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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「妖精がイタズラをする?サンザシの木」

2007-04-30 21:45:40 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 5月1日のメイ・デーから、夏が始まります。

カラに立つサンザシの木。雪のようにまっしろな花は、いい香りがする。
 この日、サンザシの木の下に座ると、妖精にさらわれてしまうという伝説を聞いたことがありました。サンザシの木は、牧草地の続く郊外なら、どこにでもある木で、豊かな緑の葉の上に積もった雪のように、まっしろな花が、うわーっと咲き乱れ、不思議な生命力に満ちています。

 アイルランドらしからぬ青空とのコントラストも鮮やかで、大きくそよぐサンザシの木の下で、ちょっと一休みをしたくなる気分は、よくわかります。きっと、農作業の忙しい時期に、さぼっちゃだめ。という戒めの言葉だったのでしょうけれど、あちこちへ奔放に枝をのばしたサンザシの木を見るにつけ、「魔法の木」といわれるのもうなづけます。切り倒すと、よくないことが起きるとも言われていますが、予期せぬ力を秘めた木であることは、近くで眺めてみると、強く感じとれます。

 「ケルトの木の知恵」(東京書籍刊)は、少し前に出版された本なので、ご存知の方も多いかもしれませんけども、すっごく面白い本で愛読しています。

 ケルト圏にある木々が、ケルト文化にどう関わっているのか。自然崇拝の民族が残した木々の神話や伝説、それに樹皮や花、実などを使った自然療法なども盛り込んだ、とても奥深い1冊です。写真も素晴らしいし。

 暦の上で夏になる頃、まだ肌寒くても、草木はがぜん力強く育ち始めます。ずっと前、芝生のある家で暮らすのが夢でしたが、今その念願かなって、小さいながらも芝生の庭つきですが、手入れは考えていた以上にタイヘンです。

 冬の間も緑を保ちますが、晩秋から春先まで葉の成長はほとんどとまり、芝刈りの必要はありません。それがイースターを過ぎたあたりから、ひと雨ごとに、ぐんぐんと成長を始めるので、うっかりすると、すぐに芝ボウボウの庭になってしまいます。

 電動の芝刈り機は、扱いが簡単そうに見えますが、案外重いし、ちょっとサボってて伸びすぎた芝を刈ると、エンジンがオーバーヒートすることもあり、あなどれません。芝に水気が含まれていると刈りにくいし、芝刈り機にもよくないので、2~3日雨が降らないときを見計らわないといけないのですが、天気がいいからと出かけちゃうときもあるし、タイミングを合わせるのもひと苦労。

 生命力あふれる庭を見つつ、自然の力は素晴らしいと、ため息まじりに感心しきり。「なまけちゃダメ」と、アイルランドの夏は、自然が人のおしりをたたきます。 


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「写真の話」

2007-04-23 03:21:34 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 思いきりアナログ人間なので、写真は今現在も、デジタルカメラではなく、フィルムを装填するタイプの一眼レフカメラを愛用しています。

 かつては、ニコンF3というごっつい型を使っていたのですが、ダブリンの下町で泥棒に入られて、機材一式すべて盗まれてしまい、そのあと何とかアイルランドで入手できたのは、F3の弟分といったFM2でした。

 F3も売っていたのですが、当時のダブリンには、日本のようなカメラのディスカウントショップなどなくて、腰が抜けるほど高かったの。なので弟分といえどもFM2もすごく高くて、アイルランドの人たちがカメラを買うのは、とってもたいへんなんだと心底実感しました。

 しかし、このとき入手したFM2が意外にも私にはしっくりなじんで、以来ずっと浮気はナシです。でも、びっくりしたのは、去年予備のボディを買おうとしたところ、FM2はFM10という名前で様変わりしていたこと。機能的には、ほとんど同じなのですが、素材も含めて若干チープな印象になっちゃったのが残念。それでも、ニコンが現在も製造を止めないでいる(たぶん)唯一のフィルム用一眼レフカメラなのですって。さみしいなぁ。

 写真を勉強し始めたときは、モノクロばっかりでしたが、仕事を始めてからは、カラーのポジ(スライド)フィルムで撮影することが、ほとんどです。これもまた、日本では現像屋さんもたくさんあるし、仕事での支障はまったくないし、むしろ大きく掲載していただくときは、仕上がりがきれいと喜んでいただけることが多いのですが、アイルランドでは、まったく事情が異なります。

 今はもう、仕事ならデジタルが完璧に主流です。印刷技術の違いなのか、以前からポジフィルムを使うフォトグラファーは、少数派でした。紙も高いし、人口も少ないし、活字メディア自体が発展途上でしたから、経費のかかるポジフィルムなんて使ってられなかったのでしょう。

 そういう国で、あいかわらずフィルムを使うのには、若干の支障がでてきました。

 まず、テロ対策でチェックのきびしい空港にフィルムを持ち込みたくないので、現地調達することに。ポジフィルムはダブリンに買い出しに出かけます。プロ用ショップは、裏通りにある看板もない店で、インタフォンを押して「フィルムを買いにきたー」と言うと、ドアの鍵をあけてくれるシステム。ここでは、ちゃんとフィルムが冷蔵庫に保管されているのが嬉しいですね。

 現像屋さんは、ずっと贔屓にしているところがあったのですが、去年、突然廃業してしまって大ショック。どうしようと悩んだときは、誰かにたずねるのがアイルランドでいちばん確かな方法です。このときも、フィルムを買いに行ったショップで紹介してもらいました。

 今度の現像屋さんは、ジョージアンスタイルの建物の地下にあり、一見無愛想だけど、実はやさしいおじさんがいて、ずっとやめないでーと祈っています。ここでもびっくりしたのは、マウント(スライド用に紙の額縁に入れること)しないでと注文したら、日本ではふつうスリーブといって8カットずつ切ってくれるのですが、びろーんと36枚丸ごと、切らずにながーいフィルムのまんまで仕上がっていたこと。

 こちらでは、ドラム・スキャンといって、フィルムをまるごとスキャニングすることがあるためらしく、習慣のちがいは、いつも新鮮な驚きを与えてくれます。ここでは、ポジを確認するライトボックスも、フィルムの長さに合わせた、ながーいものなのもまた、びっくりでした。

 ・・・と、写真の話を書いているのに、今回は写真なしなのは、なぜ?

 実はねー、ここで掲載していただいてる写真、まずポジで撮影して、それをプリントして、編集してくださっている方に郵送(!)しているの。東京にいるときはTさんに、アイルランドにいるときは、ダブリンオフィスのKさんに。

 さすがに、原稿はメールで送るようになりましたけど、携帯電話のメールは苦手です。友人たちに「ケータイにはメールしないでね」と念を押しては、あきれられているのですが、ちょっとくらいの不便が、私は好きだな。

 あっ、でもお手数をかけてるTさんとKさんには、感謝感謝!!


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「食パン」

2007-04-16 00:52:19 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 ホームベーキングがいちばん!と思うし、実際においしいし、栄養価も高いし。

B&Bをまかなうアンジェラの台所にたくさん常備されている食パン。
 なのでパンは、ファーマーズ・マーケットで手づくりのものを買うか、自分でつくるのが基本ですが、それでも実は、たまーに食べたくなるの。スーパーなどで売っているブレナンズのスライスパン!

 ほとんど国民食といってもいいくらい有名なメーカーで、写真のようにスライスしたパンは今でも圧倒的な人気です。

 写真の「ゴールデン・ハーヴェスト」は、全粒粉を使ったブラウンブレッド。スモークサーモンや、エッグマヨ、ツナなどのサンドウィッチにはブラウンが合います。

 トーストにすると香ばしくて、オレンジマーマレードともよく合います。

 もうひとつは、真っ白なホワイトブレッド。精製された小麦粉を使った白パンは、水分も多いので、栄養価は低いといわれていますが、これがねー、時々すっごく食べたくなっちゃうのですねー。

 朝、配達されたばかりの白いスライスパンは、みみまでやわらかく、しっとり甘くて、何枚でも食べられちゃう。サンドウィッチにしようものなら、ひとり1斤軽く食べられるかも。

 どこかに出かけるときなど、写真に写っている分量のパンを買ってきて、サンドウィッチをつくります。マークに「何人分??」と驚かれるのですが、これがコワイことに車の中などで、ちびちびつまんでいるうちに、帰る頃は食べつくしています。

 で、「しばらくスライスパンを買うのは、やめよう!」と誓うのですが、月に1、2回くらいは買っちゃうかな。

 でも、白くやわらかいパンばかり食べていると、きまってお腹が張った感じになり、ごく自然に「そろそろ全粒粉のブラウンブレッドを食べた方がよさそう」という気持ちになってきます。

 この写真は、ずーっと前に、ダブリンで常宿にしていたアンジェラのB&Bの台所で撮ったもの。彼女は、自分で焼いたブラウンブレッドとともに、このスライスしたブラウンブレッドのトーストを出しています。

 遊びに行くと必ず、大きなポットに入れた紅茶と一緒に、このスライスパンでつくったサンドウィッチを山のように出してくれます。

 十八番は、スライスしたバナナをはさんだもの。バターのしょっぱさが、バナナの甘さをひきたてます。もうひとつは、スライスしたトマトをたくさんはさんだサンドウィッチ。さっぱりして、ついつい、たくさん食べてしまいます。どちらも、しごくシンプルだけど、かえって、パンと具の相性が楽しめ、あれこれつめこまなくても、おいしいんだなと学びました。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「グレンジ・コンのカフェ」

2007-04-09 22:48:10 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 拙著「ケルトの国のごちそうめぐり」で紹介したカフェ「グレンジ・コン」が、移転しました。本が出版されるか、されないかの時期に移転したことが判明し、えー、住所まで載せちゃったのに~と、ショックでした。お知らせするのが遅くなってごめんなさい!

クレンジコンのカフェで食べたたまごの風味豊かなキッシュ。
 移転先は、カウンティ・ウィックロウのブレッシントンという湖に近い小さな町のまんなかです。先日ようやく現在の店舗に行ってきました。

 古い学校を改装したお店で、以前はそのままのネーミングで「オールド・スクール」というレストランだったところを譲り受けたようです。

 引っ越しても「グレンジ・コン」の名前は同じ。小さな町なので、すぐに見つかります。前のお店よりも少し広くなり、ダブリンからも近くなったので、ビジネスは上々のようで安心しました。

 メニューも変っておらず、この日はお気に入りのキッシュを注文。

 卵の風味が豊かに広がる贅沢なキッシュで、さっくりしたタルト生地も満足度を高めてくれます。添えられたサラダは、地元ウィクロウの契約農家で育てられた新鮮野菜で、レタスはぱりぱり、トマトは正しい甘さで、こちらまでしゃっきりした気分にしてくれます。

 テーブルも椅子も、揃いのものではなく、大きさも形もまちまちで、学校だった頃から使ってたのかしら?と思ってしまうくらい。ティーポットも、アルミでできた小さなヤカンのような形で、そういえばマークの実家にも同じようなのがひとつあったなー。お料理以外は、ちっとも構わない気楽さが、ほっとくつろいだ気分にさせてくれる、あたたかいカフェです。

 湖までは歩いて行ける距離なので、腹ごなしの散歩にぴったり。

 確かここは人造湖で、それほど風情のある場所ではないですけれど、それでもダブリンの路線バスが乗り入れているので、午後3~4時間ほどの、ちょこっとした遠足に便利な場所です。

 観光地ではないので、湖畔でも、たまーに近所の人が犬を散歩させているのを見かけるくらい。

 前の場所では、車でないと行きにくかったですが、今度は公共交通機関を使って行かれますので、カフェごはんを食べにおでかけください。
 デザートも充実です。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「春の祭り、イースターの卵」

2007-04-02 22:25:16 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 まもなくイースターの祝日です。今年は4月8日がイースター・サンデー。

ニューブリッジで買ったイースター用のお菓子。
 長い喪が明け、キリストの復活を祝うお祭りですが、この「長い喪」は「冬」を意味していたのでしょう。作物もとれず、寒さに震えながら、不安ななかで暮らした古代の人たちが、自然界に生命の息吹を実感する喜びのときだったのだと、少し田舎に暮らし始めて、理解できるようになりました。

 イースターに欠かせないのが卵。「新たな誕生」を象徴するのに、これほど適したものはありません。

 スライゴーに住む友人が「こどもの頃はイースターの朝、庭中を駆け回って、ニワトリの卵を探したもんだ。植え込みや薮のかげなんかに、ニワトリが卵を産み落としているんだよ。今では、こどもたちのために、親が前もって薮の蔭なんかに卵をかくしておいて、それを探すゲームになっているけど」と教えてくれました。

 養鶏場は別ですが、個人の農家で、数羽のニワトリを放し飼いにしているような場合、好き勝手な場所で卵を生んでいたようです。

 彼がこどもの時分は、そうしてゲーム感覚で卵を集めることが、家族の手伝いにもなったわけで、楽しみながら家の仕事を覚えていける、いい時代だったのですね。
 
 さて、近年は卵のかわりに、チョコレートがイースターの象徴になってきています。レントといって、キリストの受難を思い、イースターまでの約40日間に苦行をひとつ、という意味で、何か好物をひとつガマンする習わしがあります。

 そこでチョコレートをガマンする人が多かったから、というのが理由らしいですが、真相はどうなのでしょう。ずいぶん前から、イースター・チョコといって、卵の形をしたチョコレートが、この祝日にかかせないものになっています。

 案外、イングランドのチョコ会社キャドバリーあたりが始めたのかもしれませんが。

 グルメ化のすすんだ現在のアイルランドでは、手づくりの生チョコが人気です。

 自国のものはもちろん、ベルギーから直輸入の、うさぎの形をしたチョコなど、ちょうど日本でのヴァレンタインデーのような勢いで、様々なチョコが売られます。

 近所のベーカリーでは、チョコを使ったイースター仕様のお菓子が並んでいて、あんまりかわいいので、思わず買ってしまいました(写真)。

 メレンゲの台にチョコがけ。鶏の巣にみたてたチョコ味のバタークリームに砂糖菓子でできた卵が飾られています。
 今年は、どんなお菓子が登場するのかな?


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