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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

ブラジル先住民族世界競技会 サンタクルス-カブラリアで開催

2016-04-25 | アイヌ民族関連
Sputnik 日本-2016年04月22日 22:34

競技会での徒競走。その際必ず丸太を運ばなければならない。
今月17-18の両日、ブラジル北東部バイーア州サンタクルス-カブラリアで開かれた、ブラジル先住民族の若者達による競技会は、世界中に、ブラジル先住民族の間で受け継がれ残っている伝統を知らせる貴重なイベントになった。
http://jp.sputniknews.com/photo/20160422/2006604.html

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ヘイトスピーチ対策法「与党案」について考える――「適法居住」要件はなぜおかしいのか

2016-04-25 | アイヌ民族関連
シノドス-2016.04.25 Mon
明戸隆浩 / 多文化社会論
マスメディアで「ヘイトスピーチ」という言葉が広く使われるようになってから、およそ3年。今国会では、ヘイトスピーチ対策法「与党案」が、審議の佳境を迎えている。
と言っても、とくに今年3月以降の展開はあまりにも急だったので、この間ヘイトスピーチについて関心をもって見てきた人の中でも、今何がどのように議論されているのか正確に把握できている人は必ずしも多くないかもしれない。また、そもそも自民・公明両党が出してきた「与党案」であるという時点で、「何の期待もできない」「むしろ政権に都合のいいように利用されるのでは」という見方をする人もいるのではないかと思う。
そして実際、この後具体的に示すように、今回の与党案には問題が多い。しかし同時に言えることは、自民・公明が現在国会で占める議席数を考えれば、この与党案はほぼ確実に成立し、効力をもった法律になるということだ。その一方で、少なくとも現時点ではまだ与党案は「案」であり、与野党の修正協議の余地を残している。つまりこの段階で考えるべきことは、問題の多い与党案の中でもとくにどこを問題にし、それをいかにして修正協議に反映させるかということである。
ヘイトスピーチにかかわるこれまでの国会の動き(1) 
具体的に与党案の検討に入る前に、ヘイトスピーチにかかわるこれまでの国会での動きを簡単に振り返っておこう。ヘイトスピーチにかかわる初めての国会集会が開かれたのは、2013年3月のこと。主催したのは後に議員立法で野党案を提出する際に中心となる民主党(当時)の有田芳生参議院議員らだが、この段階では法制化に対する慎重論もまだ根強かった。
しかし、2013年10月に京都朝鮮学校襲撃事件に対する京都地裁の判決(被告である在特会らに約1200万円の賠償請求ほか)が出され(翌2014年7月の大阪高裁の判決を経て12月に最高裁で確定)、また2014年夏に国連自由権規約委員会からの勧告(7月)、同人種差別撤廃委員会からの勧告(8月)、と立て続けにヘイトスピーチ対策の不在を指摘される中で、ヘイトスピーチへの法的対策の必要性は、政治家やメディアの間でも次第に共有されるようになっていく。
そうした中で、(やや時間は前後するが)2014年4月に有田議員、同じく民主党の小川敏夫参議院議員らにより「人種差別撤廃基本法を求める議員連盟」が結成される。また与党側でも、まず自民党が2014年8月にヘイトスピーチに関するプロジェクトチームを設置(座長・平沢勝栄衆議院議員)、10月には公明党のプロジェクトチーム(座長・遠山清彦衆議院議員)も初会合を開いた。そして翌2015年5月、有田・小川両議員などを中心に超党派の議員が「人種差別撤廃施策推進法案」(以下、「野党案」)を提出。8月には参議院法務委員会での審議にかけられたが、これは日本で初めて人種差別にかかわる法案が審議された重要な場面となった。
ヘイトスピーチにかかわるこれまでの国会の動き(2) 
しかし、2015年の第189回国会は安保法案強行採決の混乱の中で閉会、その中で「野党案」は何とか廃案を回避し継続審議となった。年が改まって今年(2016年)3月22日には「野党案」の参考人質疑が行われ、さらに3月31日には参議院法務委員会の委員ら10人の与野党議員が、ヘイトスピーチを唱道するデモが頻発している川崎市の在日コリアン集住地区を視察した。こうした過程を通して、ヘイトスピーチへの法的対策が必要だという認識は、与野党の枠を超えて共有されていった。
さて、冒頭で言及したヘイトスピーチ対策法「与党案」提出の動きが出てきたのは、ちょうどこの「野党案」審議再開の前後である。まず3月25日に、自民・公明両党が法案作成のための作業部会設置を発表。29日には作業部会初会合、31日に第2回会合と急ピッチで作業が進められ、その後両党の党内手続きを経て4月8日に提出の運びとなった。
先に触れたように自民・公明両党とも2014年からプロジェクトチームを設置して準備を進めてきたとはいえ、発表から提出までわずか2週間。この間4月5日には「野党案」の2回目の審議も行われているが、4月19日には1回目の「与党案」審議が参議院法務委員会で行われ、26日午後に第2回の審議の開催が決定している。
ヘイトスピーチ対策法「与党案」の問題点(1) 
その「与党案」の内容であるが、たった3年前の状況を想起するだけでも、ヘイトスピーチにかかわる法案が実際に成立する前提で審議されるということは、それ自体としては一つの前進だと言える。またこの法案の前文末尾には「このような不当な差別的言動は許されない」とはっきり書かれており、少なくとも冒頭に書いた「何の期待もできない」「むしろ政権に都合のいいように利用されるのでは」というような疑念については、ある程度払拭できるものになっていると思う。
しかし冒頭でも述べたように、「与党案」には問題も多い。実際もっとも早くに声明を出した外国人人権法連絡会をはじめ、当事者団体や弁護士団体、NGOなどすでに10以上の団体から批判的な声明が発表されている(リンク先文末)。これらの声明で広く共有されているのは、(1)明確な禁止規定がないことにより実効性が弱いこと、(2)法律が対象とする言動の範囲が狭いこと、の2点である。
とくに(2)については、「本邦外出身者」という限定によってアイヌや沖縄、被差別出身者などが除外されるおそれがあること、さらに「適法に居住するもの」という要件によって超過滞在者などが除外されるおそれがあること、が繰り返し指摘されている。
なおこれら2つは、いずれも先に提出された野党案にはなかった問題である。まず(1)実効性についてだが、野党案では罰則こそ設けなかったものの「何人も~してはならない」という形で禁止規定を盛り込んでいた。また(2)対象とする言動の範囲についても、「人種等を理由とする差別」という形で先に触れた国連人種差別撤廃条約に則った定義がなされている。つまり与党案は、(1)実効性を弱めただけでなく、(2)対象とする範囲も狭めることで、野党案に比べて「弱く、狭い」法案となっている。
ヘイトスピーチ対策法「与党案」の問題点(2) 
とはいえ「与党案」がもつ問題は、「弱く、狭い」点だけにあるわけではない。問題がそれだけであれば、「ゼロよりはまし」ということで、とりあえず今の段階でことさらに何か強い修正要求をしなくてもよいという判断はありうるだろう。しかし、とくに(2)法律が対象とする言動の範囲については、そうしたことを超えた問題がある。
その一つは、すでに触れたように「本邦外出身者」という限定によってアイヌや沖縄、被差別出身者などが除外されるおそれがある点だ。とくにアイヌについては、この間全国各地で行われてきたヘイトスピーチ・デモの中で少なくない数のものがアイヌを標的としており、これが与党案の対象に含まれないということは、「アイヌに対するヘイトスピーチについて国は問題視していない」という誤ったメッセージを送ることになりうる(ただしこれについては、4月19日の審議の中で与党案の発議者から付帯決議含めきちんと対応する旨の答弁があり、最低限の改善が見込まれる状況にある)。
また範囲にかかわるもう一つの点、「適法に居住するもの」という要件によって超過滞在者などが除外されるおそれがあるということについても、同様の問題がある。先に挙げた多くの声明でも指摘されているように、ある言動が差別に当たるかどうかということと、そこで標的とされている人(々)が法的にどういう状態にあるかということは、本来何の関係もない。このことは、2004年の人種差別撤廃委員会一般的勧告30でも「人種差別に対する立法上の保障が、出入国管理法令上の地位にかかわりなく市民でない者に適用されることを確保すること」という形で確認されているとおりである。【次ページにつづく】
「適法居住」要件はなぜおかしいのか(1) 
しかし、このうち2つ目の「適法居住」要件には、たんに対象となる言動の範囲を狭めるということにとどまらない、ヘイトスピーチの核心にかかわるきわめて重大な難点が含まれている。少し込み入った議論になるが、順に検討していこう。
ヘイトスピーチにおいては、「○○人を叩き出せ」のように個人を特定しない形で人種や民族にかかわる集団について言及されることが多い。特定個人を対象としたヘイトスピーチというのはもちろんありうるが、そうしたものについては現行法の侮辱や名誉毀損の適用が可能である一方、同じことを一般的な「○○人」に対して行った場合には現行法では対処できない。したがって、こうした特定個人を対象としないヘイトスピーチをどうするかということは、ヘイトスピーチ対策法を考える場合の基本的な前提の一つになる。
さて、与党案ではこの「○○人」に当たる部分を「本邦外出身者」という言葉で定義しているのだが、「適法居住」要件が付されているのはまさにこの部分である。しかし、少し冷静に考えてみればわかると思うのだが、「適法に居住しているかどうか」を判断できるのは、あくまでもそれが具体的な特定個人である場合に限られる。実際、ある言動の中で言及される一般的な意味での「○○人」について適法か否かを問うなどということは、常識的に考えて不可能だろう。
法律における定義規定というのはあるものが法律の適用対象かどうかを判断するために置かれるものだが、問題となる言動のほとんどが不特定の集団に言及するものである以上、何がこの法案の対象であるかを判断する上でこの規定はほぼ役に立たない。
「適法居住」要件はなぜおかしいのか(2) 
しかしたんに役に立たないだけならば、「別にあってもいいではないか」という応答をすることも可能だろう(意味のある応答だとは思わないが)。より大きな問題は、それが役に立たないだけでなく有害だということである。たとえば与党案では、本来対象になるべき言動が頭に「不法滞在の」を付けるだけで(理屈の上では)すべて除外されてしまう。「不法滞在の○○人を叩き出せ」、これは言葉通りにとれば「適法に居住していない」○○人に向けられたものであり、与党案の対象とはならない(このことは、「不法滞在」を「不法入国」に変えても、「叩き出せ」の部分を「殺せ」に変えても変わらない)。
そしてこうした言動で示される「○○人」が一般的なそれである以上、たとえ「適法に居住する」○○人がいくら反論しても何の効果もない。レイシストはこう言うだろう。「あなたが適法に居住しているかどうかなど知ったことではない。私は「不法入国の○○人」を叩き出せと言っただけだ」。この点で与党案は、こうした一見論理的に筋の通った言い訳を最初から用意してしまう。
しかもこうした言い回しは、街頭で叫んだ場合の一般的な効果としてはむしろ(「限定」ではなく)「○○人全体が不法入国である」であるというイメージを拡散するから、レイシストからすれば「一石二鳥」だとさえ言える(実際この法案を「適法居住」要件を理由に「歓迎」する意見はすでに出ている)。
なおこの間の国会での審議では、こうした指摘に対しては「定義に明示的に含まれないからと言って許されるわけではない」と答えるのが通例となっているようだ。確かに、どんな法律であっても定義を行えば必ずそこに含まれない部分が生じるから、そうしたものについては運用で柔軟に対応する、といったことはもちろんありうる。しかし「適法居住」要件は、定義に伴って必然的にそこに含まれないものが出てくるという話ではなく、「意図的に」対象を限定するものだ。自分で「適法居住」要件を付けておいて「実際には適法居住でない場合も含まれうる」とかいうのでは、何のための条文なのか本当にわからない。
このように与党案の「適法居住」要件は、ヘイトスピーチという問題の核心、つまりその多くが特定個人に還元できない集団全体に対してなされる、という「基本」がわかっていれば、そもそも発想として出てこないはずのものである。ヘイトスピーチにかかわる法律の制定に際して抜け穴抜け道を探すことで対応するというのは古今東西レイシストの常套手段だが、最初からこんなふうに使い勝手のいい抜け道を用意するような法案が、レイシストに対抗できるとは思えない。与党案作成者もまさかそんなことのために「適法居住」要件を付けたわけではないだろうから、少なくともこの点については、今後の審議の中できちんと修正する必要があるだろう。
「人種差別禁止法」への展開に向けて 
以上、ヘイトスピーチ対策「与党案」の問題点について、とくに「適法居住」要件に重点を置いて見てきた。すでに述べたように、今回の与党案の問題点は「実効性の弱さ」と「対象とする範囲の狭さ」の2点に集約される。ただしそれはあくまでも与党案に即して見た場合の話であり、先に提出された野党案と比較した場合には、より重要な変更がもう一つあることを最後に言い添えておきたい。それは、「人種差別禁止法」から「ヘイトスピーチ対策法」への「縮小」である。
もちろん、ヘイトスピーチの問題に対する法的対策が急務であることは多くの関係者の一致した見解であり、今回の法案の対象をヘイトスピーチに絞るということそれ自体は、十分ありうる選択肢である。しかし同時に確認しておく必要があるのは、ヘイトスピーチの核心は「差別煽動」であり、不特定の「○○人」に対する侮辱や脅迫を行うことは、結果として「○○人」に属する特定個人への差別を引き起こすという点だ。そしてこの「特定個人への差別」――住居差別や就職差別、あるいは学校での差別など――に対応できる法律(「人種差別禁止法」)は、今の日本には存在しない。
いずれにしても、法律の制定はゴールではない。これはヘイトスピーチ関連の法制度の歴史について一般的によく言われることではあるが、今回の与党案については、この点はさらに何倍増しかで強調しておく必要があるだろう。その一方で、一つの法律の制定は、とはいえ一つの区切りである。その点で言えば、与党案が「案」であるあいだにできる限りの議論を尽くすことの重要性もまた、強調しすぎてもしすぎることはない。法律の制定をゴールにしないことと、法律の制定に際して議論を尽くすこと。この2つは、決して矛盾する態度ではないはずである。
http://synodos.jp/politics/16944

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IZU PHOTO MUSEUM研究員・小原真史が読む『失われた世界の記憶 幻灯機がいざなう世界旅行』

2016-04-25 | アイヌ民族関連
産経ニュース-2016.4.24 13:06更新

「ここではないどこか」へ
 写真が発明された19世紀の半ばから20世紀初頭にかけて、「ここではないどこか」を夢想した人々の欲望に応えたビジュアル・メディアのひとつが、幻灯機だった。最初の幻灯機は1650年代に誕生したというが、写真技術の発達にともなって産業化し、多くのカメラマンが世界中に派遣された。大講堂や劇場などで上映された幻灯機ショーは、ナレーションや音楽とともにガラススライドを通して拡大した光をスクリーンの裏側から投影するというもので、西洋諸国や北米を中心に娯楽や教材、アトラクションとして人気を博し、映画への道筋を準備した。
 本書にはバラエティーに富んだモチーフ-風景、風俗、建築物、工場、遺跡、乗り物、先住民族、動物など-を写した図版が600点以上掲載されている。ロンドンやパリなどの都市生活者の目には、こうした風景や風俗が近代化の進展とともに「失われつつある世界」として映ったことだろう。古き良き西洋へのノスタルジーと非西洋へのエキゾチシズムというフィルターが、暗闇に映し出される光景をよりいっそう鮮やかにしたはずだ。無論、スクリーンに投影された幻灯機ショーと紙媒体とでは印象が異なるだろうが、繊細なデジタル処理と印刷は、手彩色のスライドが持つ微妙な色合いを損なうことなく、その幻想的な魅力を伝えている。
 図版の構成は、北欧からアフリカ、中東、極東、オセアニア、南極、南米、北米と、西から東へと仮想旅行をするように編集されており、西洋発祥のツーリズムの展開や植民地支配の拡大をなぞるようになっている。
 学校や教会でも上映されたという幻灯機ショーは、「未開の地」の人々にキリスト教や近代国家としての西洋諸国の姿を伝え、植民地の風景や先住民の様子を西洋諸国の国民に伝えたという。スライドの制作から経過した100年以上の時間が、本書にタイムトラベル的な要素も加えるが、これらが大衆の欲望を投影した「帝国のメディア」だったことは、忘れてはならないだろう。(シャーロット・フィール、ジェームス・R・ライアン著/光村推古書院・5000円+税)
http://www.sankei.com/life/news/160424/lif1604240022-n1.html

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首相がいう「ヘイトスピーチない国」は実現できるか? 対策法案の審議がヤマ場

2016-04-25 | アイヌ民族関連
BuzzFeed Japan 2016/04/23 17:33
与党案は「最低限もカバーできない」と識者

東京・新宿でおこなわれた排外デモ(2015年12月20日撮影) Kazuki Watanabe / BuzzFeed
「日本から出て行け」「ゴキブリを殺せ」などと排外主義や差別を煽るヘイトスピーチ。いま、自民・公明による対策法案が、国会で議論されている。どのような内容で、何が争点になっているのか。
安倍首相「ヘイトスピーチは断じてあってはならない」
安倍首相はヘイトスピーチについて、2015年4月、参議院予算委員会でこう語った。
他の国や、あるいは民族、文化に対して、そうした国々あるいは人々に対して憎悪をあおるような、そういうヘイトスピーチは断じてあってはならないし、日本の国内において行われることのないような国にしていきたいと、このように考えております。
「殺せ」「日本から追い出せ」。街頭で繰り返されたヘイトスピーチは、動画サイトなどで拡散し、大きな社会問題となった。与党は2014年にプロジェクトチームを発足させて対策を話し合っていた。
では、ようやく提出された自公の法案の内容はどのようなものか。ヘイトスピーチ問題に取り組む社会学者明戸隆浩さんと、表現の自由に詳しい山口貴士弁護士に聞いた。
2人が共に指摘するのは、ヘイトスピーチの定義が極めて限定的ということだ。そこには、規制が不十分になる問題と表現の自由の範囲との兼ね合いがあるという。
対象が「本邦外出身者」であること
法案は次の条件を満たすものを「ヘイトスピーチ」と定義している。
1.対象が「本邦外出身者」であること
2.差別的意識を助長・誘発する目的があること
3.公然と生命、身体、自由、名誉、財産に危害を加える旨を告知するなど
4.出身を理由に、地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動
独特なのが、対象を「本邦外出身者」に限定している点だ。これは、外国出身者とその子孫で、適法に居住している人のことだとされている。
山口弁護士は「本邦外出身者なんて聞いたこともない言葉。これでは狭すぎて、最低限のところもカバーできません」と指摘する。
「居住」が要件となっているため、旅行者が除外される可能性があるという。「旅行者が差別的な言葉を投げかけられるのは、問題じゃないのでしょうか」
明戸さんは「この定義では、アイヌの人が対象に入りません。先日の審議では付帯決議で対応するという答弁もありましたが、どういう形になるのかはまだ不透明です」
「適法に居住している」という点も問題だという。
2009年、オーバーステイで両親が強制退去となったフィリピン人一家にヘイトスピーチが向けられたことを例にあげ、「オーバーステイの人なら、差別的言動を受けてもいいということはありえません。さらに言えば、『在日は不法入国者の子孫だ』というのは、テンプレ的な差別的言動の一つです」
このままだと、ヘイトスピーチをする人たちに、「これ以外の差別発言ならOKだという間違ったメッセージ」を送ってしまう危険性があるという。
差別的意識を助長・誘発する目的があること
自公法案は「差別を助長・誘発する目的」や「地域社会から排除することを煽動」などがなければ、ヘイトスピーチとは考えないという定義だ。
山口弁護士は「表現の自由に対する配慮」を感じるという。「こうした主観的要件を入れておかないと、フィクションや小説で差別シーンを描くことが規制されかねない」
一方、明戸さんは「罰則をもうけるなら、対象行為の限定は一定の理解ができます。しかし、理念的な法案でここまで限定する必要があるのでしょうか」と疑念を呈する。
禁止規定や罰則がない
そもそも、この法案はヘイトスピーチを禁止していないし、罰則も設けていない。
「不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進」を目的としたもので、明戸さんが指摘する通り、理念的なものだ。
山口弁護士「特定人を相手にしたヘイトスピーチは現行法でも対応可能なので、あえて規定しなかったのでしょう。表現への萎縮効果を懸念したのかも知れません」
明戸さん「野党案にも罰則はありませんが、『ヘイトスピーチの禁止規定』があります。たとえ罰則がなくても、『禁止』があるのとないのでは違いが大きい」
国の義務は?
法案は国に対して、差別解消の施策を実施するよう義務を課している。具体的には相談体制の整備、教育の充実、啓発活動。これらの義務にはどんな意味があるのだろう。
山口弁護士「国や自治体が、人員・予算をつけやすくなるという点で、意味はあるでしょう」
明戸さん「法案前文には、不当な差別的言動は許されない、という宣言があります。それと組み合わせれば、ヘイト団体に公民館を使わせないようにするといったプレッシャーをかけていく手段にはなるでしょう」
「毒にも薬にもならない」
2人の専門家は、共に法案の内容に疑問を投げかける。
山口弁護士「毒にも薬にもならない。本腰を入れてヘイトスピーチ規制に取り組んでいるようにはみえません。政策ではなく、政局の中で出てきた法案に思えます」
明戸さん「一定の意味はありますが、このままでいいとは言えません。ヘイトスピーチを禁止もしない、罰則もないのに、対象範囲をここまで狭めるのは変です」
https://www.buzzfeed.com/kazukiwatanabe/can-the-bill-stop-hate-speech-in-japan#.uhVOWrngN


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国立民族共生公園基本計画を策定 体験交流施設500~600人収容

2016-04-25 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 (2016年 4/23)

国立民族共生公園の基本計画で示された施設配置図
 北海道開発局は22日、2020年に白老町のポロト湖畔に開設する「民族共生の象徴空間」の国立民族共生公園(仮称)基本計画を策定した。公園の計画区域は、国立アイヌ文化博物館(仮称)とポロト温泉施設の建設予定地を除いた約10ヘクタール。北海道アイヌ協会などが要望していた体験交流施設の位置や具体的内容も盛り込んだ。道開発局は「16年度は施設設計の業務委託と、(計画区域設定に向けて)都市計画法に基づく白老町との協議などを進めていく」としている。
 計画によると、公園は(1)アイヌの伝統的な生活を体感する空間(2)アイヌ文化の理解と交流を促す空間(3)アイヌの自然観に触れる空間―で構成。それに基づき、▽伝統的コタン▽体験交流施設▽工房▽芝生広場▽エントランス▽駐車場の各施設を整備する。
 伝統的コタンは、チセ(家屋)や畑などアイヌ民族の集落、生活空間を再現し、体感できる場とする。体験交流施設は、500~600人程度収容の屋内施設で、アイヌ語や舞踏、音楽、口承文芸などを体験できる「体験交流ホール」と、伝統の狩猟や料理、工芸が学べる「体験交流学習館」を整備する。工房は、木彫や刺しゅう、織物などの制作を見学したり、体験できたりする施設として配置する。
 芝生広場は、ポロト湖畔の自然空間を活用した憩いの場として配置。屋外で古式舞踊など、さまざまな体験交流活動やイベントに対応できる場として活用する。
 入り口となるエントランスは、博物館の近くに整備。バスなどの車寄せや身体障害者用駐車場を設ける。駐車場は普通乗用車300台程度を収容できる広さを確保。駐車場運営は、白老町が民間委託を目指している。
 計画は、基本構想に基づき、基本計画検討会(委員長・淺川昭一郎北大名誉教授)が昨年11月から3回にわたり内容を審議。21日に東京で開かれた政府のアイヌ政策推進会議・政策推進作業部会に報告され、正式に了承された。
 国の整備スケジュールによると、国立アイヌ文化博物館と国立共生公園は共に17年度に着工。アイヌ民族の遺骨を集約する慰霊管理施設は、象徴空間開設前に整備する。
http://www.tomamin.co.jp/20160437725

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7月に北海道子どもの本のつどい、登別で初開催

2016-04-25 | アイヌ民族関連
室蘭民報 【2016年4月23日(土)朝刊】
 第39回北海道子どもの本のつどい登別大会(地元実行委、北海道子どもの本連絡会主催)が今夏、登別市富士町の市民会館で初開催される。「わにわに」シリーズなどが人気を集める絵本作家、小風さちさんが基調講演する。一般参加も歓迎で、来場を呼び掛けている。
 同連絡会は図書ボランティアや教員などの「読み手」、作家などの「書き手」、図書館職員や本屋などの「渡し手」が集まる団体で、道内外に約210人の会員を抱える。
 毎年「すべての子らに本のたのしさを」をテーマにした「北海道子どもの本のつどい」を各地で開催するほか、合宿、会報発行などを通じて、子どもたちに本の楽しさを伝える取り組みの研さんを図っている。
 「つどい」は1978年(昭和53年)に札幌で第1回大会を開催。88年には室蘭市でも行われている。今回は登別市の会員で読み聞かせ団体「おはなしぽけっと」の須藤和恵さん(56)が手を挙げ、登別で開催されることになった。
 開催日は7月30、31の両日。初日は午後1時に開会。同1時半から小風さんが「おはなしが生まれるまで」をテーマに講演する。「わにわにのおふろ」など「わにわに」シリーズなどで知られる人気絵本作家で、同3時からはサイン会も行う。
 2日目は午前10時から、学校図書館・公共図書館、読み聞かせ講座、おはなしとわらべうたの部屋―などをテーマにした六つの分科会を開催する。「登別らしさ」を意識し「アイヌ文学」の分科会も設けた。交流会なども行い、午後1時半閉会式の予定。
 大会実行委員長を務める須藤さんは「有名作家の講演を地方で聞くことができる貴重な機会。『言葉』を大切にしている小風さんの話を多くのお母さんたちや市民に聞いてほしい。子育てを楽しむヒントにもなるはず」と話している。
 参加費は1500円(講演+分科会費)で、高校生以下は無料。託児も行う。参加要項は現在調整中で、近く募集開始の予定。問い合わせは事務局の高森さん(携帯電話090・9436・3587)へ。
(鞠子理人)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2016/04/23/20160423m_04.html

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大学研究者によるアイヌの遺骨持ち去り問題 経緯まとめ出版

2016-04-25 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2016.4.21
「アイヌの遺骨はコタンの土へ」北大開示文書研究会
駒沢大の植木教授も寄稿
北海道大学を中心とする全国の大学の研究者がアイヌの遺骨を墓から持ち去り、遺族らが北大への遺骨資料の文書開示請求や遺骨返還訴訟を起こした問題で、これまでの経緯やアイヌの思いなどをまとめた「アイヌの遺骨はコタンの土へ北大に対する遺骨返還請求と先住権」(北大開示文書研究会繍藷〉が緑風出版から初日出版された。苫小牧駒沢大学問際文化学部教授(哲学、科学技術社会論)の植木哲也氏も寄稿しており、植木氏は「多くの人にこの間題に関心を持っていただければ」と話している。
「この問題に関心持って」
 アイヌの遺骨をめぐっては、19世紀後半から1970年代まで、全国の大学の研究者たちが墓から遺骨を大学に持ち帰った。遺骨は12大学に1636体保管され、このほか特定できない515箱分もあり、多くは北大に保管されている。国は2014年5月、遺骨返還のガイドラインを策定し、身元不明遺骨は白老町に建設される「民族共生の象徴となる空間」内の慰霊施設に集約し、身元判明遺骨は遺族(祭祀=さいし=継承者)に返還すると定めたが、身元がが判明しているのはわずか23体。99%が事実上戻らない内容となり、遺族らは身元が判明していない遺骨についても、アイヌがコタンで先祖供養していたことを踏まえ、コタンへの返還を求めて2012年に訴訟を起こしていた。
今著では、北大への遺骨資料の文書開示請求に動いた小川隆吉さん、小川さんと共に遺骨返還訴訟を起こした故城野口ユリさんらが、アイヌの立場からこの問題に対する憤りや苦しみを訴えている。有識者らが、この問題から見えるアイヌへの差別、人権問題などを浮き彫りにしながら、日本政府が進めるアイヌ政策を「名ばかり」と告発。植木氏は第2部「発掘遺骨『白老再集約』の人権侵害を告発する」の第7章「アイヌ民族の遺骨を欲しがる研究者」などを執筆。研究者がなぜ遺骨を欲しがるのかや、政府が14年に策定したガイドラインや白老に整備される「象徴空間」への遺骨再集約方針の問題点などを指摘した。
植木氏はこれまで「学問の暴力 アイヌ墓地はなぜあばかれたか」(2008年、春風社)などを執筆。長年この間題と向き合っており、出版された書籍について「ここに至
るまでの当事者のアイヌの方たちの気持ちや大学側の対応などが分かりゃすくまとまっている。多くの人にこういう問題があることを知つてもらい、特にアイヌの方たちの思いの部分を多くの方に理解してもらうことにつながれば」と話している。
訴訟をめぐっては今年3月下旬、札幌地裁が一部の身元不明の遺骨に関してコタンに返還するように求める和解勧
告を出し北大が同意。この動きに植木氏は「これまでは事実上返還できないガイドラインだったため、新たな可能性
が出てきた意味で勧告を評価したい」とするが、一方で同様の問題を抱えるイギリスなど世界各国では、研究者側か
積極的に問題解決に動いており、「そもそも裁判になる前に北大が自主的に動かねばならなかった問題」と指摘している。
書籍は市内の書店などで販売中。B6判、300ページ。税抜き2400円。

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『アイヌの遺骨はコタンの土へ 北大に対する遺骨返還請求と先住権』 /北海道

2016-04-25 | アイヌ民族関連
毎日新聞2016年4月23日 地方版
(北大開示文書研究会、編著)
 北海道大学がアイヌ民族の墓から掘り出した遺骨を保管し続けているのは供養の侵害だとして、アイヌ民族が北大に遺骨の返還などを求めた訴訟は3月末、札幌地裁で和解が成立した。本書は、その裁判を支えた「北大開示文書研究会」が、現時点での活動の成果をまとめたものだ。
 19世紀後半から1970年代まで、北大を中心に全国の大学の研究者が、北海道やサハリン、千島列島など各地でアイヌ・コタンの墓地を掘り返し、大量の人骨と副葬品を持ち去った。頭蓋骨(ずがいこつ)計測研究のブームが去り、残された人骨は学内にしまい込まれ、忘れ去られていた。このことに憤り、立ち上がった浦河町出身のアイヌ民族の闘いが、2012年9月に起こされたアイヌ遺骨返還請求訴訟だ。原告はそれまで再三にわたって返還交渉に応じるよう求めてきたが、大学側は「北海道アイヌ協会を通してしか話さない」と拒否。もはや法廷で争うしか選択肢はなかった。
 文書研は宗教家や弁護士、ジャーナリストらで構成。08年、情報開示請求に対して北大が公開した文書を精査し、アイヌ墳墓「発掘」の実態を解明するために結成された。訴訟は第3次提訴まであり、和解したのは第1次分だけ。国は多くの遺骨を白老町に集約するとの方針を示しているが、それは名ばかりの返還にすぎない。今後もこの問題を考えてゆくためにも、極めてタイムリーな刊行となった。(筑)(300ページ、2400円税別)
http://mainichi.jp/articles/20160423/ddl/k01/040/076000c

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アイヌ民族遺骨 全国大学に依然1600体 大半は身元分からず

2016-04-25 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/26 05:00、04/23 09:18 更新
 「きょうは私にとって、とてもうれしい」。アイヌ民族の遺骨返還訴訟が25日に和解した後、原告団の1人、小川隆吉さん(80)=札幌市=は札幌市内で行われた記者会見で笑顔を見せた。ただ、返還に至った経過はあいまいなままで、他のアイヌ民族からは戸惑いの声も漏れる。
 北大が3年前にまとめた収蔵遺骨の報告書によると、返還されることになった16体は、1931年(昭和6年)に医学部教授が発掘したとの一部記録がある。
 国は、北大を含め全国12大学に保管されている計1600体以上の遺骨について、返還の求めがなければ、身元判明の可否にかかわらず、2020年に胆振管内白老町に開設する「民族共生の象徴となる空間」(象徴空間)の慰霊施設に保管する方針を示している。今回、原告団は「これに待ったを掛けた」と意義を語った。
 今回返還される16体のうち1体は、小川さんの伯父海一郎さんのもの。残る15体は、身元不明か、原告団の親族以外のもので、これらを返還できるかが和解協議の焦点だった。
 原告は訴えで、自分たちはアイヌ民族のコタン(集落)の子孫で「先祖の遺骨の管理権を引き継いでいる」と主張。一方、北大は和解後、「回答を差し控える」(浅野賢二広報課長)とし、返還に至った実情はあいまいなままだ。
 身元不明の遺骨は子孫が特定できないゆえに、将来、別のアイヌ民族から返還を求める声が上がる可能性がある。和解では、こうした恐れに先手を打つ形で「第三者と紛争が生じた場合は『コタンの会』が解決し、北大に一切迷惑をかけない」との条項も盛り込んだ。
 この条項について、北海道アイヌ協会の幹部は「北大は、返還手続きに最善を尽くす責任を放棄している」と憤る。国は、全国計1600体以上のうち身元が分かる23体について返還の指針をまとめたが、身元が分からない遺骨は「今後、検討すべき課題」(文部科学省)とし、議論は先送りされている。
 この幹部は「ほかにも遺骨を返還してほしいと願うアイヌ民族はいる。訴訟をすればいいのかという話になる」とも指摘した。
 一方で、原告の小川さんら日高管内ゆかりのアイヌ民族12人ほどでつくる、遺骨返還の受け皿団体「コタンの会」代表の清水裕二さん(75)は会見で「イチャルパ(供養)のための人手や財源をどのようにしていくか、われわれにとって課題だ」と語った。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0251023.html

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