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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ジグ」

2010-02-22 01:05:29 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 お彼岸が近いからというわけでもないのですが、変わったタイトルのチューンを習いました。

本日のお題とは、まったく関係なく、バナナのサンドウィッチです。ときどき食べたくなるの。B&Bのおかみ、アンジェラの十八番で。これはわたしバージョン。ココアにお砂糖を加えてお湯でといたチョコシロップがけ。お菓子のようなサンボになりました。
 “I buried my wife and danced on top of her grave”

 ジグといって、アイルランドの伝統音楽で、すごくポピュラーなリズムの、軽快なチューンです。

 こんなシリアスなタイトルなのに、軽快な曲・・。不思議です。

 悲しいことも、踊って吹き飛ばそうという前向きさなのか、埋めた奥さんのこと、もう好きじゃなくなってたのか・・って、これもまたシュールですよねぇ。たぶん、前者。

 日本のお墓とちがって、土を掘り起こし、棺をおさめたあと、かけた土はこんもりと小山になっていて、踏み固めないといけなかったのでしょう。雨でくずれちゃいますから。

 誰かに踏まれるのはいやでしょうし、ご主人が踊りながら、踏み固めていったのかな。

 やっぱり悲しい図ですよね。

 チューンには、3連符の流れるような部分と、タタタ、タタタとステップを踏みたくなる部分が交錯します。

 ちょうど、亡き奥さんとワルツを踊るようなところと、土を踏みかためる場面が、かわるがわる出てくる感じ。弾いていると、ああ、墓を踏み固めている・・と思うところがあって。

 チューンの解釈を誰かに聞いたわけではないので、あくまで、わたしの感じたままです。

 自分で弾くと、耳元で響くフィドルの音が、身体中に共鳴していって、いつしか自分が音楽のなかにいるという不思議な感覚になるの。

 まだまだまだ、技術的に、感じたようになんか弾けやしないのだけど。それでも、昨日できなかったことが、次の日にできるようになるっていうのが、すごく楽しい。

 まだ、できないことのほうが多い・・っていうか、一生できないかもしれないけど、少しずつでも、こう弾きたいというところに近づいていく過程が、めちゃめちゃ楽しいです。
 
 お墓といえば、グラスネヴィンの大きな墓地の近くに、墓堀人が集うようなパブがありました。

 バブルがきて、きっとなくなっちゃっただろうなと思っていたら、数年前に旅行した方から「行きました」って聞いて、嬉しくなりました。

 うす暗くて、ほこりっぽいバーでしたが、93年頃かな、よく友人たちと出かけて、ダーツなんかやりましたっけ。あの当時でも、ダブリンではちょっと珍しいくらいアンティークなパブでしたが、今はどうなっているんだろう。

 ああ、そろそろアイルランドに行きたくなってきた。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「Seaweed Kitchen」

2010-02-15 23:27:50 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 海藻料理本の著者プラニーのホームページが始まっています。
 一度のぞいてみてください。わたしが、スライゴーで岩海苔とってる写真、けっこう笑えます。

www.prannie.com

 ギャラリーというところをクリックすると出てきます。 
 この写真は、海藻料理本「The Seaweed Kitchen」に使われていて、おまけにアイルランドのグルメ雑誌「FOOD&WINE MAGAZINE」のクリスマス号にも大きく掲載されたのだそう。びっくり。

 アイルランドにいる日本人で、岩海苔とった人は、そう多くないって思います・笑

 本も、ようやくわたしの手元に届きました。
写真は、UKで活躍しているフォトグラファーがけっこうたくさん撮っていて、わたしのは3割~4割くらいって感じかな。彼のテイストが強い分、今どきのヨーロッパの料理本って感じ。そこに参加できたのはいい記念になりました。

 辞書みたいに分厚い本で、内容も濃いです。
 プラニーのHPで、直接注文もできるので、ぜひ!まだ日本上陸まで、時間がかかると思いますから。

 もうひとつのお知らせは、フィドルノワークショップ。
 去年、初めて東京でフィドルを教えていただいたのは、友人から紹介されたTAMIKO先生のクラスでした。

 ちょうど個人レッスンを始められたところで、わたしのようにときどきアイルランドに出かけてしまうと、レギュラーでずっと通うのがむずかしいので、願ってもない「イレギュラーのレッスン」をしてくださるとのこと、すぐさま通い始めました。

 アイルランドでは、ボウ(弓)の持ち方などは、おおざっぱにしか教えてくれないけれど(みんな持ち方もばらばらだし)、TAMIKO先生は懇切ていねいに教えてくださるの。(この間書いた、田村先生もです!基礎を習うなら日本で、のほうがいいように思えます)

 TAMIKO先生のフィドルは、ロンドン仕込み。ヴァイオリンからフィドルヘ転向されたのですが、ロンドンでの師匠ピート・クーパー先生が、3月末に来日してワークショップを開催するそう。わたしも行きたい~と思っているところ。家の事情が許せば、ぜひに。

 それに、ピート先生のフィドル教則本(アイルランドの伝統音楽を集めた、素晴らしいチューン集です)の日本語訳バージョンも出版されると聞いています。

 日本で初めてのフィドル教則本で、これから始めたい人にも、すでに習っている人にも、すごい役立つはず。

 アイルランドで買った教則本、わたしも持っていますが、やはり現地の人でないとわからない点にでっくわします。そのへんをTAMIKO先生が、かみ砕いて訳してくださっているから早く読みたい!

 これらの情報は、TAMIKO先生が主宰するTOKYO FIDDLE CLUBのHPで。

www.geocities.jp/fiddletamiko/

 ・・・と、今回はお知らせ特集でした~

 写真はプラニーのHPでご覧いただくことにして、今回は失礼いたします~
 追伸・コメントをくださった「みー」さん、ありがとう!ファンって言ってくださるのは嬉しいです。

 新著の原稿、ぼちぼち締め切り近づいてラストスパートなのですが、よっしゃ!がんばろって気分にさせてもらえます。ではまた来週!


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「オムレツ」

2010-02-08 00:37:57 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 そういえば、アイルランドでオムレツって、さほどポピュラーではない気がします。

ダブリンのゲストハウス「ナンバー31」で食べたオムレツ。きれいでしょう?チーズがふんだんに入っていて、すごくお腹いっぱいになった。
ほとんど野菜の卵とじ。できあがりは、ご想像におまかせします。味はグーよ。
 ポピュラーじゃないって、言い切ってしまうと、ちょっと語弊があるかもしれませんが。

 でも、たとえばB&Bのような宿に泊まるとき、朝食の卵料理といえば、まず目玉焼き。スクランブルエッグはたいていチョイスとしてあるけれど、あとはゆで卵くらい。

 ゲストハウスやホテルなどに泊まると、ようやくポーチドエッグやオムレツが朝食メニューに登場します。以前にも書きましたが、ポーチドエッグはつくるのに多少ワザが要るし、そもそもポーチドエッグの醍醐味である「半熟」感を好まない人も多いように感じています。

 そして、オムレツ。
 アイルランドで、ふつうにスーパーなどで買う卵は、サイズにMやLなどがあるものの、総じて小ぶりだし、黄身も小さく、黄身の色も白っぽくて力ない。これでは、おいしそうなオムレツはつくれませんよね。

 寒い国で、鶏卵は贅沢な食材です。ポルトガルに行ったときに、初めて実感したものです。ああ、卵って南の方でたくさんとれるものなんだって。

 東京にいると、卵って、いつでもどこでも買えるでしょう?旬があったり、地域差があるなんて考えもしなかった。

 そういえば、日本でも九州では、鶏卵をふんだんに使ったお料理が多いですよね?交流の多かった南蛮の影響もあるでしょうけど、南蛮の船が北海道に来たとしたら、料理における交流は進みにくかったかも。

 ま、きっと寒くて、すぐ出て行っちゃったでしょうしね。だいたい外から来る人たちは、自分の国に似た気候の場所で落ち着くもんですしね。

 で、アイルランドの卵。貴重品であったことは、この時期、レントの前のパンケーキ・チューズデーがひとつの証といえます。

 キリスト教のならわしですが、冬になる前に集めた卵を使いきるのが目的ではなかったかと、わたしはひそかに思っています。ふたたび鶏たちが卵をじゃんじゃん産み始める春も近く、ときに暖かい日もある2月、残っていた卵でお腹をこわすことも心配だったのでしょう。キリストさま、食育もなさるのね。
 
 鮮やかな黄色の、ふくふくとしたオムレツは、卵もたくさん使わないとつくれないので、贅沢なごちそうだったのだと、最近ようやく気づいた次第で。

 いい卵を手に入れたとき、野菜をたくさん入れて大きなオムレツをつくることがあります。

 コレステロール値が気になりますけど、毎日コンスタントに食べるのより、ときどきがばって食べるほうが、摂取する量が少ないと何かで読んだことがあり、ほんとうかどうかは別にして(ほんとだと思うけど)言い訳にさせてもらって。
 
 野菜が不足したなと思った今朝、小さなタマネギ1個、マッシュルーム1パック、ほうれん草半束(ゆでてあったもの)、プチトマト5個をさっと炒めて、オムレツにしました。

 卵は牛乳とハチミツを少し加え、パセリをふんだんにまぜまして。
卵2個だと、包めませんね。ほとんど卵とじ。でも、これだけの野菜を手早く調理できて、お腹にもやさしく、オムレツは重宝です。

 そういえば、アイルランドではカフェのメニューにオムレツがあるな。
朝食ではなく、お昼に食べるのか。確かに豊かな料理ですもんね。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「巨大パンケーキ」

2010-02-01 19:14:04 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
  仕事がオフの日を見計らってマークに電話をするのですが、たまに夕方までつかまらないときも。

巨大パンケーキ。中身はドライドトマトとたっぷりチーズ。
 「ごめん、ごめん。天気が回復したので、散歩に行ってた」ということが、しばしば。お腹をひっこめるために、けっこう遠くまでウォーキングをしているようです。

 「でも帰りに、リバーバンクのカフェでケーキ食べちゃった。順番が逆だよねぇ。歩いてもなんの意味もない」と、後悔モード。

 リバーバンクはニューブリッジにあるアーツセンターで、そこのカフェは、以前書いた”カップケーキ・カフェ」のことです。

 マーク、けっこう立ち寄ってるらしい。ふっと立ち寄りたくなる店なの。
 メインストリートから、正面入り口まで階段があって、少し高い場所にカフェは位置しており、通りを見下ろす感じで、ちょい見飽きた町も新鮮に見えるし。
 なにより、お料理おいしいし。

 その日、マークはプレッド・プディングを食べたのだとか。
 パン・プディング。これも以前に書きましたが、そんときは「レトロなデザートになりつつあり、レストランなどではお目にかからない」みたいなこと書きましたが、待てよ、最近リバイバルしてないか?と思い始めています。

 去年の夏の滞在時、食べないくせに、とりあえず見るデザートメニューの中に、バター&ブレッド・プディングの文字を少なからず見かけたように思います。

 冬、あたたかいデザートとしては重宝だし、家でつくる人が減っているのかもしれないし。

 リバーバンクで、巨大なパンケーキを食べました。外はガレット風にぱりぱりで、具をたくさん包み込んだオリジナル。巨大だけど、さっくりといただけちゃいました。

 ああ、いいな。食べに行きたくなっちゃった。
 朝、新聞を買いに行きがてら、マークとコーヒー飲みに寄ったりしたっけ。
 
 今年の東京の冬は、なかなかまじめに寒いけど、きーんと空気の冷えた朝は、アイルランドのことを思い出します。

 でもやっぱり、アイルランドの方が寒いな。
 マークの口ぐせ「頭から体温の70パーセントが逃げる」ほんとか?そのひとことのおかげで、ニット・キャップをかぶるのは習慣になっています。

 今年、寒いといいながらもまだ綿ニットのキャップをかぶっていて、けっこうそれで充分あたたかかったりするけど、アイルランドでは同じキャップ、10月に入ると頭にスースー冷たい風が吹き抜けて、だめだったのに。

 とりとめのない話題で、すんません。新著の原稿書きで、頭がちょいオーバーヒート。
 ビールのせいって気もするけど・・・


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