今日は「火事」です。
昨日、石川県鉱物同好会の山本会長が来店されました。会長との話は石の話もさることながら、先日新しくできた古書店の話になり、そこで小松の大火の事が書いてある郷土史の本を入手されたそうで、その話になりました。
小松では昭和5年の橋北の大火と昭和7年の橋南の大火が起きました。私の実家も橋北の大火で焼失しました。郷土史の本にはその大火とその後の復興の事がしっかりと書いてあるそうです。小松の大火の事はその事実は知っていましたが、それが小松町屋の歴史につながり、私にとっても気になる文献です。
石のブログ的には、その大火でも割れずに残っていた観音下(かながそ)の石の話に飛びそうですが、今日は石材の話ではありません。
「火事」と石にどんな関係があるでしょうか?
ポーランド共和国 産 紅亜鉛鉱(Zincite)
この写真はジンサイトです。これは亜鉛と酸素が結びついた結晶ですが、実は半人工結晶です。塗装工場の副産物として産出するもののようです。このジンサイトは亜鉛鉱山の火災によって偶然に作られたものだそうです。それは火事によって作られた石なのです。
この写真は上のジンサイトの一部をマクロで撮ったものです。
私がこの標本を気に入って入手した理由はこの写真の中心部にわずかに見える雪の結晶のような小さな結晶が付いていたからです。この標本を入手した時はそれが火事によって偶然作りだされた石だとは知りませんでした。ただ単にそれが結晶鉱物であり、その小さな雪の結晶のような部分がかわいらしく思ったからでした。火事が造った雪の結晶、と思うと面白い現象です。
火事と石という話題ではダイヤモンドも登場します。
ダイヤモンドは火事に遭うとどうなるでしょうか?
ダイヤモンドは炭素の結晶ですから燃えると思いますが、実は、燃えるというより、酸素と反応して気化してしまうそうです。ダイヤモンドは永遠ではありません。
燃えるというと、沖縄では天然の燃える石(黄燐)が発見されているようです。私はその現物を見た事がありません。
火事とはちょっと違いますが、良く考えてみると、火山の事を忘れてはいけません。
そうです!石の元である岩石は大きく分けて、火成岩、堆積岩、変成岩の3種類に分類されますが、地球がどのようにして出来て来たかを考えると、原始地球のマグマオーシャンから地殻が形成された事を思えば、全ての岩石は最初は火成岩から出来て来た事になります。そういう意味では全ての石は火と密接な関係があった事になります。
今日は「火事」から石の事を少し考えてみました。