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花ごよみ

映画、本、写真など・

一応の推定 (広川 純)

2006-08-17 | 本 な、は行(作家)
轢死した老人は事故死か、 
それとも心臓に難病のある孫娘のための 
保険金目当に自ら命を絶ったのか?

定年間近の保険調査員・村越が、 
調査の結果見えてきた真実。 
 
典型的な状況が立証されれば
それで足りる(一応の推定)
が成立するかに思えたが…  

傷害保険は自死なら支払われない。

第13回松本清張賞受賞。
この松本清張という言葉には弱いです。 
読んでみようかなという
気にさせてくれます。 

まず読みやすい、一気に読めます。
 
モノトーンあるいはセピアカラーの
際立った色彩のない背景描写。

作品の中に出てくる場面は近隣なので
今まで行ったことのあるような場所ばかり。 
だから読みながら景色が目に浮かんできます。
 
不動産屋以外、悪い人が出ていない。 
保険業界の人達も善意の人達で
作品中の人間関係については、
静かな優しさが文面に流れていて、
穏やさを感じ取れます。 
 
作家も人間を見る眼差しが
優しい人の様な気が…。 

老人と関係のあった人物の巧みな配置、 
そしてラストは意外な到達点。

次回も期待出来る、 
そんな作品でした。







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ホオズキのある静物

2006-08-17 | 水彩画
 
朱色、オレンジ、黄緑、
小さな風船、提灯のような可愛いホオズキ。

 
↑は本物。 
コメント (2)
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