カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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台風9号と台風10号が不気味な動き 本州付近はいろいろ懸念するべきことが!

2012-08-01 10:55:43 | インポート

①8月1日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②8月1日6時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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台風9号が先島諸島に接近して、また、本州の南海上にある台風10号が西北西へと進んで、九州南部に接近あるいは上陸する恐れがでてきました。

本ブログで、台風接近時には、以前台風周辺の気圧経度分布や等圧線の走向状況に気を配るべきであると言いましたしたが、今回の場合、台風10号の北側に当たる伊豆諸島近海~東海地方、それに西日本の各地では等圧線の幅が広範囲で混みあっていますし、昨日より、関東海域~東海沖、それに西日本の南海上から南西諸島にかけて、等圧線の走向がほぼ同じような状態となっています。

改めて言いますが、台風の周辺で

Ⅰ:特に等圧線の混んでいる箇所で風が強まる。 

Ⅱ:等圧線の走向が長時間目だった変化が現れない海域は、高波(うねり)がより発達しやすい

ことが言えますね。

すでに、波浪実況図より(引用図にはありませんが)、昨日31日夜には、すでに、関東以西の太平洋沖~南西諸島にかけて、おおむね3メートル以上、一部では6m以上の非常に高い波(うねり)が発生しており、波浪警報が発表されている地域もあります。

今後、台風9号と台風10号の接近に伴い、先島諸島や九州南部では、暴風に警戒が必要になってきますが、関東以西の太平洋側から南西諸島にかけては、高波にも一層の警戒が必要でしょう。

台風から離れていると言っても、海上海岸部ではうねりによる高波にはご用心!特に満潮時前後は気をつけてください。

さらに、西日本の広範囲では強風にも注意!大阪平野や兵庫県阪神地区など、地形的に東~北東風が強まりやすい地域では、台風から離れていても、以外に風が強まりやすいですから、ご留意ください。

一方、引用図②内のA、Bの部分ですが、これらは、大雨の原動力となる暖湿流が特に集中している箇所(いずれも太平洋高気圧の縁辺部にあたります。)であり、昨日よりBが掛かり続けている北海道内陸部や東部では、24時間で100㎜を超えた降水量を観測している箇所もあります。

今後、引用図②内の Aが掛かり始めている、紀伊半島東部や四国東部、それに、九州南東部では、当該暖湿流の流れ込んでくる方向へ開いた山の斜面となっている地形的特性も加わり、かなりの降水量が見込まれます。

各方面とも、最新の気象情報に留意されて、早めの対応をお願い致します!!