ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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結晶2

2014-03-09 17:25:32 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「結晶2」です。今年の1月30日に「結晶」というタイトルで書いております。

昨日、埼玉県からのお客さんAさんが再度いらっしゃいました。Aさんは3回目のご来店となります。遠路はるばる、ありがとうございます。Aさんとはある石に関して珍しく貴重な経験をさせてもらったのですが、その案件は今回は残念ながら成就できなかったのです。昨日はその事の後日談の話をする事ができました。石と人との関係は不思議なものです。詳しい事は書く事ができませんが、あるひとつの石を介して貴重な経験ができました。

昨日は閉店時間を過ぎるまで、そのAさんと店にある石達を見ながら石の話をしました。それは私にとっては至福の時間でした。

その話の中で、私にとっての新発見が一件ありました。一昨日のKさんとの話で新発見があったばかりでしたので、二日連続でお客さんから石に関する事を教えられました。ありがたい事です。

その新発見は何かと言うと、冒頭に書いた前回の「結晶」でボリビア産の金の結晶の事を書いたのですが、その金の結晶の産地名が原本の不備で不明になっていたのです。それがAさんの指摘で情報修正が出来た、という事です。石の産地名は原本のラベル情報の不備で正確な情報が分からない事があります。今回はAさんのお蔭で情報修正する事ができました。

Aさんの指摘で分かった事はボリビア産だと思っていた金の結晶は、実はベネズエラ産だった、という事です。それはどうして分かったかと言うと、それと同じような金の結晶をAさんが見た事があったからでした。

私はベネズエラの事をあまり知りませんでした。ベネズエラの事で知っている事は政治的に反米の国である、という事と、世界一の落差を誇るエンジェルフォールがあるギアナ高地くらいでした。

今回、Aさんから教えてもらった事は金の結晶の産地名の原本がIkaboru mine BOLIVIAになっていたのが少しずつ間違っているらしく、BOLIVIAはBOLIVARの間違いで、それはベネズエラの地名のひとつだった、という事です。通称ベネズエラの正式な国名はベネズエラ・ボリバル共和国です。因みにボリバルはコロンビア共和国の初代大統領であるシモン・ボリバルの名前からきているようです。シモン・ボリバルは19世紀初頭に南米大陸のアンデス5ヶ国をスペインから独立に導き、統一したコロンビア共和国を打ち立てようとした革命家です。ベネズエラ出身の英雄の名前だったのです。どうもその名前は南米では重要な名前だったらしいのです。

さらに鉱山名のIkaboru mineの方もスペルが違う似たような鉱山があるらしいのですが、鉱山名の方はまだ正確な情報は分かっておりません。Web検索をしながら鉱山名も正確に知りたいと思っております。

今回はAさんからの指摘で産地国の情報修正ができました。また、ひとつの情報で、その事を調べながら多くの事を学ぶ事ができました。ありがとうございます。

新しい知識を得る事に喜びを感じています。

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レインボーコーラル

2014-03-08 13:15:38 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「レインボーコーラル」です。

昨日、常連さんのKさんがご来店されました。Kさんはオパールやレインボーガーネット等のレインボー好きの石好きさんです。レインボーは私も好きなのでKさんとは石の趣味が似ています。そして石以外の話も共通するところが多く、同じような価値観を共有している事が多く、話をしていて楽しい思いをしております。

昨日はそのKさんに私が以前から所有していたレインボーの一種と思われるアクササリーを見せました。

Dscf6010

Dscf6014

上の写真がそれです。遊色に似ているレインボーのような構造色独特の色合いが出ています。

私はそれは木の一種だろうと思っていました。木目のような質感と年輪のような模様がその事を物語っている、と思っていました。私はKさんに「木にもレインボーがあるのですよ!」と言ってそれを見せました。

すると、何と!Kさんは「それはサンゴですよ!」とおっしゃいました。

私は「え!!」と答えました。私はそれは珍しいもので、Kさんがそれの事を知っているとは思っていなかったし、さらにそれは木だと思い込んでいましたので、二重に驚きました。

Kさんがおっしゃるには、その現物を見るのは初めてらしいのですが、以前、TVの「開運なんでも鑑定団」でそれの原木が登場していて、それにそっくりだった、さらに600万円という高値が付いた、という話でした。しかも、それは石川県産だったらしいのです。

その話を聞いて、私はすぐにWeb検索しました。すると「レインボーコーラル」というキーワードで「「深海松(レインボーコーラル・虹色珊瑚)」とは、一般的な宝石用の珊瑚と同様、「八放珊瑚ヤギ類」に属す、北方の深海300m~1000mに生息する珊瑚の一種です、と書いてあるサイトが出てきました。さらに、深海松は宝石としても登録されており、【虹彩珊瑚】とも呼ばれています。とも書いてありました。そして、Kさんが見たという「開運なんでも鑑定団」の事も書いてありました。

私はそれを名古屋のデパートでやっていたクラフト展で購入したのですが、まさか!石川県産のサンゴだったとは露知らずでした。

Kさんはなぜか?その番組を録画して何回か見ていたそうです。それで、その事を憶えている、との事でした。

昨日は、偶然にも、Kさんのお蔭で、私が木だと思っていたものはサンゴの一種で、しかも石川県産だった、という事が分かりました。

真実を知る事は非常にうれしい事です。Kさんに感謝。

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視覚

2014-03-07 13:57:02 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「視覚」です。いつも話題のダブりがないか?と思い、このブログ内検索をしてから書き始めているのですが、全632件の記事の中に「視覚」という言葉は、昨日の「バーズ・アイ・ビュー」を含めて10件あり、タイトルとしては0件でした。意外に少なかったようです。このブログは本来、石の事を書くブログですから、それは当然の事なのかも知れませんが、普段、石を見る事を考えると、その大部分は視覚に頼っています。今日は「視覚」の話題です。

石は目で見ます。厳密に言うと、石を目で見て、脳が視覚として認識しています。視覚は人間の感覚の中でも最も重要な感覚でもあり、深く考えてゆくと、錯覚の事も含めて興味深い事象が多いのですが、このブログは脳や神経科学の話題に触れるブログではありません。

石の魅力はその色や形や質感が大きく、それらは我々の目によって見る事から生じています。それらは視覚として認識します。石には他に比重や硬度や匂い等、視覚以外の感覚器官で認識する事もありますが、触覚や臭覚として認識する事は極わずかだと思います。さらに聴覚や味覚もあまり関係ありません。そのように考えると石との接し方は人間の五感の中では圧倒的に視覚によって認識していると言えます。(石のパワーとか第六感についてはあえて触れません。)

そういう意味で、石に対する認識は大部分は視覚から成り立っていると言えそうです。その事は、我々の石に対する美意識も主に視覚から認識している、という事になります。

石を見る事は基本的には肉眼で見ます。肉眼では認識できにくい小さな石や小さな部分はルーペを使います。さらに石の事をもっと知る為に顕微鏡(光学レンズや電子レンズ、偏光板等を使用)やX線装置を使って視覚を拡張しながら石を認識しています。

余談ながら、計らざるに、母の骨折による入院によって最新のX線CTによる3D画像のすごさを実感しました。最新医療の現場はかなり進んでいる事に驚いてしまいました。

現代は顕微鏡や望遠鏡やその他の最新機器によって視覚の範囲を拡張している、と言えそうです。昨日書いたラジコンヘリと小型カメラの進化による撮影技術も視覚の拡張という現象のひとつなのだろうと思います。

人間の視覚による知的好奇心は留まる事を知りません。これからも視覚は新しい機器とコンピュータの力を借りてさらに進化・拡張してゆくでしょう。

これからも石に関しても視覚の拡張という現象が起こるはず、だと思います。知られざる石の姿、これから先、どのような視覚の拡張が起こり得るのか?石を見ながら考えてしまいました。

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バーズ・アイ・ビュー

2014-03-06 15:15:35 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「バーズ・アイ・ビュー」です。

昨日、一昨日に北陸朝日放送で放送された「美都金沢」という特番の録画を見ました。番組そのものは松岡正剛さんが出演されており、これまでによく見てきたありきたりの金沢番組とは違って、金沢という都市を「美しい矛盾」として編集工学的に捉えており、好感が持てました。・・・、このブログは番組批評ではありません。

「美都金沢」を見ていて新鮮に思った事は、番組の内容そのもそよりもその映像です。例えば、金沢21世紀美術館をその上空から撮影していました。その建物を真上から見る視点はこれまでになかった視点でした。私は最初、その映像はクレーンを使って撮ったのかと思ってしまいましたが、どうもラジコンヘリと小型カメラで撮影されたようです。その制作会社に勤めていた方から聞きました。

そのような視点からの映像は普段あまり見る事がありません。普通の観光では決して見る事のできない視点です。その映像は鳥の目でみたような映像です。そのような視点からの映像はテレビ画面を見ていても見慣れていない分、新鮮に映ります。そのように新鮮に思うのは移動する俯瞰映像好きな私だけではないと思います。そのような視点からの映像は「バーズ・アイ・ビュー」と言えそうです。

そのような「バーズ・アイ・ビュー」的な映像は最近よく見るようになった気がします。そう言えば、何かの番組で金沢城公園を同じような視点で撮影していました。他にもBS朝日だったと思いますが、長崎の軍艦島や美保の松原や白川郷や石見銀山、等々を同じような視点で撮影した映像が流れていました。それらの映像はやはりラジコンヘリと小型カメラを使って撮影しておりました。

高性能なラジコンヘリと小型カメラの登場で、これまであまり見る事のなかった新鮮な映像を簡単に見る事が出来るようになりました。このような視点からの映像は今後も普通に見れる時代になったのだと思います。そのような映像を撮影するにはこれまでは本物のヘリコプターを使って大がかりに撮影するしかありませんでした。それが、低予算で日常的に撮る事が可能になったのです。この事は大げさに考えると、「人類が獲得した新しい視点」と言えるかも知れません。

人類はこれまでも新たな機器を発明して視覚の範囲を拡張してきました。例えば、顕微鏡や望遠鏡等は新しい視点をもたらしてくれた、と言えます。今回のラジコンヘリと小型カメラによる撮影は視点の拡張という意味では顕微鏡や望遠鏡に匹敵するのかも知れません。否、それらよりももっと大きな意味があります。それは単なる拡大という機能だけではなく、視点の拡張と共に移動する事も可能です。移動可能な視野は短視眼的な視点よりもはるかに多くの情報をもたらしてくれます。そしてそのように流れる映像は見ていて気持ちが良いのです。

「バーズ・アイ・ビュー」が普通にあたりまえの時代になったのです。うれしい事です。

そう言えば、名古屋に「バーズ・アイ・ビュー」というバーがあった事を思い出してしまいました。

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ミクロとマクロ

2014-03-04 13:40:09 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「ミクロとマクロ」です。当然の事ながら、経済の話題ではありません。

先ほど、常連さんになっている予備校生のN君が来店しました。大学の合格発表が6日という事で、何となく落ち着かない様子です。どうも本屋で隕石の本を見たらしく、本物の隕石が見たくなった、という事で来たようです。彼の石好きは化石に始まり鉱物、さらに隕石へと広がっているようです。

私は店にある隕石(キャニオン・ディアブロや南丹隕石やイミラック石鉄隕石や炭素質コンドライトNWA3095)等々を見せました。隕石には地球の鉱物とはまた別の魅力が詰まっているという話をしました。特にプレソーラーグレインという太陽系誕生前の物質が入っているという話をすると彼は目を輝かせました。それは太陽系誕生の何世代か前の超新星爆発の欠片かも知れない、という話には宇宙的ロマンを感じたようです。宇宙空間に漂っていたプレソーラーグレインは太陽のフレア爆発による衝撃波なのでしょうか?圧縮して集約して隕石になったようです。そのような隕石が今ここにある、という事に感動したようです。

プレソーラーグレインの研究はそれほど古い研究ではありません。現在進行形で進んでいるミクロの粒子の研究は今後も数々の新しい知見をもたらしてくれるだろう、と思います。ミクロの粒子はマクロな宇宙の新発見に繋がっています。

N君が帰った後、Webを見ていると「太陽系外惑星、新たに715個発見」というナショナルジオグラフィックスニュースを見つけました。それはケプラー宇宙望遠鏡での観測結果から得られた、とありました。興味深いのは、太陽に似た恒星が持つ比較的小さな惑星が多いという事実です。「創造主は小さな惑星を作るのが好きなようだ。」という天体物理学者の言葉が印象的です。新たに発見された惑星のうち、4つがハビタブルゾーン内で恒星の周りを公転しているそうです。ただ、4惑星の直径はいずれも地球の2倍強で、海が存在するものの大気は生物が生きるのに適さない可能性がある、というものです。生命の存在発見まではまだまだ先の事かも知れません。ただ、「ケプラー第2計画」もあるそうなので、今後が楽しみです。

マクロな宇宙研究には今後も新しい発見が期待できそうです。

隕石のミクロな研究と宇宙のマクロな研究は今後もワクワクするような新事実を解き明かしてくれるだろうと思います。

映画「パワーズオブテン」(1968年 イームズ夫妻監督 IBM)ではありませんが、ミクロな世界とマクロな世界の繋がりの事を想いました。

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