霰石２

今日は「霰石２」です。

昨日の「霰石１」で出したスプートニク・タイプの霰石が昨日売れました。ブログ登場当日に売れたのは初めてです。買われたのは近所にお勤めの常連さんの女性です。それはこちらからお勧めしたわけではありません。ショーケースの下の段ボール箱に入れてあったものを彼女が自分で発掘しました。お気に入りの石をみつけた時のうれしそうな笑顔はいつも印象的です。そのような笑顔を見るとこちらもうれしくなってしまいます。それは石のお店をやっていて良かったと思う瞬間です。石の方も喜んでいると思います。

今日は国産の霰石です。

石川県恋路海岸 産 霰石（Aragonite）

これは恋路海岸産の霰石です。能登を代表する鉱物です。薄紫色の放射状結晶が美しい事で有名です。写真の標本よりももっと良いものがありましたが、売れてしまいました。かつてはこの放射状・球状結晶をした非常に美しい標本がたくさんありましたが、最近では珍しくなりました。私は以前、名古屋鉱物同好会のある方が所有している「三匹のウニ」と名付けられた恋路の霰石を見た事があります。それは美しい標本でした。一つの母岩に三つの霰石の美結晶が絶妙なバランスで寄り添っていました。それは石川県産を代表できるような立派な標本でした。非常にうらやましく思った記憶があります。

千葉県銚子市長崎鼻 産 霰石（Aragonite）

これは千葉県銚子市長崎鼻産の霰石です。これは恋路の霰石に非常に良く似ています。違いは玄武岩の空洞の内側に薄く付着する緑色の粘土鉱物でしょうか。恋路のものはセラドン石ですが、銚子市長崎鼻産のものは何か違う種類のものに思えます。ただ、場所は違っても霰石の雰囲気は非常に似ています。

島根県大田市松代鉱山 産 霰石（Aragonite）

これは有名な松代鉱山産の霰石です。霰石らしい表の表情も良いものですが、裏の結晶成長を物語っている姿にも惹かれてしまいます。この標本のラベル原本は非常に古く、そこには天然記念物と書いてあります。これはかなり昔に採集されたものだろうと思われます。このような古典的な国産標本は現在では珍しく、貴重な標本の一つだと思います。

今日は国産の霰石でした。

霰石は明日に続きます。