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鉱物の部屋へのいざない

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イマジナリーキューブ

2014-03-10 12:22:40 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「イマジナリーキューブ」です。

「イマジナリーキューブ」とは、京都大学の立木秀樹さんが提唱した多面体の事で、直交した3方向から見て、正方形に見える3次元立体の事です。立方体はもちろんの事、正四面体や立方八面体(ベクトル平衡体)もこの性質を満たしており、極小凸イマジナリーキューブは16種あるとされております。それらの16種の立体は美しいだけではなく、空間充填の性質を利用したパズルや鉱物学のアウイの結晶モデルを彷彿させるシェルピンスキー四面体のようなフラクタル図形にも拡張され、非常に面白い性質を複数持っていると言えます。

昨日、ベネズエラ産の金の結晶の事を書いたのですが、その結晶を見ていると、あるプラスチック製のオブジェに似ていると思いました。そのオブジェはいつどこで入手したのかは憶えていませんが、そのそろばん玉のようでいて、ある角度から見ると立方体キューブのように見える性質が気に入っていました。

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上の写真がそれです。

このオブジェを見ていて思った事が「イマジナリーキューブ」に似ている、という事でした。

そう言えば、金の結晶に限らず、水晶の両錐結晶にも立方体キューブのように見えるものがある事を思い出しました。もしかすると、それらも「イマジナリーキューブ」の一種なのかも知れない、と思ってしまいました。

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Riverside, Eddy Co., Newe Mexico, U.S.A. 水晶(Quartz)

上の写真はキュービック水晶(疑似立方体水晶)と言われているものです。水晶の形態変化の中にはこのように見える事もあるのです。ただし、あくまで似ているだけであって、原理的に水晶が立方体になる事はありません。

「イマジナリーキューブ」のイマジナリーは想像上の、という意味なので、厳密には自然界には実在しないのかも知れませんが、近似的には、「イマジナリーキューブ」に似た鉱物結晶がある事自体が面白いと思いました。

コメント
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