない男にも
似ているところがあるけど
無痛の様に気持ち悪いと
いうことはありませんでした。
人間らしい感情を持つことはなく
学習をすることだけによって
今までどうして生きてきたのか?
爆弾魔と脳男が対決するシーンなど
スリルのある展開でそれなりに
楽しめました。