今回は、インターナショナル・バカロレア(略してIB)プログラムの特徴でもある3つの特別カリキュラムについて説明します。
3つの特別カリキュラムとは:
* <Theory of Knowledge (TOK)> 知識の理論
学校の内外で得られる知識や経験をもとに、独自の思考力を発達させることを目的としています。主観や先入観を認識した上で、状況を分析し、さまざまな知識を統合して、異文化を賞賛する精神を養います。哲学、倫理、道徳のような科目。
* <Creativity, Action, Service (CAS)> 創造性、活動、奉仕
CASは学問以外の活動に重点を置いていて、学問の世界とバランスを取ることを目的としています。芸術活動、スポーツ、奉仕活動などに参加することで、若者がエネルギーと才能を分かち合うことを促進します。
IBプログラムの目標は、責任感と思いやりのある人間を育てることですが、これらのCAS活動を通じて、自分自身の理解を深め、他人を思いやり、人々と協力し合うことを学びます。
* <Extended Essay> 自由エッセイ
生徒は自分自身でテーマについて独自のリサーチをし、4,000ワードのエッセイを書くことが義務づけられています。このプロジェクトを通して、生徒は個々の興味に基づいたトピックを深めるとともに、大学で求められる文章を書く技術を身につけます。
さて今回は、最初の一つ、TOKの授業について。
今年度5年生に上がったYちゃんはIBプログラム1年目。実際のTOKの授業をレポートしてもらいました。
* * * * * * * *
練習は完璧な物をつくる。または、完璧に近づく最短の方法である。でも、そこに完璧というものは存在しない。では、この完璧の基準とは何なのか? 何を基準とし、完璧と私はいっているのか?
これは、昨日、他校の友達と議論したTOKの課題の一つです。普段何気なく使っている完璧という単語。その単語の私の中での使用基準とは? そんなこと今まで考えた事もなかった! その言葉の意味は知っている。でも、その単語の使用基準は、一人一人違うはずである。なぜなら、完璧とは、一人の人間の理想であるのだから。
このように、当たり前すぎて、普段何気なく使っている“完璧”という言葉を改めて深く考える。これを言葉にして表すというのが、TOKという教科です。私にとってTOKとは、当たり前のことを深く考えるという機会をくれるすばらしい教科。自分の人生にとって素晴らしい機会です。
* * * * * * * *
Yちゃんが自分の中で、“完璧”という言葉について自己議論をして、自分の中で定義づけていく過程が読み取れますね。このように、TOKとは、自分の周りの経験や知識、他人の意見を取り入れた上で、自己議論をしていく力、思考力をつける科目なんです。
6年生のHちゃんはIB最終学年。6年生は各自選んだトピックをもとにプレゼンテーション(発表)をします。一人持ち時間は10分で、パワーポイント(プレゼンテーション用のソフトウェア)も使用、というから本格的。
Hちゃんの選んだテーマは「少年犯罪―犯罪の低年齢化」。
きっかけは、インターネットで読んだ犯罪の低年齢化に関するエッセイ。
別の学校に通うGくんは新聞や本をよく読んでいる「雑学王」。事件のキーワードを思い出して、インターネットでの検索にアドバイスを与えてくれます。
これらの凶悪犯罪はただいわゆる残虐なTVゲームやホラー映画だけのせい??
↓
現実と非現実の区別がつかなくなってしまうのは、そして人を殺すということがどういうことか、その恐怖を想像できなくなってしまう状態に陥るのは、子どもの周りの環境の影響なのでは・・・?
↓
少年犯罪の加害者は本当に加害者なのか?それとも社会の生んだ被害者なのか・・・??
Hちゃんのノートには、「Family(家庭)」、「School(学校)」、「Media(メディア)」など、子どもも周りの“環境”となるキーワードや、「核家族化」や「少子化」など、昔ほど“死”が子どもの身近にないことなどの要因が書き込まれていました。
Hちゃんが自分で持ち込んだパソコンを使って、プレゼンの内容をタイピング。
パワーポイントというソフトウェアもプレゼンを盛り上げる機能満載。キーワードや箇条書きが、パソコンのEnterキーを叩くたびに画面にフェードイン、その度に、みんなで「おぉ~っ・・」と感動してしまった(笑)。当日は、これらのキーワードがEnterキーを叩くたびに教室のスクリーンに浮かび上がります。(カッコイ~イ♪)
高校生の問題意識って結構高い。戦争、宗教の違い、環境問題、エイズ、etc…。
インターネットや新聞や本で何かを読んで、いろんなところで立ち止まって、「それっておかしくない?」って考えたり「これはひどいな…」って心を痛めたりする。それをTOKの授業でみんなで共有して、討論しあう。
最近の社会は情報が氾濫していて、正しい情報を選別するのが難しいことも確か。でも、人間としてモラルのある思考・判断ができるような“大人”になって欲しいな(あ、自分もね)。
それが少年犯罪を食い止める“環境”を作る第一歩なのではないかな・・・?
★「アイルランド・ハイスクール・ダイアリー」ICTのプロフィールはコチラから★
☆「アイルランド・ハイスクール・ダイアリー」投稿一覧はコチラから☆
⇒アイルランドへの高校留学はアイルランド留学センターにおまかせ!
3つの特別カリキュラムとは:
* <Theory of Knowledge (TOK)> 知識の理論
学校の内外で得られる知識や経験をもとに、独自の思考力を発達させることを目的としています。主観や先入観を認識した上で、状況を分析し、さまざまな知識を統合して、異文化を賞賛する精神を養います。哲学、倫理、道徳のような科目。
* <Creativity, Action, Service (CAS)> 創造性、活動、奉仕
CASは学問以外の活動に重点を置いていて、学問の世界とバランスを取ることを目的としています。芸術活動、スポーツ、奉仕活動などに参加することで、若者がエネルギーと才能を分かち合うことを促進します。
IBプログラムの目標は、責任感と思いやりのある人間を育てることですが、これらのCAS活動を通じて、自分自身の理解を深め、他人を思いやり、人々と協力し合うことを学びます。
* <Extended Essay> 自由エッセイ
生徒は自分自身でテーマについて独自のリサーチをし、4,000ワードのエッセイを書くことが義務づけられています。このプロジェクトを通して、生徒は個々の興味に基づいたトピックを深めるとともに、大学で求められる文章を書く技術を身につけます。
さて今回は、最初の一つ、TOKの授業について。
今年度5年生に上がったYちゃんはIBプログラム1年目。実際のTOKの授業をレポートしてもらいました。
* * * * * * * *
練習は完璧な物をつくる。または、完璧に近づく最短の方法である。でも、そこに完璧というものは存在しない。では、この完璧の基準とは何なのか? 何を基準とし、完璧と私はいっているのか?
これは、昨日、他校の友達と議論したTOKの課題の一つです。普段何気なく使っている完璧という単語。その単語の私の中での使用基準とは? そんなこと今まで考えた事もなかった! その言葉の意味は知っている。でも、その単語の使用基準は、一人一人違うはずである。なぜなら、完璧とは、一人の人間の理想であるのだから。
このように、当たり前すぎて、普段何気なく使っている“完璧”という言葉を改めて深く考える。これを言葉にして表すというのが、TOKという教科です。私にとってTOKとは、当たり前のことを深く考えるという機会をくれるすばらしい教科。自分の人生にとって素晴らしい機会です。
* * * * * * * *
Yちゃんが自分の中で、“完璧”という言葉について自己議論をして、自分の中で定義づけていく過程が読み取れますね。このように、TOKとは、自分の周りの経験や知識、他人の意見を取り入れた上で、自己議論をしていく力、思考力をつける科目なんです。
6年生のHちゃんはIB最終学年。6年生は各自選んだトピックをもとにプレゼンテーション(発表)をします。一人持ち時間は10分で、パワーポイント(プレゼンテーション用のソフトウェア)も使用、というから本格的。
Hちゃんの選んだテーマは「少年犯罪―犯罪の低年齢化」。
きっかけは、インターネットで読んだ犯罪の低年齢化に関するエッセイ。
別の学校に通うGくんは新聞や本をよく読んでいる「雑学王」。事件のキーワードを思い出して、インターネットでの検索にアドバイスを与えてくれます。
これらの凶悪犯罪はただいわゆる残虐なTVゲームやホラー映画だけのせい??
↓
現実と非現実の区別がつかなくなってしまうのは、そして人を殺すということがどういうことか、その恐怖を想像できなくなってしまう状態に陥るのは、子どもの周りの環境の影響なのでは・・・?
↓
少年犯罪の加害者は本当に加害者なのか?それとも社会の生んだ被害者なのか・・・??
Hちゃんのノートには、「Family(家庭)」、「School(学校)」、「Media(メディア)」など、子どもも周りの“環境”となるキーワードや、「核家族化」や「少子化」など、昔ほど“死”が子どもの身近にないことなどの要因が書き込まれていました。
Hちゃんが自分で持ち込んだパソコンを使って、プレゼンの内容をタイピング。
パワーポイントというソフトウェアもプレゼンを盛り上げる機能満載。キーワードや箇条書きが、パソコンのEnterキーを叩くたびに画面にフェードイン、その度に、みんなで「おぉ~っ・・」と感動してしまった(笑)。当日は、これらのキーワードがEnterキーを叩くたびに教室のスクリーンに浮かび上がります。(カッコイ~イ♪)
高校生の問題意識って結構高い。戦争、宗教の違い、環境問題、エイズ、etc…。
インターネットや新聞や本で何かを読んで、いろんなところで立ち止まって、「それっておかしくない?」って考えたり「これはひどいな…」って心を痛めたりする。それをTOKの授業でみんなで共有して、討論しあう。
最近の社会は情報が氾濫していて、正しい情報を選別するのが難しいことも確か。でも、人間としてモラルのある思考・判断ができるような“大人”になって欲しいな(あ、自分もね)。
それが少年犯罪を食い止める“環境”を作る第一歩なのではないかな・・・?
★「アイルランド・ハイスクール・ダイアリー」ICTのプロフィールはコチラから★
☆「アイルランド・ハイスクール・ダイアリー」投稿一覧はコチラから☆
⇒アイルランドへの高校留学はアイルランド留学センターにおまかせ!