Hiro君の手作りジャズライブ・京都 Blog

寺崎純(p)を中心とする京都のプレーヤーと大阪、神戸を主戦場とするジャズメンとのブッキングを、行いたいと考えています。

東電OL殺人事件、症候群

2013年01月12日 22時57分03秒 | Weblog

佐野眞一氏は、現在まで、橋下徹に関する週刊誌記事に関する対応で、他のことが殆ど何も出来なかったと、週刊誌で述べていたが、その前、雑誌”WiLL"2012年7月号で、”木嶋佳苗は毒婦なのか”で対談していたのを、久しぶりに読んだ。その後、上記の本が文庫本で出ており、読んでみた。
殺人事件の方は、既にある程度知っている為もあってか、むしろ”症候群”の方が面白かった。昼は、東電のエリートOL,夜は39歳で殺されるまで、売春婦として、一日4人のノルマを、数年間にわたり、果たしていたそうな。彼女の生き方に、多くの女性読者は、我が事のように感じ、いたたまれない気持ちとなった様だが、男性読者は、むしろ、売春に及ぶ堕落を何故起こしたのかを知りたい、という気持ちのよう。
面白かったのは、”娘の気を惹く父親”。父を尊敬する余り、父と同化するため、必死に勉強し、色恋沙汰は忌避、必死に努力を重ねるが、その間、父親が、東電の重役になる前に、胆管癌で死に、初めの神経性食思不振症を患う。次いで、28歳の時、仕事上の失意で、二度目の神経性食思不振症となったという。その後、30を過ぎてから、夜の世界に入り、ついには売春を、立ちん坊で行うところまで。この経過に関して、精神科医、齋藤学の説明はある程度、理解を助ける説明があった。
さて、彼女は、まともな男女間の交情の経験が一度でも在ったのかどうか?
彼女は不感症だったらしい、と言うのが、おおかたの買春をした男の感じ方の様だが。つまり、性交渉を、堕落の手段としてのみ、行っていた様に感じる。も一つ、会社の人間は、彼女が売春を行っていたことを知っていたそうだが、彼女の売春を初めて以降の勤務態度はどうだったかと言うこと。論文は書かなくなり、恐らく、居眠りをしたり、など、勤務態度の悪化が現れていたのではないかと言うこと。
このあたりを、もう少し詳細に知りたかったのだが。

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門田隆将 ”死の淵を見た男” 吉田昌郎と福島第一原発の500日

2013年01月12日 22時55分20秒 | Weblog

現場の声は中々伝わってこないもの。その点を、改めて再認識させる力作。

現場が、死にものぐるいで、あるいは死を覚悟しながら、限界を超えて努力を積み重ねているのを、上層部は知らない。それでも、現場の人間は、何が一番大切かを考えながら、努力を積み重ねていくという、日本の美風は今も在る、とは、世界の賞賛の対象ともなったが、その、詳細は、この本で良く解る。
消防庁が大きな仕事から帰還、涙を流して記者会見をしていたのを、現場の人たちは、むしろ、違和感を持って見た、と言う既述も、うならせるものがある。極限状態におかれると、感情が吹っ飛んでしまうとのこと。
巷間伝えられる、斑目氏が爆発はしないと、首相、菅に言った直後、水素爆発が起こり、以後、黙ってしまったという件に関しては、そうではなかったとのこと。
菅の言動については、既に報道されたところであり、概ね、非難されるべきとの判断のようだが、その点、この本は、それを覆す意図はない。
なるべきでない人が首相を務め、ヒステリックに怒鳴り散らす、無用な緊急視察を行い、現場を混乱させる(ベントが、菅の視察により遅れたとの記述はない)、など、おおよそ、誰でも考え得る事(枝野も反対したらしい)を考えず、パーフォーマンスとして、あるいは情報の錯綜を、現場の、途方もない混乱によるとするおもんばかりも無く、吉田所長の説明で自分が納得すれば良いんだという、自己満足型の言動には、うんざりだが、これでもか、と、この本は、書いていない。さらっと書いている。現場の人の、大変な努力を、むしろ淡々と記述しているのが爽やかである。

マスコミが、断続的に断片的に伝える”事実”にネットユーザーには、反発の声が聞かれるが、この本は、それに答えるものと思う。

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