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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ギネスとクリスプス」

2009-02-23 22:51:55 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 初めてアイルランドのパブに入ったときは、えっ?おつまみがないの?居酒屋なのに??と驚いたものでした。

 
定番、テイトー・ブランドのクリスプス、チーズ&オニオンとギネス。ニューブリッジのオルルークスにて。
でも今は、フードサーヴィスのあるタバーン系の見つけ方もうまくなってきたし、なによりも腹ごしらえは家ですませ、食後にパブへと繰り出す、アイルランド流が身についてきたように感じています。

 それでも、あんまりしっかり食事をしちゃうとギネスを飲むスペースがなくなってしまうし、少ししか食べないで飲むと酔っ払うしで、コントロールがむずかしい。

 そこで重宝するのがクリスプス(日本ではポテト・チップス)。
 軽く食べてパブに行き、小腹がすいてしまったらクリスプスの出番です。

 地元の友人たちと、レギュラーって感じで行くのはオルルークス。オーナー夫妻は、マークや友人たちの家族構成も熟知する「近所のおじさん、おばさん」的な存在で、店も家庭的な雰囲気。

 ここは、パブのとなりでオフライセンス(酒屋)も経営していて、そちらで売っているチョコや袋入りのトルティーヤなんかも売ってくれるので助かります。

 おやじ系のシブいパブだと、ちっちゃい袋に入ったピーナッツしかなくて、あちゃーと思うことも。

 マークはすっかり、日本流の「ビールにつまみ」が気に入ってしまい、ときどきこのピーナッツしかないタイプのパブで、「口さびしい」なんてアイルランド人らしくない反応をしています。

 クリスプスを置いている店も、たいていは定番のチーズ&オニオンとソルト&ヴィネガー。

 ソルト&ヴィネガーは、意外なことに日本ではめったにお目にかかることもなく、たまにあってもプリングルズのくらいでしょう?

 あの、つんつんとすっぱいクリスプス、おいしいのにね。
 でもビールには今ひとつ合わない気がします。で、「チーズ・ン・オニオン」。
 マークが覚えた、日本流がもうひとつ。

 クリスプスの袋をあけるとき、上部だけをぴっとあけるのではなく、一緒にいる人たちとシェアできるように袋のうしろにある継ぎ目をびびびーっと思い切り開封する、あのやりかた。

 アイルランド人は、まずそんなことしません。
 袋の上だけあけて、買った人が自分で全部食べます。ときどき「食べる?」って、袋をひょいと目の前に出してくれますが。

 マークが、クリスプスの袋をびーっと全開して、テーブルのまんなかに置くと、アイリッシュの友人たちは、ちょっとびっくりした顔します。最近はもうなれたけど。

 でもね、バーマンが、じっくり注いでくれた、すごくおいしいギネスに出会ったときは「ああ、こんなに味わい深い飲み物を、しょっぱいおつまみの力で飲み続けるようなことしちゃ失礼かも」と思うこともあるんです。

 そんなときは、ピーナッツ、すぐれものかも。と気づきます。
 ばりばり、音もしないし、静かにささやかに、ギネスの風味を引き立たせてくれますから。

 なんだ、やっぱりおつまみが要るんじゃん。仕方ないのよ、晩酌の文化で育ってきたんだもん。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ローストビーフ・サンボ」

2009-02-16 23:44:29 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 20代の頃のごちそうといえば、焼肉でした。メキシコ料理屋のステーキもよく食べたなあ。安くて旨ければ、輸入牛もぜんぜんオッケーの時代で。1パウンド(ひー約450g!)の、ワラジみたいなハンバーグステーキなんてのも、ばくばく食べてたし。

サンボの具。自家製ローストビーフ、オニオンソテー、クレソン。
ロールともよばれる短いバゲットにはさんで。マスタードたっぷり。(ICT中島社長宅の新年会で、すっごくおいしいローストビーフをごちそうになり、そのきれいなバラ色した牛肉を見て、わたしのケモノ系肉料理の写真を使うべきか、ずいぶん迷いましたが。これもおいしかったのよ)
 今は「どこで育てられた肉?」が気になって、肉を食べる機会はぐっと減りました。歳のせいもあるかもしれませんが。

 オーガニックマーケットで、新鮮な肉を見つけたときは、ちょっと奮発して大きなかたまりで買うようにしています。食べるときは、がっつり。

 去年の秋深まる頃でしたが、とてもいい牛肉を手に入れ、ローストビーフをつくることに。

 日本の繊細な牛とちがって、アイルランドの牛肉はワイルド系。ああ、肉ってこういう味だったのねと納得するような、しっかりした味です。抽象的ですが。いわゆる、ケモノ臭いってことかな。

 慣れると、そこがいいんですけどね。
 ですから、家庭で牛肉を調理するなら、ローストがベストに近いと思う。いい肉を煮込みにしちゃうのは惜しいですしね。

 しかし、素人の悲しいとこで、どうも焼きすぎちゃう傾向が。心配性なので、つい「もう少し焼いといたほうが賢明か?」と10分余計にオーブンにとどまらせてしまいます。

 それでも、新鮮なお肉だと、硬くなることなく、いい感じ。
 ほんとは少し、あら熱をとったあたりでいただくのでしょうが、家で食べる楽しさは、味見、味見といいながら、焼いている途中でオーブンからちょっと取り出し、はじっこをスライス。

 つまみ食いがいちばん楽しいひとときかも。
 じゅうじゅうと肉汁したたるローストビーフを、もう一切れだけねと言い訳しながらほおばる。ちゃんとしたソースをつくる前に、ショウユだのマスタードをちょびっとつけてみたり、マークも参加してきて、オーブンの前での味見大会でお腹がいっぱいになってしまうことも、しばしばです。

 ロースト肉の楽しみは翌日も続きます。
 かろうじて残したローストビーフでサンボ(サンドウィッチ)をつくり、カラで行われるレース(競馬)観戦のおべんとうに。

 これは肉を買ったときすでに、マークからリクエストされていました。
 競馬場にはどこもカフェテリアやレストランがあり、ちゃんとしたホットミールも食べられますが、手軽なスナックとしてハンバーガーやチップス、それとローストビーフのホットサンボが定番です。

 マークは、スタジオでレースの中継を伝えるコメンテーターの仕事に就いてから、競馬場に行ける機会が少なくなっていて、この日珍しくカラに出かけられるのをとても楽しみにしていました。

 「天気のいい秋のカラでレース観戦!合間にスタンド席で、ユミコのつくったローストビーフのサンボを食べるんだ!」と、こどものように喜んでいます。

 あいにく天気は雨。おまけに、この日はエクストラ・ミーティングといって、追加された開催日。月曜日ということもあって、入場者の少なさは申しわけなくなるくらい。観戦する人より出走する馬のほうが絶対多かった気がする。インダストリアル・ミーティングといいますが、競馬関係者のための開催といった光景にでくわすのはアイルランド競馬の面白いところ。

 マークもわたしも、こういった、ほんとうに競馬好きな人しか来ないレース日が大好きです。

 この日は競馬場内のパブも閉まっていて、おべんとに持っていったローストビーフサンボは、いつにも増して役立ってくれました。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「今どきランチ」

2009-02-09 22:55:10 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 先週は、オールドファッションな「ベーコン&キャベジ」をお伝えしましたが、今回は進化系。

モダン系ベーコン&キャベジ。マッシュドポテトがおしゃれでしょう?
さっくり、ほくほくのフィッシュ&チップス。今まで食べた中で一等賞かも。
 ご近所パブ、グラナリーズのランチに登場したベーコン&キャベジは、思いがけずモダンな体裁でした。

 見た目だけでなく、お味のほうも上品で好ましい。量も、田舎流どっかーんではなく、ほどよい満腹感で、総合得点高いです。

 へー、ニューブリッジもすてたもんじゃないねー。と感心していたら、シェフらしき方がバーに現れました。

 インドの方とお見受けしました。ロンドンで腕をみがき、新天地を求めてニューブリッジに?

 と勝手な推測。おいしかったですよーといいたかったのですが、おともだちと談笑中で、お邪魔するのもはばかられ、近所だし、また来ようと、ごあいさつはまだです。

 オーソドックスなメニュー、フィッシュ&チップスも旨かった。
 ころもはさっくり、きっとビールがはいってる。大きく、くし型に切ったじゃがいもを揚げた贅沢なチップスにあわせ、今やオールドファッションになったグリーンピースのマッシュを添えてあるところが心にくいじゃあないですか。

 ある政治家が、グリーンピースのマッシュを見て、アボカドのディップとまちがえ、スノッブで嫌味なやつと言われた話も今は昔。アボカドのほうが、ずっとポピュラーな世の中ですもんね。

 アイルランドでは珍しく「もうちょびっと食べたいな」と余韻を残すところが重要です。

 それでも、こういう充実したランチを食べた日は、夕飯はうんと軽くします。ほとんど、パンをかじってワインとチーズでおしまい。

 何度もいいますが、アイルランドでは、あたたかい料理をしっかり食べるのは1日に1度が常識です。

 アイルランドを旅するとき、宿でフル・ブレックファストをいただいたら、もうそれで1日充分なくらいだけど、せっかくの旅ですから、もう1回はいきますよね。その場合、昼はカフェでスープとパンかスコーンくらいで、夜はフルコースにトライ?

 地元的には、あんなにボリュームある朝食をいただいたら、あとはサンドウィッチとか、サラダで、もういいなって感じ。

 外食はランチが狙い目です。
 夜だと、やっぱりコースでしっかりいただくのが主流ですけれど、ランチならスターター(前菜)をスキップしたり、逆に前菜だけで失礼したりと気軽にオーダーできる雰囲気が嬉しい。

 パブめしのいいとこは、ランチというカテゴリーでなく「あたたかいお食事」が昼から早めの夜までオッケーという店が多く、わたしらのように3時とか4時とか、ハンパな時間にしっかり食べたいヤカラには大助かり。

 日本にいるときも、たまの外食はランチが好き。軽め設定なのもありがたいし、お値段もリーズナブルだし。なにより、食べたお料理をしっかりエネルギーにして燃焼できるのも正しいでしょう?

 アイルランドのディナーはギネス。なにせ飲むパン。穀物ですからね。
 ランチをしっかりいただいて、夜は飲むパンをたらふく。いいか悪いか知りませんが、アイルランドの幸せな常識です。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「カイルモア・アビー」

2009-02-02 22:03:54 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 アイルランドは、さほど大きな国ではないのに、まだ「行ってみたいけれど、行ったことのない場所」が、たくさんあります。

秋雨にけむるカイルモア・アビー。
カフェのお料理。家庭的なベーコン&キャベジです。
 好きになると同じところにばっかりに行ってしまう、わたしの性格もあるのかもしれませんが。

 ああ、レストラン選びもそうだな。お店はたくさんあるのに、気に入った店にばかり行ってしまうので、なかなか新規開拓ができません。

 アイルランドばかりに通うのも、じゃあ性格なのかしら。イングランドも、フランスだって近いのに、アイルランドから出ることはあまりないもんなぁ。

 さて、そんな風に「行ってみたい」と思いながら、少々不便で先延ばしにしていたのが、コネマラの奥地にある修道院、カイルモア・アビーです。

 The Kylemore Abbey Cookbook(GILL&MACMILLAN刊)は、大好きな料理本のひとつ。どの程度かわかりませんが、自給自足を心がけているらしく、牛を育て、野生のベリーを摘むシスターたちの写真が、いきいきした様子で、ひっそりとした修道院のイメージとのギャップが面白い。釣りをするシスターの写真のインパクトは強かったなぁ。

 冬場はクローズしてしまう、アビーのカフェ&レストランに行くという念願は、去年の秋にようやく叶いました。

 観光庁主催の、馬文化取材ツアーに参加したときのことです。
 コネマラの乗馬厩舎から、ダブリンへの帰途で立ち寄る機会を得ました。
 が、現在。アビーで暮らすシスターたちは、数人だけなのだとか。

 みなさんご高齢で、カフェの厨房も、もちろん別のスタッフが運営しています。
 アビーがこの先どうなるのかは知りませんが、シスターたちがご健在だった頃に訪れなかったことが悔やまれます。

 でも、カフェ&レストランのお料理は、おいしかったよ。
 今どき珍しい、家庭料理っぽいベーコン&キャベジがありました。くたくたの温野菜が嬉しかったです。

 バジル入りのトマトスープやパスタなど、今どきのものもあり、ビュッフェ形式のカジュアルなレストランは、雨だというのに大勢の観光客でいっぱいでした。

 おみやげショップも、アイルランドのクラフツから、バーバーのオイルコートまで扱うデパートなみで、こちらも盛況。わたしは、海藻入りフェイスパックを買ってみました。

 ゴールウエイは、アメリカから観光にくる団体さんに人気の土地ですし、あの盛況ぶりを見る限り、アビーがなくなることはないのでしょう。

 でもいずれ、ホテルとかになっちゃうこともあるのかな。ちょっとフクザツ。
 行ってみたい!と思った場所は、なるべく早くに訪れたほうがいいなと学習いたしました。


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