アイルランド生活ブログ - 生活・料理・留学の情報満載 -

アイルランド在住者(精通者)によるアイルランド生活の情報を発信中!!

松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「mess」

2010-09-27 10:49:20 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 アイルランド人が苦手とするものは、片付けかな。

 いちがいにはいえませんけども。マークのママは、素晴らしく片付け上手で、50年以上家族が暮らした家なのに、余計なものがひとつもなく、台所もびしーっと整頓されていて、ものすごく感動しました。

 でもね、アイルランドで暮らすようになって、なにが驚いたって、食べ物ののったお皿や紅茶の入ったマグカップを床に置くこと。友人たちは、なんの抵抗もなく、お皿を床に置く。

 だって、外を歩いた靴の、すぐ脇よ?
 靴を脱ぐ習慣のない彼らは、靴を汚いってあんまり思わないふしがある。カウチの上にも平気で土足をのせるし。
 
 マークのオフィスについて行ったとき、週末で誰もいないオフィスのデスクに散乱したままのお菓子にも驚きました。

 封が開けっぱなしになったままのビスケットや、キャンディー。
これはね、ゴキブリのいない国だからできるのね。

 キッチンには、飲みかけの紅茶のはいったマグカップや、ミルクのついたティースプーンが山づみ。

 かつて、わたくしが会社勤めをしていた頃、こんな惨状のまま退社したら、翌日、お局さまにどやされました。それよりもなによりも、自分たちだって気持ち悪いしね。

 でもね、おおらかなアイルランド人は、いずれどこかで、ちゃんときれいにはするので、結果オーライだったらいいじゃんって感じで、限りなくeasy going です。
 
 こどものいる家では、惨状も日常化。
 食卓に、バターのついたパンがべとっと投げ出されたままなんてのはフツーです。

 ついつい、遊びに行った家で片付けすることもしばしば。すると「ああ、ユミコ、ずっとうちで暮らして!」と懇願されたりします。

 実はわたし、片付けは、かなり下手くそなほう。それが「Tidy」って言われるのですから、スタンダードはかなり低いようです。

 今思えば、日本の小学校には掃除の時間があるでしょう?あれは素晴らしいです。

 マークに言ったら、えらくびっくりされた。
 アイルランド人には「要領よく」って言葉がないようです。日本人なら、しょっちゅう言われるでしょう?いいことなのか、さほどよくないことなのか、迷い始めているんですけども。

 掃除って、すみからすみまでしようとすると、あ、不可能。って思う瞬間があるでしょう?

 要領よく、片付いた風にするコツがあるんですよね。たぶん。

 でも、待てよ?と最近思うの。
びしーっと掃除の行き届いている家に招かれたら、かえって少し息苦しい感じがする。

 テキトーに、ごたごたしているアイルランドの家庭って、くつろげるのよね。

 アイルランドにいるとき、肩の力の抜き方を学べます。もう、たやすく。
そして、われわれ日本人は、きれい好きという伝統を守りましょう。

 アイルランドの大家さんたちは、日本人が大好き。きれいに住んでくれると思っているようで、店子としては好まれているようです。

 ニューブリッジのうちの大家さんも、わたしには全幅の信頼をおいてくれています。

 少々プレッシャーだけど、励みでもあるかな。
 部屋をきれいにするのって、自分が心地よいこともあるけど、一緒に住んでいる人や訪れてくれるゲストのためだと、がんばれる。

 料理と同じかもしれない。

★松井ゆみ子さんのプロフィールはコチラから★
☆「松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー」投稿一覧はコチラから☆

⇒「松井ゆみ子さんの著書はコチラから購入できます!」

松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「おべんとう」

2010-09-13 18:21:11 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 U2のボノが、背中だか腰だかを痛めたと報道されましたが、その後日談。
って、こちらも報道されたものですけど。いい話だったので。

カレー味の炒めご飯。おかずのかわりにオリーブをちらしました。シンプルな、どか弁です。
 ボノの友人ボブ・ゲルドフのパパとボノは、なかよしなんだそうです。
たぶん90歳ちかいのじゃないかしら。

 最近その3人がパブに出かけたのだそうです。
 やはり腰痛持ちのパパとボノのふたりと、ボランティア精神に燃えるボブ・ゲルドフのとりあわせが、ダブリンのパブでパイントを楽しむ姿、すてきだと思いません?

 本日のお題は、上記した逸話にまったく関連のない「おべんとう」です。
 ひとりっこの特権で、わたしは長いこと母の手づくり弁当を楽しみました。
中学、高校も給食がなかったので、お弁当。おまけに育ち盛りでしたから、朝のホームルームが終わると”早弁”しちゃうので、お昼用とふたつつくってもらうようなこともありました。

 早弁用は、先生にかくれて、ささっと食べられるよう、ひとくち食べきりサイズのおかずで工夫されていたように思います。

 母と共謀してまで早弁。当時から食いしん坊でした。
 幸い母も、お弁当づくりがきらいではなく、けっこう楽しんでいる風でしたので、甘えて、会社勤めしてからもよくつくってもらっていました。

 そんなバックグラウンドが影響しているのか、わたしもお弁当づくりが、かなり好き。

 マークが仕事でスタジオにでかける日は、たいていお弁当をつくります。
 といっても、わたしがアイルランドにいられる間だけだし、日曜日でダンレアリのマーケットが開催されるときは、わたしがひとっ走り、ヨシさんとこのお寿司や焼きソバを買いに行ったりと現地調達するので、たまに、なんですけど。

 アイルランドでお弁当といえば、やはりサンドウィッチがメイン。
お昼は家に帰って食べるのがフツーだったようで、マークも高校の頃は、自転車こいで家に戻り、ランチしたと言っていました。

 今でも、ニューブリッジの家の窓から外を眺めていると、お昼どきに家へ急ぐ自転車を何台も見ます。

 アイルランドでお弁当づくりをするとき、サンドウィッチ以外のものをつくろうとすると、さて、案外むずかしい。

 日本米を使えば、もちろん簡単につくれます。日本のお米はすごいですよね。冷めてもおいしいから、持ち運んでもまったく問題なし。

 その点、じゃがいもやパスタなどは、サラダにすればまあオッケーですが、お米の柔軟さには負けますよねぇ。

 日本米があるときは、おにぎりなどつくって、卵焼きなど入れた、ごくあたりまえな日本風お弁当にすると、マークは異様に喜んでくれます。

 ほんとは、甘い卵焼きをおかずにする感覚が、まだよく理解できないらしいんですけど。

 それでも「こんなおべんと持ってくる同僚はいない」って、誇らしいみたい。
同僚たちは、近所でピザを買ったり、チップスやバーガー、クリスプスとりんごあたりですませているようですから。
 
 この日は、ロンググレインライス、日本でいう「外米」でつくった炒めご飯。
外米は、水分が少ないのでぽろぽろ。時間がたつと、さらにぽろぽろ。
でも、サラダっぽくするには日本米より向きます。

 この日の炒めご飯も、冷めるとサラダのような感じ。
 ドライなので、トマトをつめました。

 ロンググレインライスは、10分ほど煮て、お湯を捨てればできあがり。
お湯を捨てた後、ふたをしたまま2~3分蒸らすのが、わたし流。
スティッキーなライスで育ってるからね。どうしても少し、ふんわりさせたくなってしまいます。

 さて、次回の更新は9月の最終週。ひ~、もう9月も終わっちゃうの?早すぎ・・

 わたくしごとですが、この夏は、母が入退院をくり返し、お知らせしていた新刊の準備が、すっかり遅れてしまいました。ごめんなさい!

 おかげさまで、母はガッツで闘病し、家に帰ると好物の春巻きをぱくつき、辛いカレーで暑気払いをし、人間、食べられる間は大丈夫とあらためて思いました。

 ひとり暮らしの間は、エラソーなこと言ってたわたしも食生活がいっきに乱れ、料理ってやはり、誰かに食べてもらうから楽しいんだなと思う今日この頃です。

 ひとりご飯もきらいじゃないけど、それは気持ちに余裕があるときに限ってのこと。

 母が病院にいるときは、わたしもほとんど1日、病室ですごします。お弁当持って!

 残念ながら、母は病院で出されたものしか食べちゃいけないので、わたしが食べるだけなんですけど、食事の時間を共有できるのは嬉しいもんです。


★松井ゆみ子さんのプロフィールはコチラから★
☆「松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー」投稿一覧はコチラから☆

⇒「松井ゆみ子さんの著書はコチラから購入できます!」

松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー「結婚式」

2010-09-06 21:45:01 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 まもなくまた、レイタウンのビーチレースが開催されますが(今年は9月7日)、去年たまたま、開催される海岸近くの教会で、友人が結婚式を挙げました。

結婚式のディナーでいただいた夏っぽいデザート。
 レイタウンのビーチレースには何度も行ったことがあるのに、この素敵な教会にはぜんぜん気づかなかった。

 新婦の実家に近いという理由で選ばれた教会は、海岸のすぐ近くにあり、祭壇の後ろに大きな窓がしつらえてあり、そこから海岸が望めるのです。

 アイルランドに数ある教会のなかでも、海を一望できるなんて洒落た造りは、他にないのでは??

 もしあったら、ごめんなさいですけども、レイタウンの教会は、まるで映画のセットみたいに素敵でした。

 新婦のパパが所属する、地元のクワイアが素晴らしい歌声を披露して、ロケーションとあいまって感動的なお式になりました。

 主役はマークの親友のひとりFくん。
 はっと気づくとFくんとも17年のつきあいで、あんたに先を越されるとは、ねぇ。といった気分でしたけど、よい妻をめとってくれてヨカッタ、と、ほとんど母の気分。

 できちゃった婚なんてものじゃなく、すでに赤ちゃんは生まれており、このハレの日は、どこぞのシッターさんがケアしててくれたらしい。

 アイルランドでは、そんな珍しいことじゃない。と、思います。
 こども連れで、お式挙げるのも、今日びフツーになりつつあるようですから。

 お式の後のディナーは、小さなマナーハウスを借り切っての、贅沢なプライベートなものでした。

 ディナー前には、お庭(っていっても、広大)で奏でる四重奏(ときどきトラッド)をバックに、アペリティフを楽しむのですが、たいていはグラスのシャンペン くらいですけど、この日はふんだんに上質 なスパークリングワイン。ずっと気がきいてる、のんべにとっては。

 アイルランドの結婚式は、多様になってきています。
 今まで出席させてもらったお式はどれも、すごく個性的だった。

 ついこのあいだまで、離婚が認められず、今だって法的に認められるようになったけど、教会的にはNOで、正式に離婚したカップルが、披露宴だけするといった国です。

 別れる「自由」ができたのは、いいことだと思う。
 でも、日本のように、性格の不一致(一致って何?あり得な~い。一致がないから惹かれるんでしょうに)を理由にペーパーワークで離婚が成立するってのも、不健康に思えます。

 だからCONSIDERするのよ。

 長い夜、新郎のパパは、伝統的なシャンノース(独唱)を披露してくれました。

 ふつうなら、ダンス音楽で狂乱の夜と化すところをアイルランドらしい宴に仕上げ、ゲストを感動させました。

 結婚式。およばれしていただいてナンですが、正直「またか?」って思うときがあるんだけど、出席してみると、襟元正す気持ちになります。

 同時に、わたしらはどんな風にするか?って、いつもマークとディスカッション。

 アラン島イニシュモアでのケルティックなお式っていいよねぇと話題にのぼります。

 ICTでオーガナイズしていると聞きますが、印象深い結婚式を挙げるならアイルランドで。

 だって、お嫁入り前のわたくしですが、やはりお式はアイルランドで挙げたいです。

**お知らせ**
第2・第4月曜日に更新します! と、自分でお願い&お知らせしておきながら、更新日をまちがえました~。ですので、次回更新は9月28日ですけども、なんか間がだいぶあいちゃう感じなので、できたら21日の週にも書きたいと思っていますので、一応チェックしてみてくださいねっ!ゆみこ 拝
********

★松井ゆみ子さんのプロフィールはコチラから★
☆「松井ゆみ子のアイルランド・キッチン・ダイアリー」投稿一覧はコチラから☆

⇒「松井ゆみ子さんの著書はコチラから購入できます!」