アイルランド生活ブログ - 生活・料理・留学の情報満載 -

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スーベニアハンター「FILE_8:THE OLD JAMESON DISTILLERY編」

2005-11-30 07:06:39 | スーベニアハンター
 こんにちは! お土産探しに東奔西走しておりますスーベニアハンター・ブログです。

 アイルランドは、さらに寒さが厳しくなってきました。「寒いなぁ、寒いなぁ」と思っていたら、何と雪が降る始末。雪が降ること自体が珍しいというアイルランドですが、今年は例年より寒さが厳しいということで、あと何回かは雪が降りそうな予感です。

 さて、今回のスーベニアハンターは「THE OLD JAMESON DISTILLERY(オールド・ジェイムソン・ウイスキー蒸留所)編」です。
 
 ジェイムソン・ウイスキー蒸留所はスミスフィールド・ヴィレッジの近くにあります。スミスフィールドといえば、11月18日からアイススケートリンクがオープンしています。
 
 オールド・ジェイムソン・ウイスキー蒸留所は、1780年にジェイムソン家が蒸溜所を創業してから、1971年まで実際にウィスキーを製造していた蒸留所です。1997年にかつて蒸留酒製造所であった場所に、新しくウイスキーセンターをオープン。ガイド付きのツアーではウイスキーの歴史や、実際に使用されていた設備を見ながら、ウイスキーの製造過程を見学することができます。

 ツアーの最後にはBARでウイスキーの試飲ができるおまけつき。また、ツアー毎に約4名ほど、数種類の「利きウイスキー」に挑戦できるチャンスがあります。興味のある方はぜひトライしてください!

 ここからはお土産を見ていきましょう。最初にお断りさせていただきますが、ウイスキーファンの皆さま、申し訳ありません! 今回はウイスキーの紹介はないのです。このブログではウイスキー以外のお土産を紹介しますが、実際はTAX(税)が付加しない、お得なウイスキーがGIFT SHOPに勢ぞろいしています。アイリッシュ・ウイスキーをお買い求めの際はオススメです。ぜひ、オールド・ジェイムソン・ウイスキー蒸留所に足をお運びください。

 では、スーベニア・チェック、いってみましょう!

 GIFT SHOPはエントランスの左手にありました。GIFT SHOPの2階部分はカフェになっています。


GIFT SHOPは入り口の左側。2階はカフェ。


GIFT SHOPの向かいには小さなBAR。

 GIFT SHOPの正面にあるスペースでは、JAMESONの洋服が勢ぞろい。最近思うのですが、旅行に行くときには家から洋服をたくさん持っていかずに、現地のお土産で揃えるという手もありではないでしょうか。お土産用の服を着用して現地観光、まさに旅の醍醐味です!


旅のコツは荷物を最小限に。服はお土産屋さんで買いましょう。

 お次はクマのぬいぐるみです。クマのぬいぐるみは本当にどこのお土産屋さんでも売ってます。クマといえば、アイルランドの国土がクマの形に似ていることを皆さんご存知でしょうか? 興味のある方は、ググってみてください。


クマのお土産はもらってもクマ(困)りません…。

 日本より一足早く冬がやってきたアイルランドですが、暖かいコートは必需品です。軽装備でアイルランドに来てしまった方は、ぜひここでJAMESONのコートをお買い上げください。


JAMESONのコートで過ごす、暖かい冬。

 店内を散策すると、棚の片隅にひっそりと置かれたJAMESON印の鉛筆を発見。ここでも鉛筆はレインボーの輝き(FILE_4:NATIONAL MUSEUM OF IRELAND編参照)を放っています…。そんなに好きですか虹色…。


虹色の鉛筆では驚かない自分がいます。

 続いては無難なところで、JAMESONのキーリングとピンとマグネット。お土産はシンプルでかさばらないものが一番です。


お土産に困ったらシンプル路線でいきましょう!

 かさばらずに使い勝手が良くて、喫煙者の方におすすめなのは、もらっても困らないものライターですね。ナイスチョイス!


お土産魂に火をつけてくれるライター。

 お土産探訪を続けましょう。お盆を見つけました。でっかいフリスビーではない気がします。でも、ウイスキーを飲んで酔っ払ったときは、フリスビーとして利用するのもありだと思います。


フリスビー可です。

 お盆の次はお財布です。色の配色がさりげなくオシャレさんなアイテムです。でも刻印されているのはやっぱりJAMESONです。


置き忘れが少なくなりそうな色。

 観光地めぐりに疲れたときは甘いものでもいかがでしょうか? チョコレートとファッジ(キャンディーの一種)がありました。チョコレートはどこに行っても必ずありますよね。いつかお土産チョコ食べ比べでもしたいですね…。


どこにでもチョコレート…。


このファッジ、市内のお土産屋でも買えます。

 ウイスキー・マーマレードも発見。数種類あるようです。朝からパンにつけて食べたら、ほろ酔いしそうです。


マーマレードとウイスキーが出会い、そして誕生。

 最後はウイスキーの飲み方指南を記したガイドと、ミニ・アイリッシュ・ウイスキー3本セットをどうぞ。飲み方指南は表・裏でアイリッシュ・ウイスキー各種の香りや味、楽しみ方などの飲み方を記しています。

 この飲み方指南と一緒に「Jameson」、「Paddy」、「Powers Gold Label」の3つのミニ・ウイスキーがセットになったお土産を買えばバッチリです! 飲み方を読みながら、実際に飲む! 最高のコンビ・スーベニアですね。


アイリッシュ・ウイスキー指南はこれで。


一緒にミニ・ボトルセットをどうぞ。

 以上、THE OLD JAMESON DISTILLERY(オールド・ジェイムソン・ウイスキー蒸留所)編でした!


【THE OLD JAMESON DISTILLERY 所在地情報】
Bow Street, Smithfield, Dublin 7
Tel: +353 (1) 807-2355
Fax: +353 (1) 807-2369
URL: http://www.whiskeytours.ie/

[開館時間]
9.30am-17.30pm
※休館:クリスマス、イースター

[入場料]
Adult €7.95, Student €6.25, OAP €6.25, Child (Under 18) €3.50, Family €19.50


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松井ゆみ子のアイルランド日記「Vol.9/ファーマーズ・マーケット」

2005-11-28 07:23:34 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 週末に各地で開催されるオーガニック・マーケットは楽しい。

 ファーマーたちが自ら、自作の野菜や肉、チーズなどを売りにやってくるのだ。
どんな人たちがつくっているのかを知ると、食材にもぐっと愛着がわく。アイルランドでは昨今オーガニック食材への関心がとても高い。EU圏ではいずれ、すべての農作物をオーガニックにするというプランもあると聞き、素晴らしい! と大拍手。

Newbridgeのファーマーズ・マーケットで買った新鮮なオーガニック・ベジとワイルドフラワー
Newbridgeのファーマーズマーケット
マーケットのかわいいチラシ
 ダブリンのテンプル・バーで毎週土曜日に行われるマーケットに、先日久しぶりで出かけたが、たいへんな盛況ぶりだった。しかし、ありがたいことに、我が家のあるニューブリッジの隣町ネース(NAAS)にも、オーガニック・マーケットが、毎週土曜日に開催される。有名なチーズ専門店シェリダンが店を出すのも嬉しい。ダブリンまで行かずに、おいしいチーズや新鮮なオリーブが買えるのはとても助かる。パンもおいしいのよ。お気に入りは、デーツ入りコーヒー風味の、どっしりとした甘目のパン。若い青年の商う魚屋さんも、品が新鮮で愛用している。この間は、少し遅目に出かけたために、ほとんど売り切れ状態。最後に残ったサバを買おうとしたら「クリスマスってとこかな。持っていきな」と、タダでくれちゃった。大手スーパーで買うよりもずっとイキのいい魚で、充実のディナーになった。

 地元ニューブリッジにオーガニック・マーケットがたたないのは、ずっと残念に思っていた。去年あたりだろうか。ウィックロウ近くのファーマーがオーガニック野菜を売りに来るようになり、毎週金曜日、野菜の買いだめをするようになった。

 オランダ人のスタッフ、グァーダが売る野菜は、しっかりとそれぞれの野菜の味がする。ニンジンは甘く、マッシュルームはびっくりするほど料理に旨みを加えてくれる。「おまけね」と、くれたブドウも、よく熟してお菓子のように甘かった。

 健康食品屋のパーキングに、赤いビーチパラソルをたてた、にわか仕込みの店に出向くと、グァーダが「近々、場所を変えることになったのよ」という。いよいよニューブリッジにもファーマーズ・マーケットが開催されることになり、彼女の店もそこに並ぶのだ。楽しみがまたひとつ増えた。

★ニューブリッジのファーマーズ・マーケットは、毎週金曜日朝10時から午後3時。
 メインストリートの中心にあるコートヤード・ショッピングセンターの駐車場で開催。
 オフ・ライセンス(酒屋)のオブライエンズの隣あたり。


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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.5/トランジションイヤー後編」

2005-11-25 07:45:37 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
 今回は前回の続きとして、「トランジションイヤー後編」を掲載いたします。

■前編の記事はコチラから>>>
トランジションイヤー前編(2005/11/18)

 アイルランドで高校生たちがトランジションイヤーで何をするのか、興味を持っていただければ幸いです!

*    *    *    *    *    *    *    *

【レクチャー(講義)】
 社会で活躍する方々を招いての聴講です。身体障害者、TVプレゼンター、CM製作者、卒業生、緊急動物病院のスタッフ、エイズ・HIVの話、ボランティア団体スタッフなどなど…。様々な人の話を聞くことで、社会には様々な人や職業、問題が存在することを知ります。レクチャーは自分でノートを取って定期的に提出があったので、ぼんやり聞いていてはいけません!

【外国語】
 フランス語、ドイツ語、スペイン語から選択します。言語だけではなく、ドイツ人の有名人についての調査発表や、サルサ(ラテンアメリカのダンス。ラテンアメリカはブラジル以外はスペイン語)なども行ったみたいです。アイリッシュの学生向けには、日本に在住経験のある先生による“ジャパニーズ”のクラスもありました!

【IT(Information Technology情報技術)】
 コンピューターの知識はいまや必須の時代。あらゆる科目でコンピューターの知識が必要で、インターネットもリサーチのために大事な資料源の一つです。マイクロソフト社のコンピューター実技試験を受けました。

【クッキング】
 これは男の子もやります! 授業で作ったチョコレート・ブラウニーをYちゃんがオフィスに差し入れしてくれました。オイシカッタ♪

【環境学習 (Environmental Studies)】
 ダブリン湾の地質を資料で調べたり、観光について考えたそうです。実際にダブリン湾にも行ったそうです。(なぜか絵を描いたそうです)

【社会発展学習 (Social Development Studies)】
 南北問題について先生からレクチャーがありました。どうやったら世界の経済格差がなくなるかなど、エッセイも書きました。Yちゃんは、この授業を通してこの発展途上国や国際協力の分野に興味を持ったそうです。

*    *    *    *    *    *    *    *

・・・などなど。

 机にかじりついた勉強ではなく、社会の様々な人と出会ったり、一緒に作業をしたり、新しいことを体験したり、という一年だったようです。これらの体験を通じて、自分の得手・不得手や興味をよく考え、来年に備えます。

 トランジション・イヤーでは、人と協力しあう協調性や社会のことを学びました。また、エッセイやノートの提出もたくさんありました。これは決まった答えなどなく、自分で調べたり、感じたことを、自分の言葉で表現するスキルが求められます(しかも英語で!)。

 先日、去年トランジション・イヤーを体験したみんながオフィスに来て、トランジション・イヤーを振り返ってくれました。「まだまだいっぱい間違っているだろうけど、“書く”ということに抵抗がなくなった」とY子ちゃん。去年一年で身につけた自己表現のスキルは、5、6年生で確実に役立ちそう。Aちゃんは「もう一回、トランジションやりたい!!」って(笑)。

詳しくは高校生の体験談をお読みください!


St.Andrew’s College Sくんの体験談はコチラ
St.Andrew’s College Aちゃんの体験談はコチラ
St.Andrew’s College Yちゃんの体験談はコチラ


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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.5/トランジションイヤー【体験談】Yちゃん」

2005-11-25 07:43:37 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
【歌が大好きなYちゃんのコーラス活動と図書館勤務体験記】(St.Andrew’s College)

 私は昨年トランジションイヤーを経験しました。私がトランジションイヤーで選択した教科は必修の英語と数学のほかに、ビギナードイツ語、社会(地理&歴史)、美術、音楽、イタリアンカルチャー、室内コーラスをとりました。

 私のお気に入りはドイツ語で、先生がとっても愉快だったので、授業が毎回、とっても楽しかったです。室内コーラスでは、クリスマスにはクリスマスソングを、そのほかにスペイン語、フランス語、アイルランド語の歌も習うことができて、とてもおもしろかったです。春にはチェコのプラハにコーラスの仲間と一緒に行って、合唱コンクールに出場しました。チェコは本当にステキなところで、古い街並がヨーロッパらしくて感激したのを覚えています。

 金曜日の午後には、スポーツの時間がありました。ロッククライミングやカヌー、キャンプ、アーチェリーなど、今まで経験したことのないことをたくさん体験することができました。トランジションイヤーは2回、大きなプロジェクトをやらなければいけなくて、それが大変だったけれど、新しいことにチャレンジできるいい機会になりました。もう一度トランジションイヤーをやりたいくらいです♪

【チェコのトリップ】
 コーラスの仲間たちで行ったチェコのトリップでは、そこで行われるコーラス・コンクールに出場しました。チェコに着いたその晩、ヨーロッパ中から集まった出場者たちと一緒に開会式に行きました。そこで、チェコの混声合唱団の人たちが、歌を歌って歓迎してくれました。最初はチェコ語、次に英語の歌、ドイツ語、スペイン語、ヨーロッパ中の歌を歌ってくれたかと思うと、次にはインドネシアの歌、中国、韓国、それに日本の歌も、その国の言葉で歌ってくれました!(日本の歌は♪ いい湯だな♪ の曲で、ふりつきでかわいかったです♪)

 チェコの観光では、きれいな教会を見たり、お城に行って兵隊さんが行進するのを見ました。一番印象に残ったのは高いところから見えたプラハの街並!! あの景色は大好きです!! とっても素敵!!

 チェコのおもしろい所は、長くて急な、とっても早いエスカレーター!! すべり台みたいで、お気に入りです♪ また乗りたい!! 地下鉄を使う時に、エスカレーターを使うのですが、チェコに行く場合は楽しみにするといいです(笑)。

 自分たちの発表の時は、響きのきれいな教会で歌ったのですが、とっても楽しく歌うことができました。最後の日に出場者全員でやったパレードも、エンジョイして、すべてが楽しかった、すてきなトリップでした♪♪  いい思い出です♪♪

【Work Experience】
トランジションイヤーではWork Experience(職業体験学習)をすることができました。私は家の近くで、図書館司書というのに少し興味を持っていたというのもあって、Bray Libraryというところで二週間働かせていただきました♪

 コンタクトは図書館で直接。

 「セント・アンドリュースカレッジのトラジションイヤーステューデントなんですが、ここで○月○日~×月×日までの二週間、Work Experienceをさせていただけないでしょうか?」

 と聞いたら、司書の方はにこやかにスケジュールをチェックして、次回必要な書類を持ってくれれば大丈夫よ、と言ってくださいました♪

 司書の方もいい人そうだし、のんびりお仕事ができるかなぁ~なんて思っていたのですが、実際のところ、図書館司書のお仕事はとってもハードです!

 私のしたお仕事は・・・、最初の頃は慣れるようにと、子供の本専門で、「1週間後には慣れて大人の本もできるわ」と言われたけど、2日目には慣れて、やることが無くなってしまったので、両方の本をやることになりました。

 そのことについて最初は「自分、結構できるじゃん!」と思っていたのですが、両方を管理するのは重労働と言っていいくらいにハードなものでした。

 9時30分に図書館に行き、まず荷物を2階の部屋に置いて戻って、前日に返ってきた本を棚に戻す作業。
本を戻しながら、違う場所にあるべき本を見つけたら元の場所に戻し、棚の整理もする。

 10時になると、人がどんどん図書館にやってきて本を貸し借りがはじまってしまうので、少しでも前日のものは消費しておきます。

 開館すると本はどんどん返ってきます。一度すべてを棚に戻し終わっても、帰ってきたら本が山積みなんてことも。

 アルファベット順に並べる本、ジャンルごとに番号順で並べる本、特別な本など、本を一冊一冊確認しながら戻していきます。もちろんこれも、本をきちんと整理しながら。私の頭の中ではアルファベットと数字がぐるぐるまわっていました(>_<)

 慣れてくると、どこらへんがどのアルファベットか、どのへんに何のジャンルがあるか、もう覚えてきちゃうんです。

 本の背にあるアルファベット、または数字を見て、「あ、あっちの棚だな」なんて風に。だから、人に「○○に関する本を探しているんだけど・・・」、「○○の本はどこですか?」なんて聞かれた時に、「あちらですよ~」と答えられた時は、自分に感動しました(笑)「かっこいい~!」って(笑)

 図書館司書の方が忙しい時は、コンピューターで本の借り出し、返却の手続きのようなことをしたり、司書の方がずっと探している、迷子の本を膨大な本の中から探し出したり・・・。

 人が少なくなった時は、古い本を探し出してスタンプを押して分類したり、新しい本にクリアカバーをつけていったり・・・。小さな子供用に、塗り絵用の絵をインターネットで探し出し、印刷したりもしました。

 とにかく、図書館中を行き来して走りまわった2週間、結構疲れました! でも、人が探している本を探してあげて、その人から「ありがとう」といわれた時は、疲れが吹っ飛びました。やっぱり人を助けるお仕事がしたいな。

 それでもって、私の得意な分野を活かせることのできる職業。


St.Andrew’s College 美術が得意なSくんのアイルランド芸術挑戦記はコチラ
St.Andrew’s College 異文化に興味のあるAちゃんのトランジション・イヤー体験談はコチラ

■トランジションイヤーの記事はコチラから>>>
トランジションイヤー後編(2005/11/25)
トランジションイヤー前編(2005/11/18)

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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.5/トランジションイヤー【体験談】Aちゃん」

2005-11-25 07:37:09 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
【異文化に興味のあるAちゃんのトランジション・イヤー体験談】(St.Andrew’s College)

 今年で留学2年目に突入。去年の今頃、学校に入学したての時と比べれば、だいぶアイルランドにも慣れて英語に慣れたと思う。

 私は今年からはLeaving Certificateというコースで勉強しています。

 去年はTransition Yearにいて、日本ではできないようなことをたくさんやった気がします。特に印象に残っているのは、ミニ・カンパニー、スペイン語、イタリア文化、アイルランド文化、PE(体育)の授業。ミニ・カンパニーは自分たちで架空の会社を立ち上げてホームページを作ったり、実際自分たちで製品を作って、学校内で売ったりしました。私は友達とアクセサリーの会社を作ることにして、ビーズでブレスレットやピアスを作りました。

 スペイン語は私の得意だった授業で、前から英語以外の言語を勉強してみたいと思っていたので楽しかったです。語学以外にもスペインの文化の勉強として、サルサダンスを踊ったりしました。

 イタリア文化の授業では、イタリア語を勉強したり、ヴェニス、イタリアン・マフィアについて勉強しました。たまにイタリア料理をみんなで作ったりして、すごくおいしかったのを覚えています。ただ、スペイン語とイタリア語を同時に勉強するのはハードでした。

 アイルランド文化の授業は、アイルランドの童話、歌、言語、アイリッシュダンス、スポーツについて勉強しました。アイルランドの文化について知ることのできる興味深い授業でした。

 PE(Physical Education=体育)では本当にいろいろなことをしました。ロッククライミング、カヌー、ヒルウォーキング(山登り)、アーチェリー、スカッシュ、etc… アーチェリーではアイルランドの元オリンピック選手に教えてもらって感激しました!!

 去年はこんな感じで、勉強プラス色々なことをしました。学校外ではWork Experience(職業体験)として、私は日本食レストランで2週間ウェイトレスとして働きました。バイトをしたことはなくて、働くことは生まれて初めてで、しかも英語で接客というのはすごく大変でしたが、今思えば色々なことを学べた有意義な2週間でした。


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トランジションイヤー後編(2005/11/25)
トランジションイヤー前編(2005/11/18)

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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.5/トランジションイヤー【体験談】Sくん(3/3)」

2005-11-25 07:23:53 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
【美術が得意なSくんのアイルランド芸術挑戦記(3/3)】(St.Andrew’s College)


 当日のオークションはサザビーズ主催のオークションくらい本格的で、目が飛び出そうになりましたが、午後5時から食堂での展示、7時からワインやおつまみを振舞い、この頃になるとかなりの来場者が訪れていて、頭がくらくらしてきました。参加者は名簿に名前を記入し、番号札を買います。その札を使って競りを行います。

 展示された落書きは全てフレームとガラスの処理が済んでいて、その横にはプロフィールが記載されています。僕の作品は80番台で、プロフィールには『S K(僕の名前が載ってます), 4th year student in St. Andrew’s College』とありました。

 オークションの始まる前は自分もその場にいましたが、沢山の友人たちからコメントをもらいました。一緒のクラスの女子生徒からは、構図や技法の技術的な面までも有意義な話をしましたし、違う女子生徒からはかなり深い感想をもらい、果たして「落書きって日本語でなんていうの?」など日本語の話になったりしました。友人の男子生徒からはモミクチャにされました。

 しかしもっとすごいことは、そこにアイルランドの教育省の長官さんがいらっしゃっており、校長先生の案内を受けて、作品を見ていましたのです。そこへ、友人が「自己紹介してこいよ!」などと冷やかして、長官の前へ押し出されましたが、次には自分がこれらを製作しました、と言うと「Well done!」(よく出来ましたね)といわれ握手をしました。留学生ではかなり稀な体験です。

 そうこうするうちに8時になり、大講堂でオークションが始められました。本当に本格的で、ステージの上にはスクリーンが準備されており、そこに作品の画像を映し出すのです。あの大きい画面に自分の作品が!と思うとドキドキしてきました。最初に校長先生と教育省長官の話があり、次にプロのオークショニア(ハンマーを叩く司会者)が呼ばれました。これこそ本物のオークションです。しかもパンフレットには79,82,87番S K(僕の名前が載ってます)とありました。

 オークションが始められ、セレブリティーの落書きが次々と競り落とされてゆきます。ボノのサインなど500~600ユーロで買われてゆきます。自分の番が近くなるにつれ、緊張は高まり、となりの友人など何回も「あと○個でキミのだぜ」と言います。

 僕の作品ではトップバッターの風景画の前の作品が競り落とされ、自分の絵がスクリーンに映し出されました。心臓が爆発しそうになりました。オークショニアが「ナンバー79。S K?(僕の名前です) 聞きなれない名前ですが・・・100ユーロから・・・誰もいませんか?」するととなりのトムは「Come on!」と客をうながすように言い、オークショニアは「では50から。はい50、60、70、80、90」と値が上がって行き、100の大台を超えたときは友人たちから拍手がおこり、最終的に130ユーロでハンマーが叩かれた時には、回りから拍手、口笛、歓声があがり、あまりにすごいのでオークショニアが「彼はここにいるんですか?」と会場にたずねたほどです。たずねられた僕はその場に立って会場の観客におじぎをしました。座ったときの反響はもっとすごかったです。

 次のモナ・リザは120ユーロと風景画より10ユーロほど安い値段で落札されました。やはり、気品がありすぎるモナ・リザはかざるのに困るのか、そういった面で額が低くなったようです。

 87番の一番高い値がつくであろうと予想していたリンゴの画の時はものすごくしずかだったような気がします。僕は前のイスを見ているより他にしようがありませんでした。100ユーロから始められ「120、140、160、180」と、どんどん値が上がり、少し間があり、200ユーロを超え、240ユーロで買われました。その時自分は目を大きく開き、口を手でおさえていましたが、最初のときよりすごい拍手には死ぬかと思いました。

 その後は回りからたくさんコメントと賛辞の言葉をいただき、オークションは終了。45000ユーロ、日本円にして630万円もの義援金を集めることができました。

 オークションが終り、落札者の清算の時には、自分の作品を競り落とした人と握手し、会話しました。一番印象的だったのは風景画を競り落としていただいた婦人で、「この絵は魔法のようだわ」、「あなた、きっと大物になるだろうから裏にサインをちょうだい」とサインと年齢と日付を書きました。

 その婦人の身内と思われる男の人からは何度も握手して「君は本当に才能があるから、がんばってな」と言葉をもらいました。

 その翌日は、先生や、友人からたくさんコメントをもらい、喜びをもう一度味わったものです。例のごとくある先生からは「リンゴの画はすごくよかった。お金は払うから個人的に描いてくれないか?」と頼まれました。

 自分の絵画が売れたのもそうですし、たくさんコメントをもらったのもそうですが、間接的にせよウガンダの学校の助けになっていると思うとうれしいですし、このような催し物を企画した学校もすばらしいと思います。

 以上がこの一年で僕が体験したことですが、芸術の面から見て、アイルランドが日本よりも開かれた文化を持っているということ、またその可能性を感じ取ることが出来ました。5年生からは全く違う学年で、このような活動はほとんどありませんが、形を変えて、人々の助けになるような活動をしようと考えています。

 最後に、いかに文化が開けていようと、誰もが成功するとは限りません。才能もそうですが、自分自身の努力も大切だと痛感しています。日本を離れて、アイルランドに行けば、もちろん可能性が広がることは確かだと思います。ですが、それも自分自身の才能を磨くという努力にかかっているのではないでしょうか。

 実際に留学を決意した後は、学費などの実質的な面にも大きな障害が出てきます。僕の場合、留学前、日本では両親と自分の将来について、様々な話し合いをしました。皆さんの中には、もしかすると、話をする中で、留学だけではなく、別の最良の道が見つかるかもしれません。そのような点をよく理解し、まずは家族で話し合うのが大切なことだと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.5/トランジションイヤー【体験談】Sくん(2/3)」

2005-11-25 07:16:49 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
【美術が得意なSくんのアイルランド芸術挑戦記(2/3)】(St.Andrew’s College)

 ある日、グラフトンストリートで似顔絵を描く仕事をしていると、いつものようにGARDAI (アイルランドの警察官)が「どいてどいて」と言いに来ました。その時、僕は冗談まじりにその警官の人に「お子さんの似顔絵でもいかがですか?」と聞きました。

すると、

「ん?キミは似顔絵を描くのか?」

「はい」

「そうか、じゃあちょっと俺のかわいいベイビーたちを頼もうかな?」

とサイフから子供の写真を取り出しました。

「どうだ?かわいいだろ?今ちょうど2歳なんだよ」

 といろいろ会話を交わし、GARDAIの子供たちの似顔絵を描くことになりました。結局GARDAIは「悪いね、ほんのちょっと右にズレてくれないかな?じゃあ絵ヨロシクたのむよ」と言って、パトロールに戻っていってしまいました。

 話は学校に戻りますが、アイルランド以外の国籍の生徒のためのアイルランド文化について触れる授業で、アイルランドの昔話をベースにマンガを描くプロジェクトが課されました。僕は『セッタンタ』というアイルランドの英雄の話を描くことにしました。

 8歳にして国技ハーリングの天才のセッタンタは、伯父のアルスター王のパーティに呼ばれましたが、他の友人たちと遊んでいて遅れたため、それを知らないアルスター王は城の外に警備のため巨大な猛犬を放ちます。城の近くまで来たセッタンタは突然その犬に襲われますが、彼はその犬めがけてハール(野球で言うバット)でボールを打ち、犬を殺してしまいます。その責任のためセッタンタはアルスター王が代りの犬を用意するまで一人で城を守った、という話です。

 ちょうどプレミアリーグが人気なので、キャラクターを各クラブの選手に置きかえて描いたところ、これがまた先生や友人たちにかなり受けて、友人の一人からは「ビジネスになるぜ」などと言われ、最終的に先生から一等賞ということで、おかしを一箱と心付けをいただきました。「ビジネスになるぜ」というあの言葉からも、やはり文化的感覚の違いを感じさせられます。

 最後のエピソードとして今年最大、いや、人生最大だったかもしれないイベントを紹介します。

 2005年5月に『セレブリティー・ドゥードル・オークション』というイベントがありました。アフリカのウガンダという国へのボランティア活動の一環としてアイルランドやイギリスの著名人からドゥードル(落書き)を集めて、オークションにかけ、落札金を全てウガンダの学校などへ寄付するというものです。日本では聞いたことのない行事です。今まで、ひとつの学校がこのようなものを開催した憶えがありません。

 集められた落書きというのも超一流・超一線で活躍するアーティストやアスリート、シンガーなどのセレブリティーたちばかりです。

 まず手始めにはアイルランド出身の世界的な知名度を誇るロックバンド『U2』のヴォーカル、ボノのサイン入り落書き3枚や、英国の歌手スティング、アイルランド出身のシュネイド・オコナーやウェストライフ、若者に人気のキングスオブリオンやコールドプレイのヴォーカル、クリス・マーティンなど、タイガー・ウッズのサイン入りキャップや、パドレッグ・ハリントンのシャツ、その他アイルランドのアーティスト、小説家、スポーツ選手、テレビ、ラジオ関係者など、総数112点もの作品がオークションにかけられました。その他、アハーン首相、歌手のクリスティ・ムーア、ノーベル文学賞受賞者の詩人シェイマス・ヒーニー、シネイド・オコナーの弟で作家のジョセフ・オコナーなどが名を連ねていました。そのうち、3枚のアクリル画は僕の作品です。

 オークションの3週間程前に学年主任の先生から「何か書いてもらえないか?」と、ちょうど火災報知器の鳴りひびく中で頼まれました。その後、美術の先生から、単独でかざれる奥行きの大きなフレームのキャンバスを3枚いただきました。

モナリザの模写
 当初はこのような大規模かつ格式ある本格的なオークションだとは全く考えておらず、クリスマスの時と同様と思っていたので、「練習くらいに」と、モナ・リザの模写でレッドやブラウンの入り混じった重量感のある背景に、「オリジナルをそのまま描くよりも自分なりの解釈を入れたモナ・リザを描こう」と、かわいらしくするために、目にキャッチアイという光の反射を入れたりしました。自分なりにはオリジナルは少々暗すぎると思ったからです。これには一週間ほど手を入れました。

 次に、静物が好きなので、買う人の立場に立って、かざりやすく、かつインパクトのあるスティルライフとしてオーク交じりのレモンイエローを背景に真ん中にホストファミリーの家にあったワックスなしの少し青いリンゴをボンっと置きました。左上方からの光を置き、ハイライトとシャドウをつけ、リンゴの表面のレッドやイエローの粒上の模様などは回りをマスキングして、上から水っぽいアクリル色ののった筆をデコピンしてまばらに散らしました。こちらは3日で仕上げました。

 最後にハクトウワシを描こうと思いましたが、静物はもう描いてしまっていたので、ジャンル性を意識して、風景画(ランドスケープ)にしました。図書館のワシの本にのっていた、森と山と青空をバックにした湖面の上をハクトウワシが飛んでいるのを200~300メートル前方から写した写真です。これは時間が取れなかったため、一日で仕上げました。

 美術の先生に作品を持っていったときはやはり反応がよく、本番を楽しみにしました。



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アイルランド・ハイスクール・ダイアリー「Vol.5/トランジションイヤー【体験談】Sくん(1/3)」

2005-11-25 06:52:54 | アイルランド・ハイスクール・ダイアリー
【美術が得意なSくんのアイルランド芸術挑戦記(1/3)】(St.Andrew’s College)

 これからアイルランドへ留学を考えている方々へ。一年足らずですが、アイルランドで美術の他、沢山の経験をしてきました。その経験から、アイルランドにおける芸術の包容力のすごさを紹介したいと思います。

 僕が始めてアイルランドにおける芸術文化の包容力のすごさを実感したのは2004年のクリスマス前に行われた行事です。

 『クリスマスフェア』と呼ばれるこの催しはトランジションイヤー(=4年生。日本の高校1年生)のボランティア活動の一環で、生徒が手作りしたパン、ケーキなどのお菓子の販売、美術のクラスを選択した生徒の描いた花のアクリル画のオークションなどが行われました。売上げ金は全てアフリカへの義援金として使われます。

 まず学校を挙げて、このような規模のボランティア活動が行われることに感動しました。当日は保護者の方々や一般の方々が多数訪れ、とても盛り上がりました。

 この催し物で、『Flower For Africa』と呼ばれる生徒製作の草花のアクリル画を僕も一点出しました。作品はブラウンの背景に、右下のパープルの花びんから、校内で見つけたオレンジとホワイトのフューシャを4、5本垂れさせた静物画です。当日、先生に提出したところ、とても評判が良かったのを覚えています。本番では全てのアクリル画が30ユーロ(当時日本円で1ユーロ135円ほどです)からスタートするオークション形式(買いたい人がノートに名前と値を書いてゆく形式)だったのですが、友人には「100ユーロは下らないよ」と肩をたたかれました。

 結局、学校の警備員の方に60ユーロで落札していただきました。そのオークションでの最高額でしたがそのことよりも、周りの反応におどろきました。しゃべったこともないような生徒からは「君の絵はうまかったよ。最初見た時はなんてこった!って思ったよ」というコメントを受け取り、美術の先生からは「そのうち私のためにも一枚描いてね」と依頼されてしまいました。

 後日、絵を落札した警備員の方と話しましたが、ホワイトのフレームをつけて、家に飾っていただいているそうです。実は結果だけではなく他の生徒の作品にも衝撃を受けました。パープルの下地に、シルバーで切り絵のようにシャープなラインで描かれた物など、日本人との色彩感覚の違いを知りましたし、こんなに多くのポジティブなコメントをいただけたことがすばらしい体験でした。

 日本だったら「何でこんなのが描けんの?」などのネガティブなコメントくらいしかもらった覚えがありませんが、このように「なぜうまいか?」ではなく「うまいものはうまい」といったような性質のコメントには勇気づけられますし、能力の上達にもつながります。このような最初の体験はとてもうれしかったですし、衝撃的でした。

 次にもっと衝撃的な体験をお話します。ビジネス的なお話です。
ちょうど三月頃だったでしょうか、初心ドイツ語の授業で生徒全員に課題が出されました。有名なドイツ人のバイオグラフィーを作り、授業で発表するというものです。ちょうどその頃、ナチスの生き残りで、南米でいろいろと活動していたクラウス・バルビイというドイツ人の本を読んでいたのでその人のバイオグラフィーを作ることにしました。

 関連人物の顔写真なども必要だと思い、小さい写真を元にペンで輪郭を書き、影の部分をたて・よこ・ななめなどの直線の本数だけで濃淡をつけてゆく形式の似顔絵を作り、それを混じえて発表を行ったところ、先生に非常に受け、「今度、名づけ子の誕生日があるんだけど、その子の似顔絵を描いてくれないかな?お金は払うよ」と相談されました。しかも「それと、もしよかったら、私の子ども達の似顔絵も描いてくれ」とまで言われました。

 日本の学校ではまずありえないやり取りです。日本では、時として金銭的なやり取りを好ましく思わないことがあります。もしも生徒と先生との間にこのようなやり取りが交わされようものなら、学校や保護者から非難の声が上がり、「不謹慎」だの「お金は才能のモノサシじゃない」だのバッシングを浴びてしまいそうな気がします。しかし、こちらの感覚では「客と店の立場」、「ビジネスとしての建前」と、かなり割り切った考え方になり、全く問題になりません。「お金を払う(お金を払う価値がある)人だから」ということで、むしろお金の存在が清められるのです。とてもおもしろい文化です。

 結局その日のうちに写真をもらい、名づけ子の似顔絵の方は油彩で、そして子どもたちの肖像画はえんぴつで淡い感じを出して描きました。

 その事をホストファミリーに話すと、ちょうどその場にいたファミリーの娘さんから「それだけの腕があれば、グラフトンストリート(ダブリンの中心にあるショッピング通り)で稼げると思うよ。折りたたみイス持っていってさ。実際、私もスペインで似顔絵描いてもらったときは路上だったし」というような提案を受け、写真をもらってアレンジして描く方式でチャレンジしてみました。すると少数ですがお客さんが来てくれるようになり、今では定期的にグラフトンストリートで似顔絵を描いています。

 日本で考えた場合、家に絵をかざる習慣がまだまだ一般的とはいえず、風景画はおろか、肖像画を描いて欲しいという人は少ないことだと思います。日本とアイルランドでは、そのあたりの文化がとても違います。アイリッシュの家の壁には、家具の扱いと同じように沢山の写真や絵画がかざられています。日本でいう書画や陶器などの骨董品と同じような感覚ではないでしょうか。そのため週末のダブリンではいたるところで沢山のマーケットが行われ、美術品を専門にしたお店も少なくありません。このようにヨーロッパは芸術に対する文化が日本に比べて、はるかに開けています。



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スーベニアハンター「FILE_7:IRISH MUSEUM OF MODERN ART編」

2005-11-23 07:31:08 | スーベニアハンター
 こんにちは! 巷のお土産を切り口あざやかに紹介いたしますスーベニアハンター・ブログです。

 ここアイルランドでは、ますます寒さに磨きがかかってきました。日中でも吐く息が白く、街中の人々はコートやマフラーで身をかためています。住宅地では、各家のチムニーから白い煙(家で暖炉を炊いているため)がもくもくと噴出す様子を眺めることができ、当たり前の話なのですが日本とは違う風景を見ることができます。
 
さて、今週のスーベニアハンターは、「IRISH MUSEUM OF MODERN ART(現代美術館)編」をお送りいたします。

⇒現代美術館への行き方はコチラのページから


今回のスポットは現代美術館(IMMA)。


現代美術館の中。中央には車を素材にしたアート作品が。

 現代美術館はダブリンのシティセンターの西側に位置し、アイルランド南方面への列車が発着するヒューストン駅の近くにあります。現代美術館からは、ギネス・ストアハウスやキルメナイム刑務所へ容易にアクセスできるため、訪れる際は一緒に回って見るのが良いかもしれません。

 この現代美術館は退役軍人の為に建てられたキルメイナム・ロイヤル・ホスピタルを改築して、1991年にオープンされた美術館です。ウィリアム・ロビンソンの設計のもと建築されたこの建物は、1684年から約250年もの間、退役軍人の施設として利用されていたそうです。

 老朽化が進んでしまった1986年に大規模な修復が行われ、あらたに1991年からアイルランドの近代美術を展示する美術館として開館されました。

 館内では、アイルランド国内外の20世紀のアートが展示されている他、同建物の建造の歴史なども見ることができます。また定期的に様々な企画や講義が用意されているので、観光前には現代美術館のサイトで事前にチェックしてみることをオススメいたします。

 というわけで、現代美術館の概要説明の後はもちろんお土産探訪です。モダンアートを満喫した後は、BOOKSHOPでいよいよお土産の物色開始です!


「The Book Shop」とありますがお土産も売ってます。

 まずは店内を見渡してみます。やはり美術館らしく、美術に関する書籍が大量に置かれています。アートが好きな方だったら、面白い本が見つかりそうです。日本のアート関連本も置いてありました。


店内はアート関連の書籍が多数陳列されています。


日本のアート関連本。普通に欲しいです。

 ポストカードの品揃えもパッチリ! アート関連のポストカードがほとんどなので、センスのよいポストカードが選べます。写真の手前にあるのはポスターです。ポスターもアーティスティックな作品が多く販売されています。。


ポストカード選びに困ったら、ぜひIMMAで。

 忘れてはいけないのが、現代美術館のコレクション集。表紙がアートってます。ご来場の際はぜひ一冊お買い求めください!


コレクション本は映画のパンフレット同様に即買いです。

 「IRISH MUSEUM OF MODERN ART」、略してIMMAのメモ帳です。クリエイティブ志向の方はぜひこちらのメモ帳をお使いください。次々と新しい着想が浮かぶこと間違いなし! であることを期待します。


いぶし銀のメモ帳であなたのクリエイティブ魂を呼び起こします。

 同じデザインのマグネットもありました。会社のホワイトボードにさり気なくくっつけておくと、会社の雰囲気が少し変わるかも! と願います。


光を反射させて隣の席の人に嫌がらせをしないでくださいね。

 こちらからは「?」マークがつく商品のご紹介です。一番バッターはアヒルくん。モダンアートってこういうお土産を理解するところから、一歩が始まるんですね。そう信じたいです。


ニヒルなアヒルがお昼にひるんでいるようです。

 二番手は「WANDER BALL」の登場です。ガラスに投げつけるとペッタリとくっつくボールです。単一色にせず、吸盤の色を複数使用しているところにデザイナーのこだわりを感じます。そう考えることで、アートを理解しようとしているんです…。


ミラーボールではありませんでした。

 続いてはポータブル○×ゲーム機! 時代はPS○やD○じゃありません。○と×が繰り広げる、高尚な頭脳心理ゲーム。まだまだ新世代ゲーム機には負けませんよ! と強がってみせたりします…。そういえば、体育祭の練習のときに校庭で友達と○×ゲームで遊んでいました…。


○×ゲームは先行が有利だったりします。

 次に別のお土産に目を移すと、そこには見慣れたユーロ紙幣の消しゴムが。5ユーロから500ユーロまで揃えているところが、収集家魂をくすぐる一品ですね。コンプリートしたくなってしまいます…。


実際には利用できませんのでご注意ください。

 そして、ユーロ紙幣消しゴムの右となりに気になるものが…。白くて、まぁるくて、真ん中に目があって…、ん! 目玉!? はい。目玉が売ってました。目の色が赤・緑・青と数種類あります。必ず目の中心が上を向くように作られているようです。たくさん並ぶと少し気味が悪いです…。


まさにお土産の目玉商品です。

 最後に日本関係のお土産を2つ激写しました。一つめは納豆のおもちゃです。ふたを開けると中にカタカタと壊れたゼンマイ人形のような動きをするおもちゃが入っています。これ一種類ではなくて、確認しただけでも10種類以上ありました。芸が細かい!


このセンスが大好き。

 2つ目はダイナマイト鉛筆です。鉛筆がダイナマイトの形をしてます。日本製のようで、鉛筆に「JAPAN」と刻印してありました。なぜ、日本がダイナマイト!? のような質問は思い出と一緒にしまっておいてくださいね。


ダイナマイトというよりかは線香花火…。

 以上、IRISH MUSEUM OF MODERN ART(現代美術館)編でした!


【IRISH MUSEUM OF MODERN ART(現代美術館) 所在地情報】
Royal Hospital,Military Road,Kilmainham,Dublin 8
Tel: +353(1)612 9900
Fax: +353(1)612 9999
URL: http://www.modernart.ie/

[開館時間]
10.00am-17.30pm(TUE-SAT)
10.30am-17.30pm(WED)
12.00pm-17.30pm(SUN&Bank Holidays)
※休館:月曜日、クリスマス(12月24日、25日、26日)、グッドフライデー

[入場料]
無料


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松井ゆみ子のアイルランド日記「Vol.8/続・ブラック・プディング&ホワイト・プディング」

2005-11-21 08:45:21 | 松井ゆみ子のキッチン・ダイアリー
 前回ブラック&ホワイト・プディングのコラムで「英国式」という表記を使いましたが、「イングリッシュ・ブレックファスト」とするべきでした。前回の記事も訂正しています。ご指摘いただいた方、どうもありがとうございます。

 「イングリッシュ・ブレックファスト」とすると、スコットランドとウエールズは、含まれないことになります。スコットランドの朝食にブラックプディングがあるようですが、ここはケルト圏なので、不思議はありません。ハギスもブラックプディングの一種といえますし。ちなみに、このブラックプディングは、前回も書きましたがケルト民族の伝統食です。

 ケルト圏といわれる、ケルト民族の住みついた場所は、アイルランドの他にスコットランド、ウェールズ、フランスのブルターニュ地方。それぞれ今は国も異なるので、変化はしているけれど、それでも食文化の共通項は見つけられます。フランスにはブラック&ホワイトプディングが存在し、クリスマスに食べる習慣のある地方があるそうです。スイスでもブラックプディングを食べると聞きました。ケルト民族はスイスの一部に暮らしていた形跡があるので、不思議はありません。ブラックプディングを食べる国をたどれば、ケルトの軌跡もたどれると、私は考えています。

 イングリッシュ・ブレックファストにもブラックプディングがのっていることがあると聞きましたが、それはきっとシェフかオーナーが、ケルト系なのではと推測。イングランドには、ブラックプディングの伝統はありません。と、きっぱり書きたいところだけれど、食べ物の歴史はあいまいで、民族間の交流の中で、いつのまにか食生活に取り入れてしまうことが多いから”絶対”は、ないのよね。だから面白いのだけど。

 先日、北アイルランドの朝食を食べに出かけたところ、「絶対」につくはずのソーダファールという伝統的パンが、お皿にのっていません。宿のおかみさん、ホリデー明けで「ごめんなさいねー、パン種を解凍するの、忘れちゃったのよー」と明るくひとこと。この国の、そういうユルさが好きです。


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