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鉱物の部屋へのいざない

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正珪岩 オーソクォーツァイト

2011-11-24 11:20:59 | 日記・エッセイ・コラム

お客さんのNさんからメールが届いておりました。正珪岩についての説明を求められていました。今日のテーマは正珪岩にします。正珪岩の標本は丸い礫とそれをスライスして一面を磨いた標本があるのですが、それは今、倉庫の方に置いてありお店に無い為、今日は写真なしの話題です。

正珪岩は大陸起源の石英質の堆積岩です。オーソはオーソクレース(正長石)と同じ「正」、クォーツァイトはクォーツ(水晶)と同じくケイ質の石という意味です。

安定な大陸上で、石英以外の鉱物のほとんどが風化分解するような環境で淘汰・運搬を繰り返して形成されたと考えられています。

この北陸地方では手取層群に見つかり、福光あたりでは福光玉として酒器の杯に加工されて特産品として売られています。

正珪岩には思い出が二つあります。

ひとつは3年前に飛騨小坂の龍門の滝を見に行った時です。龍門の滝は輝石安山岩の柱状節理の間を潜り抜けて流れる滝です。NHKの「四季・御嶽山」という番組でそれを初めて見て、番組に出演されていた和合正さんのガイドで見に行きました。その時、和合さんとオーソクォーツァイトの話になりました。和合さんは飛騨の山奥で中国大陸にある石があることに感動し、その石を「輪廻の石」と呼んでいました。

確かに日本海ができる前の時代の輪廻転生を繰り返した石です。

もう一つは関戸信次先生の白山の話です。白山の山頂付近にも正珪岩がごろごろしているそうです。先生は同じ石が二百三高地にもごろごろしていたとおっしゃっていました。地学では地層累重の法則があって、地層は下から上にむかって堆積していくという基本法則です。下にあるものほど古く、上にあるものほど新しい、ということです。それがなぜ白山山頂に古い時代の石があるのか?そのことを辞書を積んで白山が盛り上がっていく喩でうまく説明されました。

Nさん、人喰谷でのサニディンとオーソクォーツァイトの採集情報、楽しみにしております。

コメント (2)
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