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熱海土石流が甦らせた記憶(補)

2021-07-09 17:17:58 | 日記・エッセイ・コラム
衝撃的な熱海の土石流は無責任な盛土が原因だと最新のニュースは伝えている。とすれば訴訟になるのは間違いないし、加えて10年前に土地の持ち主が変わったというから責任の所在と巨額の賠償金を巡るマスコミネタの臭いがプンプンする。簡単に片付く問題ではなさそうだ。

一方、45年前頃に私の実家を襲った土砂崩れにも人為的な原因があったと聞いた。土砂崩れが起こった裏山は数年前に伐採してヒノキを植林したばかりだった。実家の東西北の三方が伐採され植林された。その東側が最も急峻で土砂崩れが起こった。

実は、裏手(北側)には山林の持ち主の立派な家と庭がありそれを囲んで裏山があった。60年以上前子供の頃は既に家の持ち主は引っ越し、一時期獣医が借りて住んでいた。その後私が東京で働いている頃には取り壊され、土砂崩れがあった時は裏山の一部になっていた。

誰に聞いたか定かではない(多分その頃の長老だと思う)が、土砂崩れの原因は裏山の伐採で残った木の株の根が土地を引き締めていたが、3-5年後に株の根が枯れて土地が緩んだ時に長雨が後押しして土砂崩れが起こったのだそうだ。熱海と違って人災とは言えないと思う。

山林の持ち主は有名な郷土の成功者で我が家と先祖を同じくする。今でも関西地区に加え市内のあちこちに不動産を所有する。母によると土砂崩れの直後にその子孫のお婆さんが挨拶に来たそうだ。その時どういうやり取りがあったか何も聞いていない。

実は私が相続した別の山林も急峻な坂の裾に民家があり、逆の立場になる恐れがあった。4年前に母が死んだ翌年、その山林を民家の持ち主の要請に応じて売り渡した。逡巡したのは父母が梅を植林した思い出の山だったからだ。これで私の子孫を含め所有の山林が他家を襲う恐れが無くなった。

だが、何が起こるか分からない。当時植林したヒノキが成長して実家を覆う巨木となった。最近はどの山も間伐など手入れが不十分だ。昨年、そのヒノキが一本枯れて母屋の西側の物置(実家では部屋と呼称)を直撃しそうになり処置して貰った。次は我が家の別の山林の倒木かもと思うと怖い。■

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