アイルランド生活ブログ - 生活・料理・留学の情報満載 -

アイルランド在住者(精通者)によるアイルランド生活の情報を発信中!!

松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「スコーン大成功の巻」

2008-06-30 00:26:41 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 アイルランドに遊びに来た友人たちと、料理教室に行ってみました。
 ウィックロウにあるバリーノッケンハウスです。バリマルーで修業したシェフ、キャサリンが教えてくれたのは、伝統的なアイリッシュ・スチュウとブラウンブレッドにアップルケーキとスコーン。

写真では、別にいつものフツーのスコーンですがね。中はしっとりできました!
 アイルランドは初めての友人たち向けにリクエストしたのは、典型的な家庭料理のラインアップです。

 目をつぶってもつくれるわ、と信じてたアイリッシュ・スチュウですが、やはり料理教室、さすがです。へぇっ!と驚く技が。最初にベーコンをバターで炒めて風味出しするなぞ知りませんでした。

 スコーンも同じく。何度もつくって、それなりに自信があったのですが、生地をさわらせてもらって、ふうーん、耳たぶほどのやわらかさね、と確認した後、焼き上がりを食べたのですが、しっとりしてて、すごくおいしい。

 さっそく家で試してみたのですが、今まででいちばんの出来でした。
 ポイントはサワーミルク。バターミルクでもいいそうですが。うちではヨーグルトで代用。ちなみにサワーミルクは、冷蔵庫の外に出しっぱなしにした牛乳のこと。東京では真似しないほうが賢明と思いました。

 以下、わたしが試した大成功スコーンのレシピです。それほど大きくないのが4個ほどつくれる分量です。甘くないバージョンね。

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●材料:小麦粉 1カップ半/バター 大さじ1~2/たまご 1個/甘くないヨーグルト 大さじ2/牛乳 大さじ2/塩 少々/重曹 小さじ4分の1/砂糖 小さじ1/ナツメグとオレガノ少々

*粉類をまとめて、バターを加えてそぼろ状に。
*ヨーグルト、牛乳、たまごを加えて生地に。牛乳は、生地のかたさをみながら加えていく。
*さっとまとめて型抜きし、200度のオーブンで15分ほど焼く。
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 もうひとつGETしたレシピは「オレンジ・バター」。
 バターをちょっとやわらかくして、砂糖少々と、オレンジの皮のすりおろしと、オレンジのしぼり汁をまぜただけなのだけど、すごく香りがよくて、スコーンにはもちろん合うし、フルーツケーキのような素朴な焼き菓子に塗ってもいいし、鶏肉などにも合い、常備するのに最適です。

 オレンジのしぼり汁は、まぜこむのが意外にむずかしいので、少しづつ気長にまぜこむか、皮だけでも充分いい香りがつきます。

 待てよ、砂糖にしぼり汁をふくませて、バターにまぜていけばいいのかな。
 これは教室で習ったのではなく、併設している宿の朝ご飯に出てきたもので、アイディアを盗んだだけだから、コツがまだつかめていません。またトライしてみますが、みなさんも試してみてね。

 ほとんどキャサリンのデモンストレーションでしたが、ちょっとしたヒントやアドヴァイスは、すっごく役に立ちますね。料理教室のよさを再発見しました。
 機会があったら、また行きたいな。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「QUINOA」

2008-06-23 01:26:19 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 アイルランドの健康オタクたちの間で人気急上昇中の穀物が、QUINOA。
 クィノアは、粟をふたまわりほど太らせたような穀物で、ボリビアの主食と聞いています。日本では、ちょいと流行って消えちゃったそうな。

ボリビアの主食クィノア、人気急上昇中。右はレントル(レンズ豆)。
わかりづらいですかねー。玄米にクィノアをまぜて炊いたもの。ラムに添えました。ちなみに右のは、にんじん&ターニップ。左はホーレンソウと赤タマネギ。
 健康食材に関してもビギナーのわたくしは、アイルランドで初めて知りました。
 以前にも、アイルランド人の小麦ばなれ(!?)に触れましたが、ことは深刻になっているようです(苦笑)

 初めてこの、小鳥のエサのようなクィノアを食べたのは去年の夏のこと。
 友人は、クィノアと白米をまぜて一緒に炊いて「グリーンライス」をつくってくれました。タマネギ、ガーリックをオリーブオイルで炒め、そこに冷凍の小海老を加え、火が通ったところに炊き上がった白米&クィノアを入れます。

 最後に、茹でたホウレンソウをピューレ状にしたものを加えて、ようく混ぜればできあがり。きれいな緑色の、リゾットみたいなご飯です。

 海老の塩気と甘みと、クィノアのぷちぷち感が病みつきになり、何度もおかわりしちゃいました。旨いよ~。

 で、すっかり印象のいいクィノア。
 うちでは、ブラウンライス(玄米)にまぜて、サラダにすることが多いかな。
 気の効いたデリカテッセンでは、クィノアをメインに使ったサラダを売っているのだとか。どんなものなのか、見つけたらレポートしますね。

 さて、まったく話は変わりますが、アイルランドでずっと人気を保っているシンガー・ソングライターのジョン・スピラーンのライブを観に行きました。

 ゲール語専門ラジオの、彼のレギュラー番組を愛聴していて、選曲のセンスのよさには脱帽しており、いつか彼のライブを観てみたいとずっと思っていたのですが、ようやく念願が叶いました。それも地元で。

 かつて、カラの近くにスンダイスクールという日本人学校があったのですが、今はそこがゲール語専門学校になっています。マークの実家があったすぐ近くで、以前はお散歩コース。そんな懐かしい場所でジョン・スピラーンがライブする、という小さなポスターをたまたま買い物に行った隣町キルコリンで見つけて大興奮。

 幸い、彼の歌う曲も、曲間のお喋りも英語をまじえたものなので、助かりました。

 いや、初めて聴く彼の歌の、説得力のあること!
 ケルト時代の吟遊詩人バードは、きっと彼のようだったのでは、と思いました。
 来日したこともあるそうで、ちょっとびっくり。日本人には、あまりなじみのないシンガーだと思います。が、要チェック!

 というわたしも、まだCDを持っていません。
 「アイリッシュ・ヒットチャート初登場第6位」というニュー・アルバム、買わなくちゃ。それ以前のアルバムも、ちゃんと聴いてみたいなと強く思いました。

 今回アイルランドに来る前、少なからずの方から「音楽レポートも、たまにはしてね」と言われていて、アンテナはってるとこですが、あらためてアイルランドの音楽シーンは充実してるなって感じているところです。

 近々、音楽の話をまとめて書きますね。 


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「コークのキャンディー」

2008-06-16 00:11:32 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 食の都コークに、食いしん坊の友人3人と旅してきました。
 日中、観光できるとこって、バター博物館くらいよって言ったら、全員一致で「行きたい!」と意見がまとまり、行ってきました、バター・ミュージアム。

コークにある飴の老舗の、アップル・キャンディー。いかにも手づくりな感じ。ふぞろいで。
 バター・メーカーの老舗ケリー・ゴールドの歴史をたどる短編映画を見たり、小さい博物館だけども、これがけっこう楽しめるの。

 入り口近くのブックショップ・・っていってもショウケースがひとつ・・で、コークの食材メーカーの紹介本や、アンティークなポストカードなど、なかなか興味深いものをいくつか入手。スタッフの不慣れなおじさんがチャーミングでした。
 不思議なエリアで、まだ開発途中なのだけど、それがまた魅力。

 ぴかぴかになってきてしまたダブリンが、以前は持ってたヒッピーなニュアンス残したクラフツセンターとか、コークっていいなと再認識いたしました。

 あいにくの小雨模様で、町中に急ぐわたし、ふと振り返ると友人たちが見当たりません。ええっ??っと後戻りすると、小さなキャンディー工房の中にいるじゃありませんか。

 中で、スタッフのおじさんに、キャンディーあれこれを説明してもらっています。

 見たことあります?アイスクリームのコーン(底が平らになっているタイプ)に、マシュマロがつめてあって、チョコで蓋した駄菓子。アイルランドの、ちょいと古目のニュースエージャントのレジ脇の箱に、むき出しで入れてあったりするヤツ。さっそく買って口にする友人。

 袋入りキャンディーも、あれこれおみやげに買い込んで、工房を後にしたのですが、なんとここがまた、1920年代に創業した老舗だったのです。

 わたしは、アップルキャンディーを買ったのですが、なつかしーい感じの、お砂糖いっぱいの飴でした。残念なことに、老舗自慢の飴は、クローブロックといって、アイルランド流の金太郎飴。

 絵柄はありませんけど。おじさんが「スパイシー」と説明してたので、甘いほうがいいなーと、ふつーの飴を選んでしまったのですが、そっかクローブ味の飴がトラッドだったのね。

 Exchange Toffee Works といいます。バター博物館の、ちょい手前にあるので、もし訪れたることがあったら、立ち寄ってみてください。

 ちなみにクローブロックは、他にメーカーもつくっており、ニュースエージェントなど、キャンディーを扱ってる店で見つけられます。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ミカド」

2008-06-09 00:10:59 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 すごい名前でしょ、ミカド。

ジェイコブス社のミカド・マロウ・ビスケット。大人もこどもも大好き。
 おいしいビスケットがあるのよって、ともだちから聞いたのは、アイルランドに来はじめの頃だから、ずいぶん前のことです。

 もちろん、すぐさまスーパーマーケットに買いに行きました。
 トッピングのマシュマロは、ふんわり、とろけるような感じで、中から、とろりと甘いジャムが。ベースのビスケットは、日本人の感覚だと「え、ちょっと、しけってる?」って思うような、ほろりと口のなかで、くずれるようなタイプ。

 てっぺんにココナッツがまぶしてあって、なかなか凝っています。
 ジェイコブス(Jacob's)という、アイルランドの老舗製菓会社の商品で、なんと1800年代から親しまれているお菓子なのだとか。

 ジェイコブ一族は、アイリッシュではなくイングランドから渡ってきたクエーカー教徒。1600年代にアイルランドに渡ってきて、1800年代半ばに製菓会社を創業したのだそうです。

 今や、ちょいとノスタルジックなブランドになっちゃいましたが、永らくアイルランド人に親しまれてきたジェイコブスのお菓子は不滅です。

 今はビニールのパック入りがメインだけど、缶入りが主流だったそう。
 クリスマス時期などには、スーパーマーケットの棚に、缶入りビスケっとがたくさん登場します。食べかけのケーキを保存しといたりするのに、ビスケットの缶は便利なんだな。アンティークな感じの様相も、かわいいし。

 アイルランドに旅されたときに、ぜひ探してみてください。
 壊れやすいので、ユーロショップとかで安いタッパを入手して、お持ち帰りくださいね。

 しかし、なぜにミカドなんだろう??調べてみます。
 ジェイコブスの商品は他に、やはりマシュマロをフィーチャーしたビスケット、キンバリーが有名です。最近ではチョコレートがけしたものが不動の人気。

 ちょうど、日本のエンゼルパイみたいなの。あ、今でもまだ、ありますか??
 マシュマロをビスケットでサンドウィッチにして、チョコでコーティングしたお菓子。こどもの頃は、カリっとしたビスケットとマシュマロの感触の異質さが理解できなくて、あんまり好きではなかったのに、アイルランドで知ったチョコがけキンバリーは大好き。ああ、エンゼルパイのコンセプトはこれだったのか、と、うん十年たって初めて理解をいたしました。もしかして、キンバリーが元祖なのかな。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ウィックロウ・ブルー」

2008-06-02 00:29:40 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 今いちばん気に入っているアイリッシュチーズが、ウィックロウ・ブルーです。
 何度も書いた気がしますが、わたしはまだチーズのビギナーなので、クセの強いチーズはちょっと苦手。匂いがきついのは、喜んで食べることができません。

右がウィックロウ・ブルーチーズ。左は北アイルランド産の海藻入りチェダーチーズ。
 なので、ブルーチーズも得意ではなかったのですが、ウィックロウ・ブルーは大丈夫。ミルクの味がしっかり残っていて、でもちゃんと熟成もしていて、バランスがとっても好みなの。

 大きいバージョンもあるのですが、写真の、小さい食べきりサイズを常備しています。お店の人が「あ、ミニチュアサイズの方ね」と言ってて、かわいい呼び方も気に入っています。確か、ダブリン空港でも売っていたはずなので、おみやげに、ぜひ。

 アイルランドのブルーチーズでは、キャシェル・ブルーが有名で、こちらもおいしいです。ウィックロウに比べると、もう少し熟成してるかな。大人の味です。

 写真にある、北アイルランド産の海藻入りチェダーも、まろやかな味。ほのかな海藻の塩気でワインがすすんじゃいます。使われている海藻は、以前紹介した海藻ドルス(デリスク)。日本人としては、もうちょびっと海藻っぽい風味が残っててもいいなって感じたのですが、邪道でしょうか。

 チーズを扱う店では、必ず試食をさせてくれるので、失敗がなく助かります。
 まず好みを聞かれるので、「マイルドで塩気がきいてるのが好き」から始まって、その日の気分で、勧められたシープ(羊)ミルクのチーズにしたり、少しずつ冒険していきます。

 ゴーツ(山羊)ミルクのチーズも、匂いが苦手だったけども、ぼちぼちおいしさがわかってきたところ。でも、ほんのひとくちかな。

 冷蔵庫に、チーズをきらせちゃったときは、さみしい気持ちになっちゃいます。
 安心して買える店は、ニューブリッジ界隈だと、ぐっと少ないので、ときどきストックを足しそこねてしまいます。

 ダブリンに出たときは、グラフトン・ストリートをちょいと曲がったとこにあるシェリダンズに寄ります。ファーマーズマーケットに出かけたときは、チーズとオリーブ、セミ・ドライドトマトはマスト・アイテムだな。

 写真のチーズは、友人ジェニーのファーム・ショップで買ったもの。
 ジェニーはチーズに詳しく、セレクションもフレンチやバスクのチーズなど揃えていて、味見しながら好みの幅を広げていけるので助かっています。

 チェダーにクミンシード入りとか、ハーブ入りも好き。
 おいしいチーズとワインのある夜は至福のひとときです。


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