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鉱物の部屋へのいざない

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オヤジ

2012-11-17 10:58:28 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「オヤジ」、地震・カミナリ・火事と続いてきたので「オヤジ」で締めくくります。

鉱物趣味や水石のような愛石の趣味は本来「オヤジ」の趣味だったと思います。私自身が「オヤジ」ですし、小学生の時の一時的な鉱物愛を除けば、中学・高校・大学・社会人初期の頃は鉱物の事は完全に忘れていました。私は広告会社のサラリーマンだったのですが、地方転勤を終え、東京に戻った30代後半になってから本格的な鉱物コレクターになりました。

それは私自身の生活に余裕が出て来た事と、独身だったので可処分所得が程良く高かったからかも知れません。また、鉱物の世界でもミネラルショーのようなイベントが定着した時期とも重なっていました。鉱物関連の書籍もその頃から徐々に増えていったような気もします。

鉱物趣味は今でもマイナーな趣味には違いないと思いますが、近年のパワーストーン人気の影響もあるせいか、鉱物趣味の世界にも若い女性が台頭してきています。今や石の世界は「オヤジ」の特権的な趣味の世界ではありません。どんな分野の世界でも同じだと思いますが、女性の進出や台頭でその分野の世界は成熟します。日本の鉱物クレクションは欧米に比べるとまだまだ発展途上だとは思いますが、一部の人たちの間では、既に老若男女が同じ意識で共感できる趣味になってきた気がします。

愛石の趣味は多様性もあります。老人中心の水石的な愛石から古典的な鉱物趣味や富裕層の宝石の世界や若い女性の天然石アクセサリー的な愛石、スピリチュアルなパワーストーンの愛石、等々、石の世界は広がりを持っています。

石の趣味は多様性があります。原石そのままが良いとされる価値観や石を磨いて美しさを愛でる価値観もあります。アカデミックな標本の世界から石による精神世界までその価値観には多様性があります。

そのような多様な石の価値観の世界で、私が現在特に気になっているのは「鉱物アソビ」や「鉱物見タテ図鑑」(フジイキョウコ編・著)のような雑貨感覚の鉱物愛です。それは若い女性が中心になっているような感覚です。日常的に自然に鉱物を楽しむ感覚、そのような感覚は「オヤジ」的な鉱物趣味の世界にはなかった感覚です。その感覚は自由奔放です。それは凝り固まった価値観からは無縁の世界です。

石の世界の多様な価値観は愛石の世界の成熟を意味し、好ましい状況だと思います。

コメント
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