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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「レモネード」

2008-07-28 01:12:51 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 懐かしい響きですよね、レモネード。
ダンレアリで売っている人気のレモネード。天気のいい夏の日は行列ができます。
 写真に写っているのは、ダンレアリのファーマーズマーケットで売られているレモネードです。ミントの葉がたくさん入ったレモネードで、炭酸ではなくミネラルウォーターでつくられた、やさしい味で大人気。

 マークも「こどもの頃の飲み物といえばレモネードだったなー」と、懐かしそうにいいます。70年代に幼少期をすごした彼ですが、コーク(コカコーラ)も珍しかったとか。ま、その頃のニューブリッジじゃね、お店もあんまり、なかったろうし。

 でも、きっとコークは高価な飲み物だったのでしょうね。
 今だって、パブで頼むとビールのハーフパイントとそれほどかわらなくて、しまったと思うことがありますし。パブで出されるコークは、今でも瓶です。

 マークが親しんだレモネードは、お母さんのお手製で、ハチミツでほんのり甘いレモン水だったそう。

 そういえば、わたしのこどもの頃も、カルピスに代表されるように、こどもには炭酸入りでなはない飲み物が与えられてた気がする。

 辞書を引くと、イギリスではレモネードとレモンスカッシュが同意語になっていたりしますが、きっとレモン水を炭酸にしてみたら、おいしくて衝撃だったのでしょうね。日本のラムネは、そこからきてるのかな。

 ラムネがレモネードのなまった言葉であることは、クイズなどで出ますけれど、わたしはあるとき突然、自分で気づき大発見をした気分でした。

 レモネード、レモネ・・ラムネ!??って。
 最近、プラニーの影響で、レモンは身体にいい!が、すりこみ状態になっていて、果物かごに常備するようになり、きらしたことがありません。

 飲み水に浮かべるのはもちろん、ヴィネガーのかわりに、サラダドレッシングにしたり、お寿司にも使うし、魚料理のソースなどに大活躍で、1日1個のペースで使っています。

 それなのに、意外に家でつくらなかったのがレモネード。
 今年の夏は自分でつくろう。ミントの葉を入れるっていうのは、いただきだな。
 アイルランドでは、飲み物に氷を入れる習慣が育たなかったらしく(寒いからね)、ずっと前に飲んだレモネードも、水道水ほどの冷たさで、それがまた身体にやさしい感じで、新鮮でした。

 ハチミツのやんわりした甘さは、冷たくすると味わいにくくなっちゃうので、きんきんに冷やさないほうが、レモネードらしさが出るようです。

 実は今、東京にいるわたくし。
 あづい~。アイルランドからは「冷夏で寒い」って話ばかりが聞こえてきて、なんで夏を選んで東京にいることになっちゃったかな、とこぼしつつ、でも慣れてくれば東京の夏もきらいではないの。30度以上が毎日続くっていうのは自然じゃないよなって思いはしますけれど。

 アイルランドにいると、だーっと汗かくことがあまりないので、たまに毛穴が開くのは気持ちいいもんです。

 クーラーは好きじゃないので、なるべく窓全開にしてますが、冷たい飲み物はなかなかやめられません。たまには、ゆる~く冷やしたレモネードにしよう。

 夕方、冷やしたビールの飲むまでは!


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ジェニーのファームショップ」

2008-07-21 00:55:09 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 ファーマーズマーケットに続いて、徐々に人気を高めているのがファームショップ。その名のとおり、農家に隣接したお店です。

ジェニーのファームショップ。みごとに何もない緑一面の場所に忽然と登場します。
ディスプレイもさりげなく、かわいい。彼女のつくるジャムは、いかにもお家でつくりましたって感じの、やさしい味です。
 ニューブリッジのマーケットで知り合いになったジェニーは、自分の家で店を開きたいと言っていました。

 彼女のストールでは、自家製ジャムやソース、フランスで自ら買いつけてきたチーズなどを売っていました。

 「どんなものを置いてたら便利だと思う?」といろんな人にリサーチしていて、わたしもマークも、よくある小さな小屋って感じのお店を想像しながら、ささやかな提案を述べていたのですが。

 すでに1周年を迎えたジェニーのお店は、こちらの想像をはるかに越えた、すてきなお店で、おまけにすごく広い。

 品揃えも充実で、マーケットを通して知り合った仲間たちの、肉や野菜、パンやケーキなど何でもここでそろいます。ワインもあるし、ギフト用のバスケット(ハンパー)もアレンジしてくれます。

 お店は、彼女とダンナさんの経営する酪農牧場と養鶏場に隣接していて、作業をしながら商売もできるのは理想的。

 農場を見せてもらったら、おおざっぱに囲った野っぱらを200羽のにわとりたちが元気に走りまわっていました。彼女の売る卵は、おいしいわけだ。

 お店のスタッフは、フランスやドイツなどから農業を学びたい学生が、畑仕事とともにお手伝いをする研修制をとっていて、賢いスタイルだなと感心しました。

 ダンナさんは、ファーマーズジャーナルという農業関係の業界紙のジャーナリストでもあります。ジェニーも「FOOD&WINE MAGAZINE」にコラムを持っていて、農家の暮しを紹介しています。

 アイルランドでも、今のこどもたちは都会っこ化が進んでいて、畑のことも家畜のことも知らずに育つケースが多く、憂いたジェニーはときどき農場を学習の場として開放しています。乳搾りの体験をさせたり、たまごの集め方を教えたり。

 夢いっぱいのジェニーのお店、機会があったら寄ってみてくださいね。

■Castlefarm Shop
http://www.castlefarmshop.ie


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「キッパー」

2008-07-14 00:15:38 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 Kippersはニシンの薫製で、アイルランドで長いこと食されてきた保存食です。食糧の少なかった時代に重宝されてきたもので、大事なのだけども、ごちそう感の少ない食材らしく、フィッシュ・カウンター(魚売り場)でも片隅に並べられていることが多いです。でも、鮮やかなオレンジ色なので、すみっこにいてもなかなかの存在感です。


キルコリンで買ったキッパー。きれいな色してるでしょ?骨まで食べられます。
 そういう、わたくしも、フィッシュ・カウンターで新しそうな魚を見つけてしまうと、そちらに手が伸び、キッパーを買う機会を逃していました。

 テレビの料理番組などで、キッパーの調理法が紹介されているのを見たことはあり、ふつうに水を使って湯がいてもいいけれど、牛乳にタマネギやクローブなどのスパイスを入れて、その中で茹でるやりかたを知りました。むむ、なかなか旨そう。

 コークやクレアなど海岸沿いを旅していると、宿の朝食メニューにキッパーが添えられていることがあり、旅先で食べたのが最初でした。

 つい最近では、コーク市内のガーニッシュハウス(何度も書きましたので、おなじみになってきてますねー)で食べたキッパーはおいしかったなー。

 ほろっと身がくずれて、生を調理したみたい。でもスモーク風味はしっかりついていて、添えられたポーチドエッグにからめながら、あっという間にいただいてしまいました。満足できて、でもお腹がいっぱいになりすぎず、理想的な朝食です。

 うちの近くでは、隣町キルコリンのノーランズで売ってるキッパーがお気に入り。

 インランド(中部域)で魚を買うのは至難の技ですが、ノーランズで売ってるものは、やはり生っぽいところが得点高い。

 牛乳で煮るバージョンで調理し、使った牛乳はちょいとバターを落として、マスタードをちょいとまぜて刻んだパセリをわーっと加えてソースにします。ようやくつくれるようになったポーチドエッグをのせて、炒めたキャベツをわきに添えたらヘルシーなブランチのできあがり。

 東京の外国食材を売っているスーパーなどで、アイルランド産キッパーの缶詰めを売っていることがあるので、チェックしてみてください。

 缶詰めのは、細かくしたゆで卵をまぜこんで、マヨネーズをちょいと加えてディップにするといいと思います。



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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「フィドル」

2008-07-07 01:16:19 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 なんと、なんと、フィドルを買っちゃいました。

買ったばかりのわたしのフィドル。エレガントな楽器ですよね。部屋にあるだけで嬉しくなります。
 スライゴーの友人が、毎週日曜日に近所のこどもたちを集めて、伝統音楽を教えているというので遊びに行ったのですが、楽器を持たずに見学するのは、ちょっと居心地が悪い。特に、こどもたちはシャイで、気にしている様子が見て取れるし。

 休憩時間に、友人が「せっかくだから、何か楽器弾いてみない?」と勧めてくれるので、軽く、ほとんど冗談で「そうね、フィドルかハープがいいな。エレガントだし」と答えたら「フィドルのスペアがあるよ」と、ぽんと渡されて、びっくり。

 生まれて始めてさわる楽器で、どこをどう持っていいのやら。
 すごいフィドラー、たくさん見てるけど、見るのと実際に楽器を持つのでは、大ちがいです。

 ちょうど、彼女の家に行く前々日に、レイトリムでふたたびマーティン・ヘイズのライヴを観たばかり。その直後にフィドルを弾くなんて、なんと大それたこと。

 まず、初めて持つ、ボウの握り方でひと苦労。友人まで混乱して、ふたりして、なんでできないかな、と悩むほど。あ、こうか。と理解できれば、たいしたことないのですけどね。初めて覚えることって、すごく楽しい。覚えてしまえば驚くほど簡単なことが、できないショックがまた面白い。

 しかし、友人の貸してくれたフィドル、初心者(以下)にはもったいないくらい、いい音色のする楽器で、ちゃんと音が出せたときは、感動しました。

 最初に、いい楽器を持たせてもらったのが幸いだったなー。
 で、ドレミファソラシドがなんとか弾けるようになり、すごく簡単なチューンをひとつ教わり、もうすっかりフィドルのとりこ。

 中国製のフィドルなら、100ユーロくらいで買えるはずと聞いて、ダブリンの楽器店ウォルトンズに向かいました。

 ケースも含めて、90ユーロぽっきり。うっそー、ヴァイオリンでしょう??
 友人から、中国製の安い楽器でも弾きこめば、そこそこ、まあまあの楽器になるよと言われて、せっせとおんなじチューンを繰り返している今日この頃です。

 「楽器はやらないの?」と今まで何度聞かれたことか。そのたびに「いいえ」と答えるむなしさ。ようやく言えるわ「ええ、フィドルを少々」。

 昨日できなかったことが、今日少しできるように・・っている、ちょびっとずつの変化を楽しむなんて、すっかり忘れていたかも。

 気の毒なのは、回りかな。ヴァイオリンて繊細な音と思っていたけれど、案外大きな音のする楽器で、ニューブリッジの家で弾くのも、ちょいはばかられるくらい。

 でも、友人から「こそっと小さい音で弾いたりしないほうがいいよ」とくぎをさされるまでもなく、大きな音で弾かないとつまらないの。

 「サリーガーデン」はつまづかずに弾けるようになりました。
 いつか、セシューン・デビューがしたい!と、夢は大きく。

PS.ICTダブリンオフィスのMちゃんが、フィドルの大先輩であることが判明。マーティン・ヘイズのワークショップにも参加したことがあるのですって! フィドル&音楽の話は、またおって書きますね。
おそまきながら、わたしもようやく伝統音楽に目覚めました。


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