再審無罪～徳島ラジオ商事件の関係者が死去

　徳島ラジオ商事件というのは，４０代半ばより上の世代の法律家には印象深い事件です。いくつかある再審無罪事件の中で，本人が死亡後に再審無罪の出された事件です。私が大学にはいった年に本人が亡くなり，司法試験に受かった時に再審無罪の判決が出ました。大学時代には，本人が甥御さんとビラ配りをされていたのを何かの映像でみた記憶があります（どこかテレビ局の特集だったような気がしますが定かではありません。）。その甥御さんが亡くなったという報道があり，しんみりした気持になりました。以下，共同通信からです。なお，徳島ラジオ商事件と同様再審無罪になった免田栄さんと当ネットワークの森野俊彦裁判官との対話記録「裁く者と裁かれる者」は，「裁判官だってしゃべりたい」（日本評論社）に掲載されています。

　渡辺倍夫氏が死去
　
裁判史上初の死後再審となった「徳島ラジオ商事件」で、無罪判決を受けた故冨士茂子さんのおいで再審実現に尽力した渡辺倍夫氏が４日、心不全で死去した。８１歳。葬儀・告別式は５日午後１時から徳島市寺町９５ノ２、イマデヤ葵（あおい）会館で。喪主は二男仁志（ひとし）氏。１９５０年に冨士さんのめいと結婚。５３年に徳島市のラジオ店経営者が刺殺された事件で、冨士さんの無実を訴え、５回にわたる再審請求を支えた。