日本裁判官ネットワークブログ
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 当ネットワークのHPで,「Judgeの目 その7 裁判の迅速化に関する法律
~裁判の「うまい,やすい,はやい」は実現するか」(http://www.j-j-n.com/)
でも紹介しましたが,略称裁判迅速化法という法律が制定されています。同法では,1審は,2年以内のできるだけ短い期間に終えることを目標とし,検証は,最高裁が2年ごとに結果を発表することになっています。その第2回発表がありました。全文は,最高裁のHP(以下)
http://www.courts.go.jp/about/siryo/jinsoku/hokoku/02/pdf/gaiyo_honbun.pdf
に出ています。是非ご覧下さい。なお,北海道新聞の報道を以下に付けておきます。

刑事0.1カ月、民事0.4カ月 一審期間が短縮傾向 最高裁が第2回検証

 最高裁は十三日、「一審二年以内」を目標とする裁判迅速化法に基づき、昨年一年間に終結した裁判の審理期間などの検証結果をまとめた。一審の審理期間は刑事三・一カ月、民事七・八カ月で、二○○五年の初検証と比べて刑事が○・一カ月、民事は○・四カ月短くなった。特に刑事裁判では、初公判前に争点を絞る「公判前整理手続き」の効果がみられた。

 刑事裁判の一審の検証対象は七万五千三百七十件で、うち公判前整理手続きが実施されたのは三百三十六件。平均審理期間は公判前整理手続きを適用した裁判が五・二カ月で、適用しなかった裁判より二・三カ月短かった。特に、審理が長くなりがちな否認事件は、同手続きを適用しないと一三・一カ月だったのに対し、適用すると五・九カ月と半分以下だった。

 最高裁は、公判前整理手続きが審理期間の短縮につながっている、とみる。一方、裁判員制度で同手続きを行った場合「弁護士の準備などに無理が出る可能性もある」と懸念も示した。

 民事裁判の対象は十四万三千三百二十一件で、審理期間二年以上は5・5%。争点整理の長期化の要因について、内容の専門性や当事者の事前準備の不足などを挙げた。

 専門分野別の平均審理期間は、医療関係が二五・五カ月と最も長く、次いで建築関係の二二・四カ月。ただ、各地裁の専門部設置などで、前回よりそれぞれ一・六カ月、三・二カ月短くなった。



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 イギリスでも,市民に身近な裁判官というのは課題なのでしょうか。有名な裁判官のかつらが,民事で廃止されるそうです。でも,こうした伝統が無くなるのは,ちょっぴり惜しい気もしますね。以下は,共同通信からです。

民事裁判官のかつら廃止へ…約350年の伝統に終止符

 英イングランドとウェールズの両地方を管轄する司法当局は14日までに、約350年にわたり裁判官らが法廷で着けてきた伝統の白いかつらの着用を、来年一月一日から民事裁判で廃止すると発表した。経費削減に加え、市民と司法の距離を近づける狙いもある。

 刑事事件の公判では、法廷の威厳を保つ必要性とともに、被告人からの裁判官の人物特定が容易になることへの懸念もあり、着用廃止は見送られた。

 これまでの司法当局による意識調査では、64%が裁判官の法衣などの「近代化が必要」と回答。中には「時代錯誤」という厳しい意見もあったという。

 かつらは馬の毛でできており、裁判官が主に着用する短髪のものは約800ポンド(約20万円)。裁判官の法衣も簡素化され、全体で年間30万ポンド(約7400万円)の経費削減が見込まれている。

 英国では17世紀ごろから、上流社会でかつら着用が普通となったことに伴い、法廷にも慣習が持ち込まれた。


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