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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ムール貝」

2011-11-28 09:46:04 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 超びっくりしました。
 アイルランドのムール貝が日本に輸入されているのですね!それも、ガーリック&バター味におめかしして。

ニューブリッジで食べたムール貝。写真見ると、口の中にガーリックの風味とムール貝のはずむような感触が広がります。
 アイルランドに行くまで、ムール貝はオイル漬けした缶詰しか、知りませんでした。
現地では、魚屋さんで買うと、ごめんなさいってあやまりたいくらい安いし、海岸沿いに住む人は自ら採りに行くくらい身近な食材です。

 身近すぎて、さほどありがたい食べ物って存在にならないのは、酷な気がしています。
だって、ベルギーでは国をあげて「秋はムール貝の旬ですっ」って、こぞって食べますもんね。

 何年も前に、マークとわたしも、ベルギーでムール貝三昧したことがあります。
トマト味やら、クリーム煮やら、調理方法の多さもすごくて、滞在中ほとんど、ムール貝&フレンチフライを食べてた。だって、おいしいんだもん。

 ニューブリッジのお気に入りカジュアルフレンチ「オリヴィエ」でムール貝を注文。
ガーリックたっぷりで、残ったバターソースはパンに浸して全部いただきました。

 ぷりぷり、身がむっちりのムール貝が食べられる間に、またアイルランドに行ってきます。

 が、12月は日本でイベントづくし。
 12月3日から、外交官の家でのクリスマスイベントがスタートします。とても素敵な洋館で、そこにいられるだけで嬉しいくらい。

 とてもエキゾティックな場所ですし、プログラムも充実しているので、ぜひ、お越しくださいね!
ちなみに、わたしはアイルランド流、クリスマス準備&過ごし方の話や、トラッドなミンスパイの作り方の話などをします。

 料理本の作業真っ最中なので、すっかり料理モード。
 10日の、松江イベントでお出しするお料理の試作などもしてるのですが、これがねぇ、会心の作。
食べに来てください!アイルランドのサイダー(りんごの発泡酒)を使ったキャセロールです。



※イベントの詳細はクリックすると、大きく表示できます。

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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「アイルランドの新大統領」

2011-11-14 12:37:06 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 もうご存知ですか?アイルランドの新しい大統領は、マイケル・ヒギンズ氏が選出されました。
すでにお披露目のスピーチをされたとか。

 ヒギンズさんは以前、文化、芸術、ゲールタクト担当大臣をつとめ、ご本人も詩人です。
 いいよねぇ、ちゃんと芸術を理解できる知識人が政治に参加している国って。わたしがアイルランドを好きな理由のひとつです。

 ちょうどこの秋、わたしがアイルランドに滞在している間、大統領選挙も佳境に入り連日その話題でいっぱいでした。今年は特に候補者の顔ぶれがユニークで。

 ひとりは、ゲイのひとたちの開放につとめ、彼らの高い支持を得ているデヴィッド・ノリス氏。
 おりしも、マークとわたしがゲイカップルのジョン&ジョン(拙著「ダブリン夢の鼓動」に登場しています)の家をたずねた日のこと。

 ノースグレートジョージストリートに多くの報道陣がつめかけ、人垣のできている家があります。

 マークが「デヴィッド・ノリス氏が家の前でスピーチしてるよ」というので見物しに近づいてみました。

 それはなんと「今回の選挙戦から身をひく」という発表をしているとこで。彼自身もゲイですが、彼のパートナーに関わるスキャンダルで選挙戦からひきずりおろされた形のようです。

 ノリス氏をよく知るジョンは「ざんねんだわ~。当選したあかつきには、大きなリムジンに乗って大統領邸を訪問するつもりだったのに~」と嘆いていました。

 しかし、そのスピーチがまたかっこいいの。サミュエル・ベケットの言葉を引用したもので、
「Ever tried, ever failed. No matter, try again fail better !」

 まるでベケットの芝居のセリフように力強く、このフレーズを残して彼はきびすを返して家に入りました。これもまた、まるで舞台のようで。

 後日、ノリス氏はまた選挙戦にカムバックしたのですが、結局選出はされませんでしたけれど、確かにfail betterだったかも。

 もうひとりの異質な候補者は、北アイルランドで元IRAの首謀者でないかとウワサされていた政治家。

 テレビカメラの前で、彼の前に立ちはだかった青年が突然「オレの親父はIRAに殺された。おまえは犯人を知っているのだろう!?」とうったえ、サスペンスもののドラマみたいなことになってしまいました。
 
 しばらく「立候補するのか?」と世間を騒がせたのは、人気テレビ番組「Late late show」の元プレゼンター、ゲイ・バーン。

 話題づくりといったところだったのか、結局立候補しないまま終りました。ま、彼なら、それなりにチャーミングな大統領の誕生になったかもしれませんが。

 個人的には、ヒギンズさんしかないでしょうと思っていましたし、世間的にも同じ反応でした。
賭け屋のオッズは「4/7」4 to 7 とよみます。
 賭ける意味もないくらい低いオッズで、ダントツ一番人気、strong favoriteってやつです。

 ヒギンズさんは、アイルランドらしさを世界にアピールするには適任です。
 近年のアイルランドでは、2代にわたって女性大統領が活躍し、平和な国を印象づけたと思います。

 ヒギンズさんは、混沌としてきているEUのなかで、アイルランドが文化背景を持つ国なのか、その個性と役割をきちんと示せる大統領になるのではないかしら。
 どんな活躍をするのか、楽しみです。

 さて、またひとつお知らせです!
 12月10日、松江で開催されるイベントに参加いたします。詳細はこちらをご覧ください。
東北で被災された方たちへの応援チャリティイベントです。なかなか行動にうつせなかった私ですが、松江の小泉八雲の末裔、小泉凡さん、祥子さんご夫婦のご尽力のおかげで、お手伝いさせてもらう機会をいただきました。

 「アイルランド食文化の”今現在”」の話をします。この夏、現地でばっちり取材して写真もたくさん撮ってきたので、ぜひご参加くださいませ。

 さらに!ピーター・バラカンさんの音楽のお話が聞ける贅沢な1日です。ファンなので楽しみ~。バラカンさんのレクチャーのときは、わたしも一オーディエンスです。
 どうぞご期待くださいませ!


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