アイルランド生活ブログ - 生活・料理・留学の情報満載 -

アイルランド在住者(精通者)によるアイルランド生活の情報を発信中!!

松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「バイバイ、スパイスバーガー」

2009-06-29 22:56:55 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 見事に晴れ渡ったアイルランドは、パラダイス。
先週は、古い暦どおり、夏真っ盛りという好天が続きました。

アイルランドから消え去りかけているスパイスバーガー。さみしいわ。
 6月23日は、セント・ジョンズ・イヴといって、1年でいちばん短い夜。
22時をすぎても、まだ薄暮。北欧の白夜まではいきませんが、1日が真冬の倍ある感じです。

 出かけるたびに、つい食べてしまうのがソフトクリーム。だっておいしいんだもん。

 大きなニュースが、アイルランドを駆け巡りました。

 「バイバイ。スパイスバーガー」

 スパイスバーガーは、つくねのフライっていったらいいのかな、ちょっとメンチカツに似たスナックで、チップス屋で売られる小腹しのぎの大事な一品です。

 それがなくなる??
 驚いたことにスパイスバーガーは、特許をとった会社1社が生産し続けてきたのだそうで、その会社がこの不景気で倒産しかけているのだとか。

 まだ完全につぶれちゃったのではないけれど、スパイスバーガーは市場に出回っているのが最後で、次の生産のめどはたっていないとのこと。

 ひき肉好きなわたしとしては、スパイスバーガーは好物のひとつ。なくなっちゃうのは実に忍びない!

 せめて最後のひとくちを!と、地元のチップス屋めぐりしちゃいました。
 メインストリートのセントラ・グリルでは、悲しいことにスパイスバーガーの文字が消されてるじゃないですか。

 裏通りにあるイタリア人モリスのチップス店には、ありました。たくさん買い置きしといたんだって。

 スパイスバーガーは、イングランドにもあるんだろうと思っていたら、キルデア県にあるウォルシュファミリーのオリジナルなんだそうで、すごくアイルランド的な食べ物であることを、なくなるっていう情報とともに知りました。ああ、残念!

 会社は身売りを考えているようなので、どこかが買い取って、またつくり続けてくれるといいなぁ。

 話はかわって。
 アイルランドらしからぬ「暑い」日が続き、ランチに「蕎麦サラダ」をつくってみました。

 日本食ファンのマークが、えらい喜んでくれた一品です。
 ダンレアリのファーマーズマーケットに新しく出店したサラダリーフの専門店で買った、フレッシュなレタスやロケットに、刻んだわけぎ、スライスしたキューリに、茹でた後水でしめた日本蕎麦を加え、オリーブオイルとライムのしぼり汁をまぜあわせます。

 味付けは、こんぶだしをほんの少しのお湯でといて、砂糖少々、塩少々、ショーユけっこうたっぷり、わさびもたっぷりをまぜあわせたものをちゃっとかけて、できあがり。

 刻み海苔をトッピングに。ちょうど、海藻ふりかけがあったので、それもまぶしてみました。

 お、けっこうイケるじゃん!
 日本にいたら、これに絹ごし豆腐をぐずぐずとまぜてもいいかも。
だんだん、わたしの料理は無国籍化してきています。


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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.54/卒業 2009 - その2」

2009-06-26 00:47:58 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
 今回は卒業式後半戦。残りの2校をご紹介します!

5/22(金)【荘厳・フォーマル系卒業式 Newbridge College(ニューブリッジ・カレッジ)】

立派なチャペル。
卒業生全員によるキャンドルサービス。
友達とみんなで!
 Newbridgeは「キッチンダイアリー」の松井ゆみ子さんのいらっしゃる町。ダブリンのお隣、キルデア県(Co. Kildare)にあります。

 ダブリンのヒューストン駅から列車で40分くらい。車窓には広い空、のどかな羊や丘の景色が広がります。

 Newbridge Collegeにも立派なチャペルがあります。チャペルでのミサは普段、一般の人にも行われるくらいだから本格的。

 卒業式のミサもとても立派なものでした。

 こちらは神父様が3人もいらっしゃいます。赤いローブを身にまとったメインの神父様が、式が始まる前にお香のたかれた壺を振って祭壇を清めます。

 お香の香りがほのかにふんわり。それだけでなんだかとても厳かな気持ちになります。

 卒業生は学校のブレザーを着用。制服の中でも、フォーマルな時にしか着用しないブレザーは最もフォーマルなスタイルです。

 アイルランドの高校の制服は通常、どの学校でも男の子も女の子もVネックのセーター。Newbridgeも普段はVネックのセーターですが、この学校にはフォーマルな式典の時に着るブレザーがあります。ブレザー姿はやっぱりいつもと違ってフォーマル感が増し、ピリッと引き締まる感じがします。

 式自体はミサなので、Holy Childと同じ形式でした: 生徒や先生など代表が聖書の一説を読み、参列者が祈りを唱和します。

 特徴的だったのが「光」をとても象徴的に扱っていたところ。

 「Ceremony of Light(光のセレモニー)」では、6年生代表の生徒が、先生・保護者・在校生・学校理事の代表から、それぞれ知恵(Wisdom)・愛(Love)・思い出(Memory)・信念(Faith)の光を象徴するキャンドルを受け取り、祭壇に祭ります。

 知恵や愛、思い出、信念は、それぞれ生徒たちが、学校生活を通じて学び、経験し、これから先の人生に持っていくもの。新しい出発でもある卒業を祝うとても象徴的なセレモニーでした。

 カトリックのミサでは、Communion(コミュニオン)と呼ばれる聖体拝領の儀式があります。これはいわゆるキリストの血と体であるワインとパンを頂く儀式。

 神父様の呼びかけで、周りの人と握手を交わし、「Peaceful with you(あなたの心に平穏を!)」とお互いの平和を祈りあいます。

 その後、すでにワインとパンを頂いた3人の神父様から参列者にパンが配られます。(これはキリスト教の儀式になってしまうので、信者ではない方はご遠慮した方がいいでしょう。席に座って待っていても全く問題ありません)

 これはもう、ミサのフルコース!

 ミサの後は、校長先生の挨拶があり、卒業証書とプレゼントの授与がありました。

 証書を受けとった卒業生は、それぞれキャンドルも受け取ります。受け取ったキャンドルには祭壇から受け継がれた火がともされ、日が落ちてきて薄暗くなってきたチャペルを暖かい光で包みます。

 キャンドルを持った卒業生による合唱が行われ、式は締めくくられました。

 ICTの留学生のAくんのホストママとパパも、予定の合間を縫ってミサに参加してくれました。

 長いことお世話になったファミリーが来てくれるのは本当に嬉しいこと。お互いとてもよい関係を築いたのだなあと、思いやりや絆を感じます。異文化の人々の思いやりと理解、これって留学のひとつの醍醐味じゃないかな!

 式の後は学校の食堂でラザニア、カレー、チップス、サンドイッチ(おおお、超典型的アイリッシュの好物だ)などのビュッフェがありました。


5/26(火) 【ゴージャス・ファッショナブル系卒業式 St. Andrew's College(セント・アンドリュース・カレッジ)】

卒業式当日は快晴!Booterstownの海では凧揚げをする人も。
女の子たちのクワイヤーによるディズニーメドレー。
友達とみんなで!友達と!
みんなドレスアップ。(こちらは2008年の写真)
 最後はダブリンのSt.Andrew's College。ここは国際資格コース、インターナショナル・バカロレア(IB)コースもあり、外国人学生の多い共学校。

 国際色豊かなためか、学校自体余り宗教色は感じられず、卒業式もミサ形式ではなく、ヤングアダルトである卒業生の成長と新しい旅立ちを祝う楽しいもの。

 毎年、笑顔や笑いの多い明るい卒業式です。

 儀式というよりお祝い感の強いAndrewsの卒業式は、大人への第一歩という感じ。服装も自由で、皆ガンバっておしゃれしてきます。

 男の子はスマートなスーツやベストに若者らしい色の入った明るいシャツとネクタイ。女の子はおしゃれなワンピース、ドレスと高いヒールの靴、といった感じかな。

 どこの学校でも、卒業した後、たいていDebutantes Balls(通称Debs)と呼ばれるフォーマルなパーティーがあります。Debutantesとは社交界に"デビューする"若者のこと。

 まあ"社交界"というほど気張ったものでないとしても、大人の世界へデビューするパーティーで、皆それぞれフォーマルなスーツやドレスでおしゃれをしてきます。

 Andrewsの卒業式は、Debsの前哨戦という感じ?お化粧もバッチリ、いつもの制服姿よりグッと大人びて見えます。

 将来フォーマルなパーティーに出る機会もあります。フォーマルな場面にデビューすることをこの若い時期から意識させるのも、とても欧米らしい考えなのかも。

 そうはいっても、今年はファッションがややカジュアル化したように感じました。

 ジーンズやチェックのシャツの男の子もいたし。女の子も、今まではふわっとした素材のパーティードレスっぽかったのですが、流行を反映してか、バルーンぽいスカートだったり、もっとカジュアルな素材のワンピース・ドレスだったり。

 要は自分らしくスマートにおしゃれできていればいいのかな。

 まずは校長先生からお話がありました。

 若い校長先生なのでノリもよし。会場からは笑いがあふれます。

 「2009年度卒業生は、とても特別なイヤーで、チャレンジ精神に満ち、フレンドリーでいい仲間たちで…言い訳作るのも上手だったなぁ!なぜ制服のシャツがズボンに入ってないかとか…」

 大きな学校で、クラス数も7クラス+IBが2クラス。共学校らしい華やかさと、大学校らしいパワーがあり、会場は歓声と笑いに包まれます。

 ここは聖書の朗読ではなく、生徒代表がお気に入りの詩を読みます。

 女の子たちのクワイヤーが歌ったのは「ディズニー・メドレー」。選曲もミサ形式の学校とは違います。かわいいドレスに身を包んだ女の子たちのディズニー・メドレーは、華やかでかわいらしかった!

 歌の上手な女の子と男の子のデュオが歌ったのは、スティングのField of Gold。

 卒業証書とプレゼントの配布の後に、最後を締めくくったのは、ギター片手に自作の歌を歌う女の子でした。

 周りの歓声に途中、ブハッとむせてしまう場面も(笑)。「ごめん、やり直し!」と堂々としている様子も、カリスマ的でした。

 式の後、ホールの外でイヤーブックを売っていたので一冊買いました。イヤーブックはいわゆる卒業アルバムみたいなもの。

 皆の写真と一緒に、将来の抱負や興味などが書かれていました: アメリカで環境学をやりたい、ニューヨークでお芝居を勉強したい、トリニティ大学で医者の勉強をしたい、ヨーロッパ学を学びたい、5年後は日本で英語を教えたい(!)、など。

 国際的な学校らしく、夢も国境を越えてとても幅広い。皆がそれぞれの将来を夢見て、自立していて、堂々としていて…自分の進路や夢に自信のようなものを感じます。

 式の後は毎年食堂でシャンパンとイチゴが振舞われます。生徒が先生・両親公認でシャンパンを飲むのが許される夜です。

 その後、ナイトクラブに流れるのは、どこの高校も同じですね~(笑)


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DUBLIN NOW「Vol.12/アイリッシュ海で泳ぐ!」

2009-06-24 22:04:06 | DUBLIN NOW
 「マリタイム・フェルティバル」のあった6月第一週のバンクホリデー、この週末をはさんで1週間、ダブリンは雲ひとつない晴天でした。

サンディコーブの小さなビーチは人でいっぱい。
岩の自然の飛び込み台 @サンディコーブ
ポートマーノックの広いビーチも、海を求めてたくさんの人がやってきました。
 雲ひとつない晴天が続くことなぞ日本では驚くことではありませんが、アイルランドで1週間も続くなんて奇跡的!!

 みんな「アメ~ジング(ビックリ)」「アンビリ~バブル(信じられない)」という反応でした。

 その週末に、友人が自分のお誕生日会を兼ねて、バースデー・ビーチ・ピクニックを企画しました。

 場所はダブリン南部、ダンレアリー港に近いSandycove(サンディコーブ)と呼ばれるところ。「水着を持ってきて!」という指令。

 サンディコーブには「フォーティー・フット(40 foot)」と呼ばれる海水浴場があります。海水浴場といってもとっても小さなビーチと、岩場に囲まれた天然の海水浴場。

 ちなみに私のアイリッシュ海スイミング・デビューは去年の9月。やっぱ一度は泳いでみようとチャレンジしてみたけど、余りの水の冷たさに3分も持たなかった。。。

 こちらの人は特に準備運動をしている様子や、体を徐々に水に慣らしたりということもなく、威勢良く飛び込む!心臓麻痺起こしてしまいそう・・・と心配してしまいますが、皮膚や心臓が強いのかな・・・

 以前岩場のほうで泳いで、岩に足を引っかいて切り傷を作ったこともあるので、今回はマイルドなビーチの方で。

 ビーチは本当に小さいので、砂場はタオルを広げる人や砂遊びをする子どもでいっぱい。

 この週末は、ダブリンでは珍しく太陽がギラギラするような暑さ。

 ちなみに海水の方は・・・やっぱり冷たいっ!!!

 あふあふ言いながら、それでも何とか水に入ってしまえば体が慣れてきました。

 サンディコーブのビーチはとても穏やかで、水にプカプカ浮いているだけで気持ちがいい。少しビーチから泳ぎだしてみれば、すぐに広々とした海が視界に広がります。

 ちなみに一度水から上がってしまうと震えが止まらず、とてもまた海に戻ろうという気はしません・・・

 それでも夕方遅くにもう一度海に入っていった友達に、ヘイ、水加減はどう?と聞いたところ、「Beautiful!」。

 ビーチでは子どもに戻ったみたいに、みんなでキャッチボールをしたり、砂山を作ったり。

 みんなでランチやスナックを持ち寄ってピクニックをしながらのビーチ・パーティーは、とてもリラックスできて、自由な気分になれます。

 翌日は今度は別の友人と、ダブリンの北側、Portmarnock(ポートマーノック)のビーチへ!

 ポートマーノックにはとても長い海岸線が続いていて、その辺り一帯がビーチ。

 とても大きなビーチにもかかわらず、人でいっぱい!連日の晴天は、アイルランド人を「泳ぎたい!」という気にさせるようです。

 遠浅のポートマーノックの海は、どこまで行っても足がつく浅さ。それでも周り一面、海に囲まれながらふわふわ水の中を漂っているのは、やっぱり気持ちがいい。

 ちなみによく観察していると、街でたくさんアジア人を見かける割には、ビーチではアジア人を余り見かけませんでした。泳いでいる人となると・・・いない?(私だけ??)

 ちなみにこの日の海水も、決して温かくありませんでした。

 一度入ってしまえば慣れるけど、2度戻る気はやはりしない・・・

 例え異例の晴天続きでも、やはりアイリッシュ海の水温はアジア人には冷たすぎるようです。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「夏の帽子」

2009-06-22 21:44:22 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 まもなくアイリッシュ・ダービーフェスティバルが開催されます。

ナチュラルなテイストが、すっごい気に入っています。似合うか似合わないかは別にして、これを被ると、レディの気分。
 26日(金)は前夜祭っていう感じの、イヴニングミーティング(夕方から開催されるレース)、27日(土)は重賞レースもあり、さらに盛り上がって、28日(日)は、いよいよダービー!!

 ふだん競馬場に足を運ばない人たちも、この日だけは、と繰り出して、たいへんな盛況ぶりに。
 
 イギリスのダービーと同じく、アイルランドでも、この日はおめかししてレース場に出かける人が多いです。ひとつの楽しみとして。

 ドレスアップのコンテストもあり、女性たちは特に、アイディア満載の派手な装いにトライします。

 欠かせないのが、帽子。これはねぇ、一度被るとクセになります。
 羽根飾りや、コサージュのついたフェミナインな帽子は、夏の装いの大きな楽しみのひとつ。

 初めてダービーに行く年に、わたしも羽根つき帽子を買いました。
 向こうの人に比べたら、背の低いわたし(160センチ)は、つばの大きなものは合わないとアドヴァイスを受けて、こぶりで、シンプルで、でもかわいいやつ。と欲張りな注文を持ちつつ、でもヴィジョンがあると見つかるのですよね。ありました。

 すっごい気にいっていて、ほんとなら毎年、帽子はドレスに合わせて新調するものなのに、この帽子に合わせて服を考え、何年も被り続けています。

 こういう帽子を被った瞬間に、誰でも「レディ」になれるのです。あ、訂正。「レディの気分」になれるのです。
 
 ただ、残酷なことに、アイリッシュ・ダービーでは雨で寒い。ということも、まま、あります。

 賭け好きには、雨の日の馬場で、混戦になるのは楽しみのひとつなんですけれど、おめかししてきた女性たちには、気の毒以外の何ものでもありません。

 ひらひらのドレスで、鳥肌たてている女の子たちをたくさん見てきました。わたしだって、羽根つき帽子の上に、レインコートのフードをかぶせたことがあったもん。

 カラはいつだって風が強く、つばの広い帽子は、飛ばないようにするのもたいへんです。

 すこし深めのを選んだのは正解でした。

 個人的には、ダービーの前夜祭的な、金曜日の夕方に開催されるレースが好きです。

 週末に控えたイベントを前に、金曜日にやって来るのは、本気のレースファンだけ。

 なので、たいてい「こんなにすいてていいの??」っていうくらい、ガラガラです(笑)

 ダービー当日うちの庭の上空を、ダブリン空港から、カラへ向かうヘリコプターがひっきりなしに飛び交い、いっきに気分が盛り上がります。

 今のは、UKから参戦するトップジョッキー、デットーリを乗せたヘリかなとか、想像するだけでわくわくしちゃう。

 この頃は、大きなレースは家でテレビ観戦。ワイン飲みながら、カウチでだらだら見られるし、レースの模様もスタートからしっかりカメラが追ってくれるので、現場で見るのより、展開はじっくり見られますし。その場にいるよさは、興奮度の体感。これは、一度味わって、ソンないです。

 さて、今年のダービーや、いかに。


 @SAYAさん、メッセージをありがとう&ポストカード気に入ってくださって、嬉しいです!

お料理シリーズのリクエストが多いので、秋にはトライしたいと思っています~


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DUBLIN NOW「Vol.11/マリタイム・フェスティバル」

2009-06-17 19:42:27 | DUBLIN NOW
 6月の第一週の週末は月曜日がお休み(バンクホリデー)の3連休です。

 週末前の金曜を含めて4日間、ダブリン港付近のドックランドというエリアで、「マリタイム・フェスティバル」と呼ばれるイベントがありました。

 マリタイム(Maritime)とは「海の」という意味。

 昔の大航海時代を連想させる帆船がリフィー川沿いに並び、ワインのテイスティングや音楽のパフォーマンスなどがありました。

 そして川沿いには世界各国の食べ物やお菓子、クラフト、植物などたくさんのストール!まさに海運貿易のフェスティバルという華やかさ!!

 食べ物のバリエーションは本当に豊富で、目移りしてしまうほど。豚の丸焼きやドイツのソーセージ、オランダのチーズ、スペインのパエリャにレバノンのファラフェル、日本のお寿司のストールもありました。

 「チョコレートの泉」と呼ばれるストールでは、泉のように湧き出すチョコレートで苺やマシュマロをコーティングしていました。

 クラフトはネイティブ・アメリカンのアクセサリーや、フランスの陶器、フィンランドの毛織物、インドや中国などオリエンタルな雑貨もありました。

 植物は今が旬のアジサイやラベンダー、サボテン類のミニポットの詰め合わせなど。ひそかな人気、「ボンサイ(盆栽)」のショップもありました。

 以下はフェスティバルのフォトです!

リフィー川に停泊する帆船。
船上でバンドの演奏。
オランダのパンケーキ。たこ焼きみたい(笑)
ドイツのジャンボ・ソーセージ!熱々でとってもジューシー、ボリュームの大きさは食べ応えあり!
オランダのチーズ屋さん。バジルを練りこんだ緑のチーズもありました。
スウィーツ・ショップはとてもカラフル!
フィンランドの毛織物。雪国らしいかわいらしいデザイン。
小さなパイレーツ!
東ヨーロッパ出身のジャズバンド。バルカン地方のトラディションを取り入れた音楽はリズムがとても複雑。賑やかだったり、物悲しかったり、表現が豊か。


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「ハムサンボ」

2009-06-15 21:26:27 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 日本では花粉症といいますが、アイルランドではHay Fever。
 スギの花粉ではなく、干し草(Hay)のアレルギーがポピュラーなので、総称してそうよばれます。

シンプルなハムサンボ(サンドウイッチのこと)。弱った身体を立て直してくれます。
バリーズ社のフレーバーティ。しっかりベリー味。他国のものより価格も安いし、応援したい商品です。
 日本の花粉症は春先にピークがきますよね、ヘイ・フィーヴァーは、干し草が畑に積まれる夏が旬。

 乾いた草は細かく軽く、ふわふわと風に舞うんです。
 東京にいるときに、花粉症にかかったことは、過去2~3回というタフなわたしですが、ここ数年、アイルランドでヘイ・フィーヴァーに悩まされています。

 これもまた、症状が出る年と出ない年があり、何が原因なのか、よくわかりません。

 いくつかの要因が重なると起こるような気がするのですが、それは「芝刈り」「白ワイン」「飛行機で長旅したあと」のみっつ。それに、クモのいる生垣に近づいて、くしゃみがとまらなかったことも。

 健康なときは、自分でも庭の芝刈りをしますし、白ワインは大好きです。

 しかし、これがアイルランドに着いたばかりで、長いフライトのあとの、見えない疲れがあるのか、気温の差に反応するのか、近所で芝刈り機のぶーんという音がするなか、テラスで白ワインを飲んでいると、もういけません。

 くしゃみがとまらなくなり、ティッシュなんて上品なものは、アイルランド一般家庭では使わないので、トイレットロール(あ、部屋専用ではありますが)を抱え込むことに。

 乗馬をしたときに、厩舎で鼻がむずむずしたこともありました。
干し草のアレルギーで、ジョッキーの夢をあきらめた話は少なからず聞くので、アイルランド人も苦労しているようです。

 さて、今年の夏は、どうなりますでしょう??

 3月のアイルランド滞在時は、幸いまだヘイのシーズンでなかったので、アレルギー症状は出ませんでしたが、3日ほどですけど胃腸の調子が絶不調で、ひさしぶりに心細い思いをしました。

 これもまた、着いて1週間ほどしたあたり。やはり、長時間のフライトのあとは、すこーし休息をすべきと痛感。このときも、わたしにしては短い滞在だったので、着いた翌日から、がつがつと遊び歩いていたのでした。

 身体をこわしたとき、日本でなら、お粥ですが、アイルランドではまずポリッジ。やはりオーツのお粥ですね。あと、スープかな。

 でも、このときは、何をくちにしても、お腹が拒絶反応を起こし、食べるのが恐怖という気分でした。

 早く回復したいし、と珍しく力なくベッドですごすなか、食べたい気力を起こさせてくれたのが、ハムのサンドウィッチでした。

 ごくシンプルに、うすぎりのキューリか、レタスとぺらぺらしたスライスハムをふんわりしたパンではさんだもの。さっとぬったバターとマスタードがぴりっときいた、うすべったいハムサンボ。

 と、食欲が出てくれば、こっちのもんです。
 決定的に病気というわけではないので、足ならしに町へ出て、パンとハムを、ごくフツーのスーパーで買い求め、つくりました。ハムサンボ(写真参照)。

 材料と一緒に買ったのは、アイルランドの紅茶メーカー、バリーズ(わたしのイチ押し)のハーブティシリーズの新作で、ベリーのお茶です。

 弱っている間、紅茶すら「刺激が強い」と、ちょっと敬遠していて、さっぱりしたハーブティが飲みたいなと思っていたところ。

 アイルランドは、ミルクティ命!の国で、ハーブティは、ようやくポピュラーになってきたばかり。

 EUが始まってから、ドイツやら北欧圏からフレーバーティががんがん入ってきて、アイルランドの紅茶メーカーも、黙って見ていられなくなったのでしょう。

 バリーズの紅茶は、しっかりと茶葉の風味がたつので、贔屓にしているメーカーです。

 さて、ハーブティは?というと、これがまた、しっかりベリーの味がして、ホットでもアイスでもいけそう。

 弱った身体も、アイルランドの食品に助けられ、しっかり立ち直ったのでした。


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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.53/卒業 2009 - その1」

2009-06-12 20:54:11 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
 今年も卒業式シーズンがやってきました。
私も各校の卒業式をはしごする2週間。卒業式に各校の特色が出るのも面白いところ。

 では今回は、4つの高校の卒業式をレポします!

 5/15(金) 【カジュアル・フレンドリー系卒業式 Stratford College(ストラットフォード・カレッジ)】

校長先生からサーティフィケート(修了書)の授与。
ホストママとパパと。
学校のホールでランチパーティー。
 以前ホロコーストのレクチャーの記事を書いた、ユダヤ系の学校です。

 1学年1クラスしかない小さなStratfordは、学年を超えてみんなが知っているのが特徴。6年生は私服が許されていることもあって、カジュアルでフレンドリーな印象がある学校です。(もちろん遅刻とかの違反には厳しいですが!)

 卒業式もカジュアルなランチパーティー。学校のホールで行われます。
 ホールと行っても小さな学校のホールなので、日本の学校の教室をちょっと大きくした程度です。

 気取らないランチパーティーなので、中にはジーンズ姿など普段と余り変わらない格好の卒業生も。それでもせっかくの特別なお祝いのパーティー、スマートなドレスやワンピースやスーツでオシャレしてくる子達もいます。

 特にドレスコードもなく、誰でも好きな格好で参加できるのがStratford流。それぞれに無理がなく、着たい服を楽しんでいるのが受け入れられる、そんな気取らないところがいいところです。

 まず校長先生から挨拶がありました。中には幼稚園からいる子もいるので、人生のほとんどをStratfordで過ごした子も。そんな子達が、こんなに大きくなって卒業してく姿は、先生たちも感慨深いかと思います。

 ユダヤ教の先生からもお祝いの言葉があります。ユダヤ教のまあるい帽子を見ると、宗教を問わず生徒を受け入れている学校ですが、学校の伝統を感じます。
それから担任の先生。担任の先生は中学1年生からずっと持ち上がり。

 子どもたちの成長をずっと見守ってきました。中にはいろんな笑い話、困った話、いろんなエピソード、思い出があるようで、途中先生も胸いっぱいで言葉を詰まらせる場面もありました。(「別のこと思い出しちゃっただけよ」、なんて笑いを取っていましたが)

 今年の担任の先生はアートの先生ということもあり、20人程度のクラスから4人も美大に進学する生徒を出しています。

 その他音楽に秀でた生徒も。来年ダブリンの大学で声楽を専攻する女の子のオペラのアリア、アメリカのバークリー音楽院に進学する男の子のサックス、それからもう一人女の子のピアノの演奏があり、若い才能を披露してくれました。

 それから生徒代表の話。それぞれの生徒にまつわる思い出話を、笑い混じりに話してくれました。

 最後に5年生が作った卒業生のDVDの上映。芝の坂道をダンボールに入って転がってみたり、トイレの個室でナイトクラブしてたり、クラス全員で二人三脚もどきをやってみたり(笑)。

 あああ、何やっても楽しい時期、高校生ってそんな時間だったかも。終始笑いに満ちた卒業式でした。

(ちなみにみんなからの担任の先生へのプレゼントは、美術室から椅子をこっそり拝借、「雨の田舎道で寂しそうにたたずむアートルームの椅子たち」の写真でした。「ちゃんと椅子、返したわよね~」と先生。そんなユーモアもお茶目で楽しい)

 ICTの留学生は実は6年生からの転入生。
 5、6年生はリービング試験のための連続したプログラムなので、6年生から転校するのは本当に大変だったと思うけど、小さなフレンドリーな学校ですぐに溶け込みました。

 日本からいらして下さったお母様とお姉様も、彼女が友達、それから卒業式に来てくれたホストママとパパにたくさん愛されている様子にすっかり安心し、また3年という長かった留学生活の中で大きな成長を見出し、とても感激されていました。(よかった~♪)

 後でたまたまサックス青年と話すチャンスがありました。(すごく気さくないい子でした!)

 6年生から転入してきたSちゃんのことを、「彼女は学校を楽しんでいたね。みんなにもすぐに打ち解けて。彼女はグレートだ!」と褒めていました。

 (ちなみに彼はものっすごい渋い色のサックスを吹いていたのだけど、なんと1930年代のサックスだとか。新しいサックスよりも「深くてダークな音がする。キャラクターがある」そうです。)

 ランチはサラダや具を自分ではさむバーガーのビュッフェ。手で食べれるバーガーはまた、カジュアルできどらないStratfordらしい感じがします。

 子どもたちもいろんなテーブルをはしごして写真を撮ったり、先生たちと写真を撮ったり。

 その後は子どもたちは先生たちと近くのパブで、思い出話をしにまた出かけていきました。

 5/20(水) 【感動・ホーリー系卒業式 Holy Child School(ホーリー・チャイルド)】

クワイヤー(聖歌隊)の女の子たち。
神父様によるミサ。参列者席に飾られたバラがきれい。祭壇の前にはボールやアートの作品など、学校生活ゆかりのものが祭られています。
各国の言葉でのお祈り。左の男性は手話の通訳。
立派なーディナーの席。
本日のメインメニュー、チキンのハニー&マスタードソースがけ!
 こちらはDARTという列車で南に下ったキライニーというところにある女子高。
カトリック系の学校で、学校の構内にもマリア様の像がいたるところに飾ってあったり、チャペルがあったり、由緒あるカトリックの女子高です。

 こちらの卒業式は学校のチャペルで卒業式ミサでした。
 学校のチャペルのステンドグラスは圧巻。色の洪水で、キラキラした色が流れ込んできます。

 席にはピンクのバラが飾られていて、まるで結婚式のバージンロードのよう!?

 本格的なミサなので、教会のミサと同じような手順で進みます。服装も制服が指定されています。

 神父様や生徒代表が聖書の一説を読み、参列者はプログラムに従って祈りの言葉を唱和します。

 お祈りを各国の言葉-アイルランド語、日本語、手話、フランス語、ドイツ語、スペイン語、デンマーク語-で読み上げる儀式もありました。ICTのJちゃんも、日本語で家族への感謝と幸せを願うお祈りをみんなの前で読み上げました。

 式の間はずっと手話の通訳がつきました。他人への思いやりを大切にするカトリックらしい精神を感じます。

 式の合間に神父様が素敵なお話をしてくださいました― 自分らしくいることにチャレンジしてください、皆それぞれがユニークで違うのです、とそれぞれの個性を大切にしてくれる言葉。

 とかくクラスの人数が多くて、目立つことより周りの人と馴染むことが強調される日本では、個性が評価されにくい時もあります。

 一人一人の違いや個性を受け入れること、自分らしくいることを励ましてくれる思想は、欧米ならではかもしれません。

 そして何よりもすばらしかったのが音楽!!
 生徒たちで構成されるクワイヤー(聖歌隊)はまさに天使の歌声。

 ソロの女の子の歌声がチャペルに響き渡った時は、余りのホーリーさに涙が出ました。

 …というか、今までどの学校の卒業式も笑いと笑顔にあふれ、日本のような涙の卒業式とは無縁な感じだったのだけど、Holy Childの卒業式は、なんだかとても心にしみる、女の子らしい優しさに満ちた卒業式でした。

 目に涙を浮かべたご父兄もいらっしゃいました。

 式の後、椅子に飾ってあったバラは…女の子たちがバリバリ引き剥がしていました。

 ありゃー…と思ってたところ、実はそれはご両親へのプレゼント。それもまた可愛らしくて、女の子らしくて泣かせます。(私もJちゃんから貰っちゃったョ)

 その後はホールで本格的なディナーがあります。
 ちゃんとテープルクロス、フォークやナイフ、ナプキンもセットされ、ワインもサーブされます(ちなみに生徒はジュースのみ!)。

 立派なメニューも。メインコースはチキンのマスタードとハニーソースがけ。(なぜか私とJちゃんにはカレー味に思えたのだが…)

 そしてデザートに出たのふわふわのホワイトチョコレートのムースのおいしかったこと!てっぺんに乗ったラズベリーが可愛らしかった♪

 なんとディナーが終わったのは夜11時…

 それから有志の女の子は、町のナイトクラブに行くそうで、学校のトイレは突然更衣室に(笑)。ドレスアップ、メイクアップをする女の子たちであふれていました。
卒業式は成長を祝う特別な日。この日ばかりはそんなに遅くっても、ご両親たちも大目に見ているようです。

*****

他2校、Newbridge College(ニューブリッジ・カレッジ)、St.Andrew's College(セント・アンドリュース・カレッジ)の卒業式レポートは、次回お届けします!


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「続・フィドル」

2009-06-08 22:33:57 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 去年の7月に、フィドルを買った!と書いたきり、続報しませんでしたけど、レッスン受け始めてるんですよ!!(東京でも!これは後にまた書きますね~)

フィドル・レッスンを受けたスライゴーの象徴的モニュメント。いいでしょう?モーターウェイでスライゴーにさしかかるとき、丘の上にそびえています。
 一時の気の迷いではなく、しっかりと、わたしの暮らしのなかに、音楽が根づいてきています。

 3月のアイルランド滞在中、帰国ぎりぎりに、初めてフィドルを持たせてくれた「先生」マーガレットのセシューン練習会に参加することができました。

 マーガレットは、マークの従姉妹のひとりで、海藻料理でおなじみのプラニーの姉、やはりスライゴーに住んでいます。

 練習は、夜7時から始まって、1時間毎にメンバーを代えつつ10時まで続く長丁場。

 「ユミコは最後まで出なさいよ」と、ありがたいお言葉に甘えて全参加したのですが、なんとこの日は、2日後に開催される「発表会」のためのリハーサルで、参加者たちは真剣そのもの。そんなところに、こんな、ど初心者をまぜてくれるアイルランド人って、ふところ広いですよねぇ。

 各時間、10人ほどの参加者たちのセシューンは、なかなか圧巻です。楽器は、フィドル、コンサルティーナ、アコーディオン、ギター、ホイッスルなどで、年齢は10歳から70歳と多彩で、見てるだけでも充分楽しい。

 とてもかわったフィドルを使っている人がいて、なんというか色づけしてなくて、無垢の木のままなの。あとで聞いたら、わたしと同じ中国製のヤツで、塗りの部分をヤスリで削っちゃったんだって。

 クラシックだったら、あり得ない行為ですよね(笑)
 音にどう影響があるのか、今度はちゃんと聞かせてもらわなくちゃ。
そんな場に、いきなり参加で、ちゃんと弾けるかって?んなわけないでしょう~

 練習は、マーガレットの自宅の、暖炉のある居間で行われるのですが、まだ演奏に不安のある人たちが、キッチンに集まって、細かい指導を受けるのですが、そこにまざってました。

 耳で聞いて拾える音だけ、一緒に弾いてみます。すかさず「あら、ユミコ、フォローできるじゃない。素晴らしいわ!」と声をかけてくれるとこが、アイリッシュの素晴らしいとこだと思う。彼らは、ナチュラルに、いい教師なんですよね。

 昔なら、誰かの演奏を耳で聞いてチューンを覚えていくだけ。これが伝統音楽のメソッドです。

 今は、ほとんどの参加者が録音機材を持参してました。機械オンチのわたしも、今使っているのは、たまーに取材で持っていくボイスレコーダー。けっこうちゃんと録れるし、何より手軽で、操作簡単なのが助かります。

 これがなかったら、とてもじゃないけれど、チューンは覚えきれません、わたしは。残念ながら。

 でも逆に、楽譜を読み込むのでなくて、よかった。
 日本の音楽教育で、譜面はすこぅしわかるけれど、じゃあ、楽譜だけぽんと渡されて曲がつかめるかっていわれたら、絶対に無理。

 ただ、耳で聞いても、どうしても理解できない音のつながりを楽譜で確認できるというのは助かります。あ、ここって音符が、みっつあったんだーなんてね。

 アイルランドにいるときは、マークが仕事で出ている日なんて、は!っと気づくと5時間くらい弾きっぱなしのことも、ままあります。

 弾けるのが、たったひとつのチューンだったとしても、です。
 フィドル(バイオリン)って、ネックが短いでしょう?指が1ミリずれても、ちがう音がするの。これは、ものすごくびっくりです。

 むかーし、クラシックギターを習っていたことがあったのですが、フレットがあるので目安がつけやすかったし、この間ウクレレ弾いてみて、同じようにちっこいけど1ミリの指のずれでは、そーんなに音はちがわなかったように感じました。ウクレレ・フリーク、ちがっていたら、ごめんな。

 フィドルは、思い切り「微妙」な楽器です。
 ですから、たったひとつのチューンでも、あ、さっきと今とちがう。みたいな発見で、5時間くらい、すぐたっちゃうのです。アイルランド的な楽器だなあって、実感しました。
 
 まもなくアイルランドに出かけます。
 今回の滞在は、6月半ばから8月のはじめまで。
 大きなターゲットは、この時期に開催される、伝統音楽のサマースクール参加です。

 さらなる続報、楽しみにしていてください。


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DUBLIN NOW「Vol.10/ダラ司祭の本」

2009-06-03 19:20:41 | DUBLIN NOW
 アラン島に住むダラ司祭から、ケータイにメッセージが届きました。

ダラ司祭の本。
聖なる泉。泉からくみ出した聖水で新婦を祝福します。
スタンディング・ストーン。大地と空が繋がる場所。
廃墟の教会。ここで結婚の誓いを立てます。生の演奏はハープとティンホイッスル。
ウィッシング・ストーン。海を見渡す丘で結婚の願いをたてます。
素朴なイニッシュモア島の景色。サイクリングをすると気持ちがいい!
 「本の出版パーティーにご招待します。本のタイトルは"Globalisation of God"(神のグローバリゼーション)です。当日お会いできるのを楽しみにしています」

 ダラさんはアラン島でケルト信仰に基づくウェディング・セレモニーを執り行っている司祭さん。当社でも「ケルティック・ウエディング」としてご紹介しています。過去に何組ものカップルがダラ司祭の元で結婚の誓いを立てています。

 ウェディングには私も立ち会いますが、しばらくお会いしていなかったので、本の出版パーティーにご挨拶に伺いました。

 会場はダラ司祭のご家族やお友達など40~50人くらいの人が集まっていました。ワインも交えて歓談の時間がしばらくあった後、出版社の方からダラ司祭の紹介がありました。

 ダラさんはアラン諸島のイニッシュモア島在住。司祭という一面のほか、自らオーガニック・ファームを経営するエコロジストでもあり、地域の教育や環境保護に大きく貢献されています。

 温かい拍手に迎えられてマイクがダラ司祭に手渡され、出版された本についてダラ司祭からスピーチがありました。

 まずは本のカバーについて。これにはCuckoo(カッコウ)の雛の写真が使われています。

 カッコウはダラ司祭の一番好きな鳥でもあるそうです。島にもカッコウがやってきて、時々開け放った窓から入ってきて、窓にぶつかって気絶してしまうこともあるそうで、島の人にとっても馴染みのある鳥のようです。

 カッコウは通常他の鳥の巣に卵を産みます。大抵は自分たちよりも小さな鳥の巣に卵を産むので、どの卵よりも大きく、卵からかえった雛鳥はどの雛よりも大きく、やがては他の雛を押しのけ、巣を押し広げ壊してしまうほど大きくなります。

 ダラ司祭はこの雛の様子と、本のタイトル「グローバリゼーション」に共通点を見出しています: 企業や経済のグローバリゼーション(世界主義化)が進む今日、世界的な多国籍企業が国外にも進出し、もともとあったローカルの産業や会社、ショップなどを押しやったり、地元の環境にダメージを与えてしまっています。

 大きなものが生き残り、地域に根付いたものが失われていく様子に、ダラ司祭は危機感を感じています。

 グローバリズムに成功した宗教、ローマ・カトリックの支配の隙間にアイルランドで生き残ったケルト信仰― もともとアイルランドにローカルに根付いたこのケルト信仰の精神に基づき、「ケルティック・モンク(ケルト僧)」として島でローカル活動を続けるダラ司祭の哲学がここにあります。

 世界的経済危機に陥った今日、人々は利益追求主義、お金崇拝主義に行き詰まり、疑問を感じているとダラ司祭は指摘します。

 その時人々は、グローバリゼーションの行き過ぎた社会で、自分たちのローカルに自分たちのスピリットになるものがないことに気がつき、途方にくれてしまうのです。だからこそダラ司祭は、地域に根ざしたコミュニティとスピリットの結びつきを作りたいと考えています。

 本は一神教のローマ・カトリックが各地のローカルの信仰を押しのけ、信仰・教義を画一化して広まっていく様子が、今日の多国籍企業のグローバリゼーションのプロセスと似ているとして、ローマ・カトリックの広まり、それに対するケルティック・クリスチャニティ(ケルト・キリスト教)との軋轢などについて述べられています。

 宗教の歴史としてかなり専門的な内容のようなのだけど、一つの教義が世界に広がっていく様子と今日の画一化された多国籍企業の製品が広がって行く様子に共通点を見出しているところが面白い観点です。

 そんなダラ司祭が執り行う「ケルティック・ウェディング」は、自然との結びつき、またお互いのパートナーとの結びつきを強調しています。

 それって、どの宗教も教義も超えて、結婚生活、またはもっと広い意味で、人間の生活に必要なベーシックなスピリットなのではないかなと思います。

 具体的にセレモニーをご紹介すると:


1: Holy Well(聖なる泉)これはケルト信仰では女性性を現しています。泉は大地と繋がっていて、母なる大地の子宮だとされています。新婦はここに手を浸すことで、妻・母としての祝福を受けます。

2: Standing Stone(スタンディング・ストーン)こちらは男性性を現します。空に向かって伸びるように立つスタンディング・ストーンは父なる空と繋がり、パワーやエナジーを象徴しています。この石に手をついて新郎は夫・父として祝福を受けます。

3: Alter(祭壇)5世紀から立つ教会の廃墟で、結婚の誓いを立てます。ダラ司祭の元で指輪を交換します。

またHandfasteing(ハンド・ファッシング)という儀式も行います。これは「結婚」を表す英語表現「Tie the knot(結び目を作る=一緒になる)」から来ているセレモニーで、新郎・新婦の重ね合わせた手を、ダラ司祭がケルティックのリボンでプレゼントのように結んでくれます。

4: Wishing Stone(願いの石)廃墟の教会の外に立つ日時計(Sundial)の前で行われる儀式。胸ほどの高さの石に太陽の光が通る穴が開いています。石は「契約の石」とも呼ばれ、穴を通して新郎と新婦が指をあわせて、お互いの繋がりを確かめます。

 その後、穴に3度祈りを込めてスカーフが通されます。まずはダラ司祭が、それから新郎・新婦、また参列している人たちが、それぞれ3回スカーフを通し、結婚のお願い事をします。願いは健康、永遠の愛、子宝、など。

 最後に、ダラ司祭がカップルの周りに聖水を巻きながらサークルを描きます。カップルの周りに作られた聖水のサークルは、邪悪なものからカップルを守るお守り。二人の永遠の幸せを願ってくれるのデス。




 素朴なイニッシュモアの風景で、海と丘を見渡しながらのウェディングはとてもすがすがしいです。(晴れれば!)

 それぞれの儀式にこめられたシンボルや意味も神秘的。

 特に教義とか厳しい規律に基づいた儀式があるわけではなく、新しく夫婦になる人々に共通の結びつき(新郎と新婦、人間と自然)を自然の中で気づかせてくれるダラ司祭のウェディングは、とてもスピリチュアルです。

 それは権威や経済力など力で世界に広めようとする画一的なグローバリズムとは違って、人間が根本に持っているスピリット(相手を思いやる心とか自然を身近に感じる精神とか)に働きかけてくれるような気がします。

 そういえばね、何年か前にアテンドしたウェディングで、新婦さんのゲストにアイリッシュの老夫婦がいましたが、本当に感激してたっけ。

 形だけじゃなくて、ハートのあるウェディングは、国境を越えてカップルや参列者に何か大事なことを教えてくれます。

ダラ司祭の本のサイト:
http://www.aislingpublications.com/


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松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「アスパラガス」

2009-06-01 21:23:31 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 東京の実家のおとなりから、たくさんのアスパラガスをいただきました。
ソテー中のアスパラガス。ぽりぽりよ。ひとかけのバターは重要かも。
 ご両親は東京から長野に移住して、野菜づくりをしています。

 収穫の頃になると、みずみずしいお野菜をたくさんおすそわけしていただいて、しあわせです。

 アイルランドでも、夏が近くなるとファーマーズマーケットにアスパラガスの束が並びます。

 残念ながら、というべきか、そのほとんどはフランスからの輸入もの。
 アイルランドでは、アスパラガスを食べる習慣はなかったみたい。
 日本のスーパーなどで売られるアスパラガスは、3本とか5本とか、ちまちました束が多いですよね。

 アイルランドで売られているのは、20本ほどの大束で、赤と白のギンガムチェックのビニールでくるまれていて、かわいいの。いかにもフランスから来ましたって印象。

 でも、5ユーロちかくすることもざらで、5ユーロといったら、じゃがいもなら6~7キロくらい買える値段。食卓の主役がこの値段では、あくまで「添え物」という立場(アイルランドでは!)のアスパラガスは分が悪い。

 だけど、アイルランドは緑野菜の種類が少なかったせいもあって、アスパラガスは今も「珍重」感があり、季節も限られていることから、ちょっとフンパツして買っちゃおう、になります。

 お気に入りのイギリスのシェフ、ギャリー・ローズの料理番組で、アスパラを調理するならソテーがいいということをおそまきながら知ったのは、5年ほど前のことだったかしら。

 それまで、さっと塩茹でにしていたのですが。どうしても水っぽくなってしまうし、太さによって茹で加減がかわっちゃうし、茹ですぎると、がっかりですもんね。

 ギャリー・ローズは、いつものあの、しなやかな手つきでもって、長いまんまのアスパラをフライパンの上に並べ、オリーブオイルを優雅にまわしかけ、静かに弱火で5分焼いていました。

 確か塩コショウをちょいちょいっとして、最後にバターをいれて、フライパンを回しながらアスパラに味をしみこませていたと記憶しています。

 へー、これだけで、スジっぽくないのかな?と思ったものですが、やってみると案外すぐに火が通るのね。そのわりに、オーバー・クックということもなくて。

 これはいい!と、以来アスパラはソテーです。ああ、でも「おひたし」にするときは塩茹でしかないですよね。

 そういえばギャリー・ローズ、短い間デュラン・デュランに参加してたって聞いたことがあるのですが、今のプロフィールにはそんなこと書いてないの。聞きちがいだったのかな。

 どなたかご存知だったら教えてください。
 彼の料理は、今流行りの「簡単!手早くつくれる!」式料理ではなく、アート系。

 素材を吟味し、絶妙な調理方法と、さまざまなアイディアで食材と食材のコンビネーションを楽しむ、創作料理の達人です。

 ぱぱっと調理が主流になっているイギリスの料理番組界からは、少し遠ざかっているようにみえるギャリー・ローズは、事典のようなぶあつい料理本を出版したり、レストラン業は成功しているらしくダブリンにも支店があるほどですが。

 スライゴーのホテルに泊まったときに、ディナーのスターター・メニューから選んだのが「アスパラガスのポーチドエッグ添え」。

 朝食のメニューみたいだけど、この日は重たくない夕食をとりたかったので、嬉しいチョイスでした。

 オーブン焼きだったみたいなアスパラ3本の上に、ふくよかなポーチドエッグ、黄身はとろーりとアスパラにからまり、これは旨い。

 家では、肉や魚の添え物にするほか、リゾットやパスタに入れたり、キッシュの具にもよく使います。

 色鮮やかなのがいいし、ごちそう感も、ぐんとアップ。
 
 ともだちの家庭菜園で、アスパラが土にうわっているところを初めて見ました。
 友人いわく「植えたわけじゃなくて、何かの苗か種にくっついていたらしい」そうで、突然はえてきたのだとか。

 ビニールハウスの中で、唐突に2本のアスパラがつっ立っている図は、ユーモラスでした。

 でも、こんな風にひとつの苗(って言うのかしら??)から1本しか収穫できないわけですから、ちょいと高くても仕方ないなと、ひどく納得。

 友人も「なんだか、もったいなくて採れないのよ」と、こぼしておりました。 


*海の妖精さんからメッセージをいただきました。
前回の「渚の謎の物体」は、漂着したブイでは?と教えていただきました。どうも、ありがとう!

 これで夜、ぐっすり眠れます。
 あの、ブイって中に人が入れたりします?見つけたときに、小さな窓があり、中をのぞきこんだら、なんか長椅子のようなものがあったみたいなのですが・・・


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