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鉱物の部屋へのいざない

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木製多面体模型

2014-03-25 13:21:40 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「木製多面体模型」です。

昨日、山口県萩市の積み木インテリアギャラリーの中川宏さんから「木製多面体模型30種セット」が届きました。中川宏さんは「多面体木工」という本の著者で、中川宏さんのお名前はこのブログでも過去6回登場しています。

中川宏さんとは「多面体木工」という本の購入で知り合い、過去に私の持っていた鉱物結晶模型のひとつである凧形24面体の木製模型によって交流が始まりました。私の「石の華」オープンの際にはお祝いとして辰砂の貫入双晶の模型を造って頂き、こちらからは中川宏さんの積み木インテリアギャラリーの開店祝いとして中国産の蛍石(切稜立方体に見える結晶)を送ったりして交流が続いております。因みに切稜立方体は多面体木工の最も基本的な形でもあります。

Photo

上の写真がそれです。30種セットの中にはプラトン立体と呼ばれる5つの正多面体やアルキメデス立体と呼ばれる13種の半正多面体はもちろんの事、柘榴石などの鉱物結晶的にはお馴染みの菱形12面体や凧形24面体なども含まれており、多面体好きや鉱物結晶好きにはたまらない30種セットだと思います。

今回は「石の華」でサンプル展示し、興味を示されたお客様には中川宏さんのサイトをご案内する、という趣旨です。

鉱物標本の木製模型では今でも売っているというドイツのクランツ商会の木製鉱物結晶形態模型が有名ですが、他のものも含めてそれなりに高価です。中川宏さんの「木製多面体模型30種セット」は鉱物結晶形態模型というよりも純粋数学的な多面体模型なのですが、今回は野呂輝雄さんの「鉱物結晶図鑑」をもとに作製された鉱物結晶バージョンとなっており、それぞれの形に代表的な鉱物結晶を当てたリストカードが付いており、さらにうれしい事に比較的安価です。

私の鉱物趣味はどちらかと言うと結晶形態から入って行きました。純粋数学的な多面体の形態と自然が造る結晶形態の類似性には自然界の美と神秘が詰まっていると思います。私は鉱物の最大の魅力はその結晶にある、と思っていますし、多面体模型や結晶形態模型はその理想的な形を実際に手に取って見る事のできる、ありがたい模型だと思います。しかも手の平サイズの木製模型にはなぜか温かみも感じられ、コンピュータの3D画像とは違った実体感とも言えるところが魅力的だと思います。

鉱物結晶、特に対称性が高い等軸晶系の結晶形態は多面体の世界に繋がっています。

例を挙げるとすると、四面体は四面銅鉱、ヘルビン、六面体は蛍石、岩塩、方鉛鉱、八面体は磁鉄鉱、スピネル、五角十二面体は黄鉄鉱、輝コバルト鉱、斜方十二面体は灰ばんざくろ石、偏菱二十四面体は鉄ばんざくろ石、方沸石、等々、理想的な結晶形態は多面体世界そのものなのです。

最近は3Dプリンターの普及で、比較的簡単に結晶模型を入手する事ができるようになりつつあるようですが、木製模型には木ならではの良さがあり、ひとの手でつくられた工芸品的な付加価値があると思います。

木製多面体模型はいつでも見れます。ご来店の際に現物を見てみて下さい。

コメント (4)
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