かぶれの世界(新)

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救いのない三角関係

2015-02-13 17:28:14 | ニュース
16時間のマラソン交渉の結果独仏ロ・ウクライナ4か国は15日からの停戦に合意したと伝えられた。しかし、各国首脳の表情は不満を隠せず、達成感が全く感じられず疲労のみがあったらしい。その理由は明らかで、ウクライナ政府軍と親ロ派の境界線を確定できず、停戦後の親ロ派に与えられるという特別な地位を具体的に合意できなかったからと言う。

この交渉に参加しなかった米国がどう出るかを気にして、名ばかりの停戦合意を無理やり作り出したというのが大方の見方ではないかと私は思う。独仏とロシアに米国を加えた三角関係が同床異夢の実りのない交渉をした、と言うのが私の印象だ。「優柔不断のEU」につけ込んで「やり得を狙うロシア」を「風見鶏の米国」がけん制する三角関係の構図だ。

私には救いのない三角関係のように見える。私は2008年に「グルジアはロシアのやり得か?」と題して、グルジア進攻したロシアと独仏が安易に妥協するとロシアは味を占めて同じことを繰り返すと投稿したが、その後ロシアは予想通り「やり得」を繰り返している。自分の裏庭が荒らされているのに、独仏の融和的外交がロシアのゴリ押しを後押ししている。

一方、世界最強軍司令官であるオバマ大統領は、世論の風向きが変わりそうになるとあっさり前言を翻す風見鶏ぶりを繰り返している。イスラム国に地上軍投入を進言したヘーゲル国防長官を首にしたのに、人質が殺され世論が変わると首にした国防長官の提案を自分の決断みたいに議会に提出した。ウクライナに関してはどこまで関与すべきか様子を伺っているが、今ロシアに強く出なかったら歯止めが利かなくなるとの判断のようだ。独仏の対応はぬるいと考えている。

この三角関係は微妙なバランスすら取れてない様に感じる。先送りした境界線と親ロ派のポジションは停戦合意を支えるつっかい棒になるべきものだが、さんざん議論しても譲れない一線だったようだ。戦闘行為を続けても得るものがないと双方が身に沁みて感じるまで合意に到達しないだろう。この不毛の三角関係が壊れるまでウクライナ内紛は続くと私は悲観的に予想する。■
コメント
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