アイルランド生活ブログ - 生活・料理・留学の情報満載 -

アイルランド在住者(精通者)によるアイルランド生活の情報を発信中!!

松井ゆみ子のアイルランド日記「Vol.5/BRAY」

2005-10-31 08:04:52 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
ダブリン郊外の海沿いの町 BRAY
 ブレイの町に行ったのは何年ぶりだろう? ダブリンから郊外を結ぶ電車DARTで行ける海沿いの町は、イングランドのブライトンをこじんまりとさせたような場所だ。初めて行ったのは91年の冬で、夏はにぎわうはずの観光地は、閑散としていて、あたたかい紅茶1杯飲むのに苦労するほどだった。それが今は、おしゃれなカフェやブティックが並び活気にあふれている。古着を扱う店でさえ、近所の生活レベルを表すかのように、センスのいい上等品が目立つ。

 この日ブレイに行ったのは、近年新しくできたマーメイドというアートセンターでコンサートを観るためだ。アイルランドで著名なホイッスル奏者コーマック・ブレナックとは5年ほど前に友人のマーティンを介して知り合った。ティン・ホイッスルはアイルランドの伝統楽器のひとつだが、彼はロウ・ホイッスルといって、少し長めのたて笛のスペシャリストでもある。フルートに似た、情感のある優美な音を奏でる楽器だ。マーティンはギターリストで、ロックからアコースティックまで演奏するが、ベースはジャズだ。

 彼と最初に会ったのは、ダブリンにある写真クラブのレクチャーで、もう10年以上前になる。まだ、ほとんど英語の話せなかった私が、アイルランドで写真を撮り始めたばかりの頃だ。音楽が好きという共通項でコミュニケーションは成り立ち、彼がパブで演奏するときに誘ってもらったりしていた。

 彼とは不思議な縁で、その後連絡が途絶えることもあったのだが、思わぬ場所で、ふいと出会う。日帰りで出かけたコークの町中で、たまたま里帰りしていた彼と、何年ぶりかでばったり会ったこともある。

 コーマックを紹介してくれた日も、そんな偶然からだった。これも、たまたま立ち寄ったパブで、コーマックが新しいアルバムの発売記念ライブを行なっていたのだ。コーマックの名前はすでに知っていたので、へぇ、ラッキーとライブを観ていたらギターを弾いているのがマーティンで、またびっくり。

 ブレイでのコンサートも、相棒のマークがラジオで聞いた情報だった。コーマックは伝統音楽を基調にしつつコンテンポラリーな味つけをするので、ジャズのテイストを持ったマーティンのギターとの相性はぴったりだ。アメリカでのライブ・ツアーが成功したというのも、おおいにうなづける。

 マーメイド・シアターでのコンサートには、コーマックとマーティンの他にもうひとりユニークなゲストが参加した。ピアニストのロジャー・ドイルだ。映画やテレビなど映像に合わせた音楽の作曲家としても知られる。

 それぞれの演奏の後、三者のセッションが行われたのだが、実に興味深いミクスチャーで、心底楽しめた。シンセサイザーの神秘的な音を背景に、伝統楽器のあたたかい響きが流れ、そこに意外なほど気持ちよく絡むのが、エレクトリック・ギターだ。演奏者たちも存分に楽しんだようで、素敵なひとときに同席させてもらった感じだ。

 マーメイドには、シアターの他にギャラリーと映画館が併設されており、ラインアップも優れている。幕間にワインも楽しめるし大人向けのスポットに思えたが、同時にこども向けの演目もあり、バランスがとれている。

 ブレイは、ダブリンからの日帰りお出かけには重宝な場所なので、お試しを。海岸沿いにホテルもあるので、ここに泊まって翌日はウィックロウに、というのもよさそう。


MERMAID COUNTY WICKLOW ARTS CENTER
Main Street,Bray,Co Wicklow
メインストリートからは少しはずれ、バンク・オブ・アイルランドのすぐ横の建物。
URL:http://www.mermaidartscentre.ie/


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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.1/新学期始まる!(前編)」

2005-10-28 06:05:20 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
 ボーダレスや国際化と呼ばれる今日、世界中の物や情報が身近になり、あらゆる方面で英語の需要が高まっていることは否めません。海外に留学をする人も年々増加し、今では高校生の留学も珍しくありません。

 この「アイルランド・ハイスクール・ダイアリー」ブログは、ICT(アイルランド留学センター)を通じてアイルランドの高校に留学している高校生の留学生活レポートです!

 ICTはアイルランド旅行・留学を専門に扱っている会社です。過去十数年に渡り、高校生のアイルランド留学に関して、渡航前のカウンセリングや学校選択についてのアドバイス、その他留学に関する相談や現地サポートなどを行っています。

 高校時代の3年間とは、ちょうど子ども時代を抜け出して大人になろうという時期。将来の進路を考える上でも、いろんな刺激や影響を受ける大事な時期です。様々な人と出会い、たくさんの本を読み、いろいろな経験をして、自分の興味や能力について考える大切な期間でもあります。

 このような子どもから大人への過渡期を、親元から離れて単身留学するということはとても勇気のいることです。でも、目的意識とやる気を持った高校留学生は、大きなものを得ることができるでしょう!

 「高校生」といういわゆる多感な“青春時代”を、アイルランドで留学する子どもたちは、何に出会って、何を感じて、つかみ取っているのでしょう?

 このブログでは、彼らの留学生活が垣間見えるような内容を更新していきたいと思います。もちろん、現地で留学中の子どもたちのナマの声も、ドシドシ掲載していく予定です。このブログが、海外留学を志す中学生、高校生、そのご両親、また大人の留学生まで、少しでも疑問に答え、勇気づけられれば、と思います!

 読者の皆さまの高校留学への疑問なども、現地の高校生からのアドバイスをお願いしようと思っています。

 さて第1回目は、現地より新学期の様子をリポートします。アイルランドの新学期は8月の最終週から9月の第一週にかけて。3ヶ月という長い長い夏休みもあけて、日本からICTの高校留学生たちが2年目、3年目へ向けて、続々とアイルランドに帰ってきました。

 新入生も英語学校での語学研修を終え、それぞれの高校に通うためにホストファミリーを引っ越したり、寮に移ったり、新たなスタートの時期です。

 今年度のICTの高校留学生の数は15人。共学校・女子校・寮制高校など併せて5校で、15~19歳の子どもたちがアイルランドの高校生と肩を並べて勉強をしています。

 今年から新しく新入生としてスタートする子どもたちと一緒に、ICT現地スタッフの私も各学校の初日に参加してきました。

*    *    *    *    *    *    *    *

【8/25】
St. Andrew's College正門前。
 ダブリンはもう初秋。晴れているけど風が冷たく、アイルランドらしいお天気雨。この日はSt. Andrew's Collegeの4年生(高校一年生)に入学したYちゃんの新入生オリエンテーション。英語研修で4月からダブリン入りしていたYちゃんは、いつもオフィスに私服で遊びに来ていましたが、この日は初の制服姿でちょっと大人になったように見えました・・・日本の女子高生式にスカートを折って短めにしてたけど(笑)。

 オリエンテーションでは、新入生担当の先生、進路指導の先生、外国人向けの英語クラスの先生、また学年ごとの主任の先生、担任の先生など、困った時にどの先生に相談したらいいかご紹介がありました。“Head Boy”と呼ばれる生徒代表の生徒からも歓迎の挨拶がありました。

 「最初は僕は人前で話ができるような人ではありませんでした。でも、MUN(Model United Nation[模擬国連])を通して、人前で発表することを経験し、今では生徒代表としてみんなの前でお話できるようになりました」

 内気な少年も、学校のアクティビティを通じて成長したんだなぁ。その後、新入生は在校生に学校内をツアーしてもらいました。お土産にAndrew's印のノートももらった!

女の子たちがホッケーの練習をしていました。ホッケーはアイルランドの学校では人気スポーツの ようです。
 子どもたちが学校ツアーの間、保護者は食堂でティータイム。他の新入生のお母様方とお話しました。「日本からみんな一人で留学に来るの?あんなに遠い国なのに、とても勇気があるわね!」とみんな感嘆の様子でした。。本当にそう思う。

 St. Andrew'sはとてもインターナショナルな学校で、日本人の学生向けに日本語のインフォメーション・ペーパーが用意されていました。St. Andrew'sは黒の革靴着用ですが、ダブリンで買った靴が合わず、「足が痛いよぉ」とYちゃんはかかとを踏んで帰りました。

教訓:靴は日本から自分の足に合ったものを持ってこよう!


【8/29】
日本の学校にちょっと造りが似ています。
 ダブリン南部のKillineyは海沿いの高級住宅地(U2のボノも住んでいるらしい)。南にウィックロウ・マウンテンを臨むこの地にあるのがHoly Child Schoolという女子高。ここの高校一年生に入学したAちゃんの始業式がありました。

 「全身緑なんですよー。。」と制服にはやや不満気味。たしかにセーターも緑、スカートも緑、ソックスも緑、シャツも緑のストライプ、くどいぐらい緑・・・でもグリーンはアイルランドのナショナル・カラーです!「カエルみたい。。」

学校の近くから眺めるKillineyビーチ!
 学校は女の子たちがクラスを出入りしたり、荷物を運んだり、元気な声であふれていました。特に始業式やオリエンテーションといった式はなく、各自クラスに集まって先生からお話を聞きました。Aちゃんはクラスがわからないので、まずレセプションで担任の先生をご紹介いただきました。「後は任せてください」と先生がAちゃんをクラスに連れて行ってくれました。


【8/30】
緑に囲まれたDGS校舎。
 ダブリンから北へ電車で1時間。“タラの丘”や“ニューグレンジ”といった、アイルランドの古代遺跡で有名な街ドロヘダにあるDrogheda Grammar School(略してDGS)には、今年TくんとHちゃんの二人が高校一年生に入学します。
DGSの留学生は寮にステイします。この日は寮生の入寮日でした。

 重い荷物を引きずって学校に着くと、校長先生自らが校内にある寮の部屋の振り分けをしていました。お布団、シーツ、まくらなども振り分けられました。

学校の敷地内にある寮。
 Tくんは荷物を開いてタンスにしまう一方、Hちゃんは荷物も開かず、ひたすら寮内をぶらぶら。DGSの寮は部屋と部屋がつながっているという変な造りで、部屋から部屋へ、女子寮から男子寮へ渡り歩いていました。(注:男子寮・女子寮は普段は行き来できません!!)

 二人を手伝ってベッド・メイキングも完了! 寮にはカルチュラル・スタディーの一環として日本語を教えている若い日本人の男の先生が住み込みだそうで、二人にもいろいろ話をしてくれました。これからの寮生活のお兄さん的存在です。ネクタイの結び方はお兄さんに習ってくださーい。

 まだ食堂が開いていないため、学校のスタッフがピザを注文してくれました。「もう帰っちゃうの?」という二人に引き止められて、他の寮生やスタッフと一緒にピザとチップスを食べました。到着したばかりのドイツ人の女の子は、日本のファッション雑誌を面白そうに眺めていました。その反応にみんなで大笑い。(日本の雑誌は西洋と逆から読むし、縦書きなのが西洋人にはカルチャー・ショック。微妙にちりばめられた英語がおかしかったみたい)

■後編の記事はコチラから>>>
新学期始まる!(後編)(2005/11/4)


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スーベニアハンター「FILE_3:BOOK OF KELLS編」

2005-10-26 07:17:38 | スーベニアハンター
 こんにちは。日夜アイルランドのお土産を研究しているスーベニアハンターブログです。ハロウィンまで残り1週間を切り、街もハロウィン一色に染まりつつあります。

 今週のスーベニアハンターは、ハロウィン特集! …、といきたいところでしたが、ハロウィングッズは『アイルランド特有のお土産になりにくい』との理由でテーマとして却下されてしまいました。アイルランドのハロウィンについては松井ゆみ子さんのブログで紹介されているので、ぜひそちらをご覧ください。

 そんなわけでスーベニアハンターは通常営業です。さて、本日のスーベニアハンターは、アイルランドの至宝「BOOK OF KELLS(ケルズの書)」が所蔵されている、トリニティ・カレッジの旧図書館が舞台です。

 このトリニティ・カレッジですが、アイルランドのみならずヨーロッパの中でも最も古い歴史を誇る大学であり、かのエリザベス一世がケンブリッジ大学を範として1592年に創設した大学です。

 大学内に併設された図書館にはケルト三大写本のひとつといわれている「BOOK OF KELLS」を含め、約300万冊もの蔵書を抱えているため、ヨーロッパ内においても重要な図書館の一つとして数えられています。

 「BOOK OF KELLS」は、4つの福音書(「マタイ伝」「マルコ伝」「ルカ伝」「ヨハネ伝」)からなる手書きの装飾写本で、西欧美術の至宝でもあります。特徴的な渦巻き模様に始まるケルトデザインの源流が、「BOOK OF KELLS」にあるといっても過言ではないでしょう。

 …。他人の言葉を借りて説明しているようで疲れてしまいましたが、「BOOK OF KELLS」はとにかくプライスレスな名宝なのです。

 そして、この名宝を見ることのできる旧図書館の1階に、今回のスーベニア発掘ポイントであるグッズショップがあります。


今回の発掘ポイントはアイルランドの至宝の目の前。

 店内を見渡すと…、たくさんあります、お土産グッズ! これは攻略しがいがありそうです。(※注:このブログでは一部のお土産しか紹介していません。執筆者の好みにより偏ったお土産を紹介していることがありますが、実際はこのブログで紹介している以上のお土産がたくさん売っています。予めご了承ください)

 まずはスーベニアの定番、Tシャツです。これは「BOOK OF KELLS」関連ではなく、トリニティ・カレッジ仕様のものでした。お値段は1枚約15€。それから念のため、左側の「TCD」TシャツはTrinity College,Dublinの略です。特に何のひねりもないです。


T e C on D o(テコンドー)の略だったりはしない。

 お次はケルトデザインが素敵なネクタイです。神々しさを増すには持ってこいのアイテム。威厳が増します。もしこのネクタイを着けると、多分、下記のような展開が…。

「やぁ、Tくん。おはよう」
「あ、課長、おはようございます…。(今日の課長は何か違うなぁ…)」
「ん、何? 何じっと見てるの?」
「え!? い、いえ、その…、今日の課長が何となく神々しくに見えたもので…」
「あ、そう!? やっぱり、分かっちゃう!?」
みたいな会話が………、絶対ないですね、すみません。


神秘的な雰囲気を出したいあなたのネクタイはこれで決まり!

 次の商品は大学にふさわしく、ふで箱です。シンプルなシルエットとビビットな色使い、ワンポイントのトリニティカレッジ校舎マーク(左側の長方形がそれ)が光る一品です。さらにペンシル類を入れる場所とは別に、小物を入れるための小さなポケット(右側)がついてます。お値段は約2.5€。高すぎず、安すぎず、絶妙な値段…。


無駄を省いたシンプルなデザインが好まれる時代ですから。

 続けて文房具第2弾、「BOOK OF KELLS」消しゴムです。ちなみにこの消しゴムにプリントされているのはケルズの書に登場する動物です。個人的な疑問なのですが、消しゴムって消耗品なのになぜお土産にしてしまうんでしょう…。使うなってことなんでしょうか…。


お土産にもらった消しゴムでも意外と使ってしまう罠。

 さらに文房具第3弾、トリニティ・カレッジ色鉛筆です。私の前述の疑問は深まるばかりです…。それでも、色鉛筆は全部使い切ることがないので、消しゴムよりは理解ができます…。


色鉛筆を全部使い切ったという強者に会いたい。

 お次はパソコン文化が浸透した日本の皆さまにピッタリの「BOOK OF KELLS」仕様のマウスパッドとスクリーンセイバーのセットです。新宿のヨドバ○とか行っても買えないと思いますよ(多分)。


もちろんアイルランドにはヨドバ○もビッ○もありません(悲)

 そして、デザイナー必見のケルトアイテム、「BOOK OF KELLS」仕様のフォントをどうぞ。写真はパッケージだけなので分かりにくいのですが、ケルト文字風のアルファベット書体が2つ(ROUNDとSQUARE)とケルズの書で使われているようなケルト模様のアイコンが含まれています。あれですよ? 秋葉原のヨドバ○とか…行けば買えるのかな…。


実はこのフォント、インターネットで購入できます。(ページ下部リンク参照)


■P22 KELLS FONT
http://www.p22.com/products/kells.html

 まだまだ、あります! というわけで、ここからは写真と1行コメントでドドドッとご紹介します。

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実はきれいなブローチなんかも売ってます。
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こちらはカラフルなケルト模様の薬入れ。
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同じくケルト模様が刻まれたペン。
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なぜかTCDのチョコレート…。
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本皮仕様・ケルト本カバー!
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本カバーとセットにしおりもどうぞ。
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BOOK OF KELLSのトートバックはレア!?
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トリライターは3つの着火点を持ちます。

 今回ご紹介したお土産以外にも、たくさんのグッズがショップに並んでいました。下記のURLからグッズを見ることもできます。「BOOK OF KELLS」を見に行く際は、ぜひお土産探しも楽しんでください!

■Library Shop - Trinity College Dublin
http://www.tcd.ie/Library/Shop/


【トリニティ・カレッジ 旧図書館 所在地情報】
Trinity College内, College Green, Dublin 2
(トリニティ・カレッジの中にありますが、観光客は自由に出入りできます)
Tel:+353 (1) 608 1661
Tel:+353 (1) 608 3774
URL:http://www.tcd.ie/Library/

[開館時間]
9.30am-17.00pm(MON-SAT)
May to September / 9.30am-16.30pm(SUN)
October to April / 12.00am-16.30pm(SUN)
※休館:クリスマス前後10日

[入場料]
Adults €7.50
Students/Senior Citizens €6.50
他 子供料金、家族割引、グループ割引など有り


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松井ゆみ子のアイルランド日記「Vol.4/ケルトの祝日ハロウィン」

2005-10-24 07:59:35 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
モンキーナッツとバーン・ブラック
 日本でもすっかりおなじみになったハロウィンのお祭りが、アイルランド人の先祖ケルト民族の祝日であることは、だいぶ知られてきたのだろうか。この国にセント・パトリックがキリスト教を伝える前、ケルトたちの暦では11月1日が新年の始まりだった。自然を崇拝した彼らの1年は、畑のリズムを基本にしている。秋の収穫を終えた10月31日、その年を終える。ハロウィンは、そのお祭りだ。

 欠かせないのはナッツ類。モンキー・ナッツとよばれるカラつきのピーナッツなどの木の実は、収穫時の象徴とされる。今でこそ、この時期八百屋さんで見かけることができるが、元々アイルランドではかぼちゃを食べる習慣はなく、これはアメリカから返ってきた発想なのだろう。

 ケルトたちの主食ポリッジ(オート麦のお粥)に、無事に収穫を終えた祝いの意味で、木の実や干した果物を入れたのが、のちのクリスマス・プディングに発展していったようだ。その原形ともいえるようなフルーツケーキ、バーン・ブラック。この国では珍しくイーストを使ったパンに近いケーキで、焼くときに結婚指輪をしのばせて誰にあたるかで将来を占ったりするところが、見えない力を信じるケルトらしさだ。これがまた後に、ウエディングケーキの原形になったのでは? と、最近思い当たったのだが、真相はどうなのだろう。それはともかく、バーンブラックは、つくるのが少々やっかいなため、みなさんお店で買うようで、スーパーマーケットでは今、大セールス中だ。

 もうひとつハロウィンの伝統的料理にコルカノンがある。こちらは簡単。ケールというキャベツの一種で、かの青汁の原料でもある濃い緑葉をくたくたに茹でて、マッシュポテトにまぜたもの。スカリオン(わけぎ)をきざんで加える。ポイントは、たっぷりのバターと牛乳でリッチに仕上げること。

 ハロウィンの夜、ボーン・ファイアとよばれる大きな焚き火も伝統だ。いつから始まったのだろう、花火もさかんで、これは中国からきたアイディアなのかしら? 新年を迎えるにあたって、大地から甦ってLIVELYになっちゃう魂たちを、悪さしちゃダメよーと、なだめたり、おどかしたり。

 「お菓子くれないと、悪さしちゃうぞー」と家々を回る、今どきのこどもたちを満足させるのは、すでにモンキーナッツではなく、ユーロ硬貨になってしまった。

 それでもこの季節、収穫を祝う日があるのは、農業国に暮らす者にとって、素晴らしい感覚なのである。


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スーベニアハンター「FILE_2:GUINNESS STORE HOUSE後編」

2005-10-19 05:57:19 | スーベニアハンター
 こんにちは! アイルランドのお土産を追いかける「スーベニアハンター」です。今回は前回の続き「GUINNESS STORE HOUSE後編」をお届けいたします。

■前編の記事はコチラから>>>
FILE_1:GUINNESS STORE HOUSE前編(2005/10/12)

 ギネスに関連する記事を書いておきながら最近「ハッ」と気がついたことがあります。何気なくダブリン市内の書店に入ったときのことです。私は店内で平積みされていたある本を発見しました。
 
 本の題名は「Guinness World Records 2006」。そう、あの世界記録の代名詞、ギネス記録です。後から調べて分かったのですが、あの発想は元々ギネスの社長が考えたことから「ギネス」という冠がついているらしいですね。点と点が結びついたようで、スッキリした気分になりました。

 さて前置きはこれくらいにして、今回は数あるギネスグッズの中から、ちょっと変わったものを紹介しようと思います。

 まずはギネス・ラジオのご紹介。これでラジオを聴くと、ギネスを無性に飲みたくなるのでしょう。きっと。しかし、なぜラジオなのでしょうか。誰か教えてください。


『ラジオ、プリーズ』ではなく『レイディオ、プリーズ』と発音しましょう。

 どんどんいきます! お次はギネス財布! これを持ってるとギネスを飲むためにしかお金を使わなくなります。きっと。この財布、素材がしっかりしていました。色もブラックなので、これは普通に使えそうですね。隅についているワンポイントのギネスマークがおしゃれです。


ギネスのクリームのような、滑らかなさわり心地です。

 はい、次は、出ましたよ「アドレス帳」。もうガンガンお友達のアドレスを書き込んじゃってください。ギネスが好きだったら、もう何でも買いだと思います。今持ってるアドレス帳から、これに乗り換えちゃってください。


鳥が表紙。まさにアドレス鳥(ちょう)の証し!…。

 お次は、紳士のスポーツが好きな御仁に、ギネスのゴルフボールとティーのセットです。会社勤めのかたにはうれしいグッズですね。上司や同僚、お父さんにプレゼントしてあげてください。ラウンドしたら、きっとギネス級のスコアが出るはずですよ! …。すみません、しゃれです…。


さすがのギネスもゴルフボールを黒色にはしなかった…。

 最後はギネスが含まれている食料品を2つご紹介いたします。まずはギネス・マスタード! あのギネスがソース界の大御所と夢のタッグを組んでしまいました。何でもお味のほうは癖もなく絶妙な風味らしいです。


マスタードとギネス…それは極上の組み合わせ…!?

 大トリを飾るのはミートマリネード with ギネスです。マリネードすら普段口にすることのない私にとって、その味は未知数です。できるならば永遠に未知のままにしておきたいくらいです。ギネス社の説明によると「wonderful flavor」とのこと。興味のあるかたはぜひお味を試してみてください。


マリネードとギネス。味の想像が…。

 今回紹介したお土産は下記のサイトでご覧いただくことができます。興味のあるかたはぜひ覗いてみてください。

■GUINNESS WebStore
http://www.guinnesswebstore.co.uk/

 以上、ちょっと変わったスーベニア in ギネス・ストア編でした!


【GUINNESS STORE HOUSE 所在地情報】
St James's Gate, Dublin 8
Tel:+353 (1) 408 4800
Fax:+353-1-408 4965
URL:http://www.guinness-storehouse.com/

[開館時間]
January to June / 9.30am-5.00pm(MON-SUN)
July and August / 9.30am-8.00pm(MON-SUN)

[入場料]
Adult €14.00
Student with ID over 18 €9.50
他 子供料金、家族割引など有り

⇒ギネス・ストアへの行き方はコチラのページから


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松井ゆみ子のアイルランド日記「Vol.3/アイルランドの競走馬」

2005-10-17 03:34:26 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
2005年9月レパーズタウン・レースコースにて。アイリッシュ・チャンピオンステークスで優勝したオラトリオ。
 先日、欧州競馬のシーズンをしめくくる大きなレース、凱旋門賞がフランスで開催され、アイルランドの馬ハリケーン・ランが1着になった。アイルランドのみならず世界でもトップクラスの厩舎バリードイルで調教された、今年のアイリッシュダービーの勝ち馬だ。

 アイルランドの馬は、ゆるやかな起伏の大地を駆け、石だらけの島をおおうミネラル分豊富な牧草を食べることで、欧州きっての強さを誇る。タフさが自慢で、速さはどうかと思われてきたが、アメリカ産の馬とかけ合わせることで、欠点を克服し、頑強で脚の速い馬が次々と登場してきた。

 若手調教師エイダン・オブライエンと、クレア出身でイギリスで活躍してきたトップジョッキーで今はバリードイル専属ジョッキーのキーラン・ファロンのチームは、こわいものなしの充実ぶりである。( ダブリン郊外のレパーズタウン・レースコースで行われたアイリッシュ・チャンピオンステークスでも彼らが優勝。詳しくはまもなく発売になる競馬雑誌「優駿」でご覧ください。写真は私が撮りました)

 隣町ネースを少しすぎたあたりに、ゴフズという競走馬のせり市場がある。誰でも気軽にのぞけるのが楽しい。しかし場内で、うっかりうなずいたり、鼻をかいたりすると、競売人への合図と間違われ、馬を買うハメになるかもしれないので要注意。

 血統のいい1歳馬のせり市で、たまたま売り手が私の横にいた。チャンピオン馬ガリレオ(名前がいいでしょ)の息子は、ぐんぐん値が上がり、売り手の興奮が伝わってくる。結果、95万ユーロで落札され、この日の最高値となった。バリードイル厩舎のメイン馬主が購入したらしく、来年にはデビュー戦が見られるはずで、どう成長するのか今からわくわくする。

 先に書いた凱旋門賞のハリケーン・ランは、怪物とよばれた強豪モンジューの産駒だ。モンジューは、やはり凱旋門賞で日本のエルコンドラ・パサーを2着に押さえて優勝したので記憶されている方もあるだろう。種馬になった彼らの現役時代を見てきた者にとって、そのこどもたちの活躍は新たな楽しみだ。

さて次週は、近づきつつあるハロウィンをテーマに、料理ネタも盛り込む予定です。


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スーベニアハンター「FILE_1:GUINNESS STORE HOUSE前編」

2005-10-12 01:06:00 | スーベニアハンター
 はじめまして、こんにちは。このブログでは「スーベニアハンター」というタイトルで、アイルランドのお土産(Souvenir・スーベニア)を独自の視点で紹介していきます。執筆は私、椿が担当します。⇒プロフィールはコチラ

 第1回目のターゲットは、アイルランドからその名を轟かす、アルコール界の黒い重鎮「GUINNESS」に関するスーベニアです。

 アイルランドと言えばPUB。PUBと言えばアルコール。そして、ここアイルランドでアルコールと言えばギネスです。このギネス、世界各国で愛飲されているそうです。なんでも毎日1000万杯のギネスを、どこぞの大酒飲みたちが飲み干しているというのですから驚きです。それだけの量があればギネス風呂はもちろん、ギネスプールとか体験できそうですね。でもギネスプールとかは黒すぎて少し気味が悪そうです。想像してみたら、映画の『黒い水』『ダークウォーター』を思い出してしまいました。あの黒い色がそっくり。(ギネス関係者のかた、スミマセン)

 さて、日本でもここ最近ギネスを飲めるお店が増えてきています。ギネスのドラフト缶もお手ごろな価格で入手できるようになってきました。日本に限らず世界中で飲まれているギネスの発祥の地がアイルランドです。

 そしてギネスの発祥の地であるアイルランド・ダブリンには、ギネスの歴史・製造工程などを見学できる「GUINNESS STORE HOUSE」(以下、ギネス・ストア)という人気アトラクションがあります。そして、今回のターゲットこそがギネス・ストアにあるスーベニアです!

⇒ギネス・ストアへの行き方はコチラのページから


「THE STORE」・・・強気なお店・・・。

 ターゲットはギネス・ストア1階の入場チケット売り場の脇にあります。外観はまるで洋服売り場のようです。表のガラス板に書いてある「THE STORE」ですが、直訳すると「店」ですよね? 強気なお土産ショップのようです。

 店内を物色すると…、ありました、お決まりの服系ギフト。やはり服系ギフトの中でもポピュラーなTシャツが売っていました。


びっしりと並ぶTシャツのディスプレイ。圧巻。

 私の個人的な意見ですが、Tシャツのお土産は非常にチョイスが難しいと考えています。自分でTシャツを選ぶのでさえ難しいのに、それをお土産としてもらうという、事の重大さを皆さんご理解いただけるでしょうか。

 たとえば…今は昔、原宿で有名人がこぞってお土産ショップを開店していた当時。コメディアンの似顔絵入りのTシャツをお土産としてもらった人の何人が、今も普段着として、そのTシャツを着ているというのでしょうか。とても悲しい話です。何が悲しいかって、そのTシャツを着て、誇らしげに友達に自慢していた自分が一番悲しいです…。

 話が逸れましたが、私の意見としては、Tシャツのお土産を買うときは、良いデザインのものを確認してから買ってもらいたいと思っています。その点からすると、ギネス・ストアのTシャツは種類が豊富で、なかなか良いデザインのものが目立ちます。Tシャツだけで十数種類。その他、スェットやジャンパー、ポロシャツなどの種類も豊富です。何といっても普段着として着れるデザインの服だということが、高ポイントです。


洋服品店じゃありません。お土産屋さんです。

 ネクタイも売っていました。モデルは友達のキムさんです。物理的に複数のネクタイをつけることが可能なファッション、襟つき服の重ね着をしています。『いつでもネクタイを試着できるように』との考えがあったのでしょうか。しかし、結局彼は1本もネクタイを買いませんでした。単純に襟つきの服が好きなのでしょう。


笑顔が素敵なキムさん。ネクタイもお似合いです。

 次は私の一番のお勧め『ギネス・グラス』です。写真は1パイント(約568ml)グラスが2つ入っているセット(7€)です。


ギネスのグラスがボウリングのピンのように山積み。
でもボウリングしちゃダメです。売り物ですから。

 アイルランドのパブでギネスを頼むと、たいていこのギネスのロゴ入りグラスにギネスを注いでもらえます。この雰囲気が家庭で楽しめるのです。もちろん中身はビールじゃなくて、缶ギネスを入れましょう。『ギネス・グラス』と缶ギネスをセットでお土産として渡すのもいいかもしれません。ちなみにこの『ギネス・グラス』、とてもポピュラーなお土産なので、どこのお土産ショップに行っても買えます。

 今回はひとまずここまで。まだまだギネス・ストアのスーベニアは盛りだくさんです。次回はちょっと変わったギネス・グッズをご紹介します。それではまた!

■後編の記事はコチラから>>>
FILE_2_GUINNESS STORE HOUSE後編(2005/10/19)


【GUINNESS STORE HOUSE 所在地情報】
St James's Gate, Dublin 8
Tel:+353 (1) 408 4800
Fax:+353-1-408 4965
URL:http://www.guinness-storehouse.com/

[開館時間]
January to June / 9.30am-5.00pm(MON-SUN)
July and August / 9.30am-8.00pm(MON-SUN)

[入場料]
Adult €14.00
Student with ID over 18 €9.50
他 子供料金、家族割引など有り


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松井ゆみ子のアイルランド日記「Vol.2/リバーダンスのメンバーに会う」

2005-10-10 01:29:43 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 ちょうど来日公演が始まった頃かしら?

「リバーダンス」は必見!
 今年10周年を迎えたアイルランドのダンス・プロジェクト「リバーダンス」を取材する機会があった。不思議な縁といったら大げさかもしれないが、たまたま知人が誘ってくれて、リバーダンスの初公演のおまけに初日をダブリンのポイント・シアターで観ている。主演ダンサーは、マイケル・フラッタリーとジーン・バトラー。演奏にはイーリアンパイパーのデヴィ・スピラーンを迎えての豪華メンバー。ユーロヴィジョン・コンテストの幕間のためにつくられた1曲が、3時間ものショウに発展させるアイリッシュのクリエイティヴィティに、ずいぶんと驚かされた。

 この春、数年ぶりに出かけたのは、ウエールズの町カーディフでの公演。今や、ふたつのチームが同時期にアメリカとイングランドのツアーを敢行するまでの巨大プロジェクトになっていたことに、まずびっくり。世界各地で公演をするたびにオーディションをしながらダンサーを発掘していて、バックステージで会ったメンバーたちは、アメリカ、オーストラリアと出身も様々だった。日本人も参加していて、今回凱旋すると聞いた。

 リバーダンスは伝統文化であるアイリッシュダンスを現代風にアレンジしていて、古典芸能そのものではない。が、ダンサーたちのほとんどは、幼い頃からアイリッシュダンスの手ほどきを受けている。主役ダンサー、プリンシパルたちは、アイリッシュダンス・コンペティションのチャンピオン級ばかりだ。

 オーストラリアの町ブリスベンには、十数のアイリッシュダンス・スクールがあるそうで、リバーダンスの現地公演以降にできた学校もあり、人気のほどがうかがえる。母国を離れたアイルランド人たちが、我が子に文化を残したいという思いから、ダンスを習わせるケースも多く、故郷を愛する気持ちの強さを感じる。

 印象的だったのはドニゴール出身のダンサーの話。北アイルランドは、アイリッシュダンス熱が高いのだという。ダンスといえばクレアなど西側と思っていたので、意外な気がした。が、イギリス統治下にある北部では、特にアイルランド文化を守る意識が強いのだった。コンペティションもおのずと白熱化するのだそうで、レベルも高く「北アイルランドでチャンピオンになるのは、たいへんなことなんだ」と誇らしげに語っていた。

 ダンサーたちひとりひとり、とても個性的で魅力にあふれている。背筋をぴんとのばして歩く、彼らのふだんの姿を見て、あらためてリバーダンスのファンになってしまった。久しぶりに観たステージも、以前の豪華絢爛時よりずっとチームとしてのまとまりがあって、私は好きだ。若いダンサーたちがどんどん参加してくるせいか、スピード感も増した気がする。

 アイルランド人は、変えずに守るところと、怖れずに変化させていくところのバランスが、いい具合だなと、リバーダンスを観ていて思うのだった。


※リバーダンスの記事は、マリクレール7月号に掲載されました。
まだ取り寄せられるはずなので、見逃した方もチェックしてみてください。


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松井ゆみ子のアイルランド日記 「Vol.1/アイルランドのオートミール『ポリッジ』」

2005-10-01 02:52:11 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
地元ニューブリッジを流れるリフィ川
地元ニューブリッジを流れるリフィ川
 はじめまして。
 アイルランドのことばっかり書いているフォト&エッセイストの松井ゆみ子です。
アナログな暮しをしていて、ブログも初体験。長年お世話になり、なかよしでもあるICT(※1)の中島社長ご夫妻のご好意で、コラムのレギュラーに加えてもらいました。

 ここ10年余り、1年の半分をアイルランドですごしながら書いた本は「アイルランドのおいしい毎日」「ダブリン夢の鼓動」と、共著「アイルランドB&B紀行」。
最新作は「ケルトの国のごちそうめぐり」です。

 奥の深い国で、興味はつきません。今取材中のテーマを含め、ここでの生活のなかで見つけた話題を随時お伝えすることで、アイルランドに行ってみよう!と思う方が、さらに増えるといいなあと願っています。

 では、本日のお題「お粥」です。

*    *    *    *    *    *    *    *

 今回の滞在中に取材するテーマのひとつは「オートミール」。こちらでは英国式に「ポリッジ」の名で親しまれるが、日本では、どうも人気が薄い。私もアイルランドに来なかったら、おいしいと思って食べることはなかった気がする。そう、この国のポリッジは、おいしい。ケルト民族の主食だったオート麦は、栄養価も高く、頑強な身体づくりに役立つ。アイルランド人のたくましさは、ここからくるのか、と納得する食材だ。雑穀ブームの昨今、オート麦も忘れないで、という思いをこめて、来年1月に出る「暮しの手帖」に記事を書きます。

ケルトのお粥「ポリッジ」
ケルトのお粥「ポリッジ」
 大食漢で知られるケルトの神様ダグダの大好物が、お粥。これこそがポリッジで、祝祭のおりには麦の他に、木の実を入れたり、肉や野菜と煮こんだりしたという。それが後にプディングとよばれるお菓子や、ブロスという西洋おじや風雑穀入りスープを生み出した。クリスマス・プディングの元祖もプラム入りのポリッジだったようだ。オーブンではなく、湯煎にかけてつくるお菓子というのが、どうも不思議だったのだが、お粥からの発案と思えば合点がいく。

 ポリッジをおいしくつくるには、まずいいオート麦を買うこと。おすすめはジャンボオーツ。押し麦ひと粒づつが、ほんとうに大きい。最近は日本でも英国から輸入したオーガニックものが買えるので、ぜひお試しを。少なくとも30分は水に浸してから、ひとつまみ塩を入れて、ゆっくり煮る。牛乳は最後に加えて、好みの硬さに。食べるときにハチミツを。身体が芯からあたたまる。

 ケルトのお粥は、寒い国に負けない身体づくりに適し、且つ甘くてやさしい健康食である。


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2005-10-01 01:46:09 | 各ブログの紹介
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