?岐阜県セラミックス技術研究所が開発した新虹彩結晶釉
?多治見の岩田安弘さんの作った燿彩天目ぐいのみ
昨日、開店と同時に金沢市内で陶芸ギャラリーをやっているという女性が店に入ってきました。ホテル日航金沢の1Fロビーでやっている「花硝風月」というガラス作家の展示会に来て「石の華」をたまたま見つけたとの事でした。少しの時間でしたが、初めて見るという鉱物結晶の標本を見てもらいました。そしてガラスも焼き物も原料は鉱物で、親戚のようなものですね、という話になりました。
ガラスの方は12月2日からのクリスマスフェアでガラスコーナーを作りますので、またその時として、今日は焼き物の話題です。
最初の写真はタングステン酸カルシウムの結晶で構成される新虹彩結晶釉で作られたぐいのみです。次の写真は主に鉄を原料とする釉薬で焼かれた岩田安弘さんの燿彩天目ぐいのみです。私は鉱物標本と同じように、ちょうど手のひらに乗るサイズのぐいのみが好きで集めています。
焼き物の釉薬、特に結晶釉には鉱物結晶と同様の印象を受けます。鉱物結晶の方は地球というか自然が造ったもので、焼き物の方は自然の材料を素に人間が作ったものです。自然の方は誰に見られるという意識なしに、純粋に造られたもので、人間の作ったものは何らかの意図が入り込んでいます。
昨年亡くなったアニメ監督の今敏さんの追悼番組を見ていると、今さんが宝物としてアンモナイトの化石を見せてくださったのを思い出します。今さんは人間の作ったものには作者の意図が読み取れるが、このアンモナイトの化石からはそのようなものは感じられず、ただ純粋に美しい、というような事をおっしゃっていました。
今さんのお話には共感するところが多いのですが、人間の作った焼き物にもその意図も含めて興味があります。特に岩田安弘さんの作品の数々には感動せざるを得ません。5年位前に一度工房を訪ねて2階の展示室を見せてもらったことがあるのですが、そこで見た金色に輝く天目茶碗には国宝の曜変天目を見た時と同じような感動がありました。
曜変天目に関してはまた後日話題にすることがあると思います。