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信念の人

2021-09-23 21:41:56 | 国際・政治
報道によればコロナ下での自民党の総裁選は、派閥の力学からオンラインで議論される政策を個々の議員が判断するプロセスに変わった。オンライン討論の道具立てはZOOMだというから世の中変わったものだ。コロナは医療機関だけでなく政治の世界もディジタル化を進めさせた。

オンライン総裁選の主役は当選3回以下の若手議員であり、彼等の判断基準は誰が次の選挙で有利に戦えるリーダーかだ。有権者が最適な人を選ぶかどうかは別の問題だが、オンライン討論は有権者に豊富な判断材料を与え、若手議員も有権者の意向をより良く汲み取れる可能性が高まる。

同時に、我が国のワクチン接種が遅れたとか混乱したと評価されたが、今日ついに米国に追いつき追い越したと報じられた。そして、マスコミが煽りに煽ったコロナ新規感染者数が劇的に急減した。菅首相のコロナ対応が国民に評価されず退陣を決定し、総裁選の最中の皮肉なニュースだ。

コロナ対策を最優先で対応すると国民に約束して何とかここまで辿り着いたが、国民からは全く支持されなかった。理由は官邸を含め総合的なコミュニケーション不足だった言われている。国の最重要な政策を実行してもお喋下手だと評価されない、「政治は結果」だがそれだけでは不足ということだ。その意味では次善の策として退陣を決めた菅首相を「信念の人」だと評価したい。

もう一つ、11月の衆院選を控え焦る若手議員の反発を受け、派閥からの支持も受けられず再選を断念した菅首相は「民主主義プロセス」に従ったことになる。巷の評判は良くないが、民主的ルールをネジ曲げてでもトップの地位にしがみつく強権国に比べると、ホッとするものがある。

トランプ元大統領の画策は見るに堪えない。期待のバイデン大統領もアフガン撤退のプロセスは米国の信頼を傷つけた。だが、今日入ってきたCNNのThe Pointの速報には勇気づけられるものがあった。日本では殆ど報じられないが、共和党ナンバー2だったリズ・チェイニー議員の勇気ある行動だ。

彼女はトランプが支持者を焚きつけて議事堂に乱入させたいわゆる1.6事件について、トランプ弾劾に賛成した10人の共和党議員の一人で当時共和党ナンバー2だった。いまもトランプ支持する共和党議員が圧倒的に多い中での彼女の筋を通す姿勢は感服させられた。しかし、先行きは厳しい。

というのも、共和党員の圧倒的多数がトランプ支持の為、来年の予備選挙に負けて本番の選挙に出られないのを恐れて依然としてトランプ支持を表明している。上記の記事によればワイオミング州の予備選でトランプは対抗馬を立てて彼女の再選を阻む積りだという。

ワイオミング州は米国内でも最も保守的な州の一つで知事や上下院議員の全てを共和党が占めている。その中でブッシュ元大統領を始め数人の共和党議員が彼女を支持して献金している。記事はこの予備選結果は共和党の未来を占うことになると結んでいる。私は悲観的だ。

彼女の政策は賛否があると思うが、政治家として彼女こそ「信念の人」だと思う。次の選挙で勝つためにトランプ支持に流れた殆どの共和党議員と、次の衆院選に有利な首相を選ぼうとする自民党の若手議員に共通するものを感じる。良くも悪くも議員にとって最も大事なのは再選されることだと。■

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