カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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猛暑続く 群馬館林で38・9℃ 東京でも本年初猛暑日36・3℃

2010-07-21 17:42:39 | インポート

①7月21日15時までの全国最高気温分布図 気象庁HPより引用

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②7月21日12時の天気図 気象庁HPより引用

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7月21日も、東北以内の各地では、厳しい暑さに見舞われました。

群馬県館林では38・9℃ 同じく群馬県前橋で38・5℃ 上里見で38・1℃を観測したほか、埼玉県寄居で38・2℃ 熊谷で37・9℃の最高気温を観測しました。

さらに、南関東各地でも 東京(都心)で36・3℃ 横浜で35・0℃ 千葉で37・3℃を観測し、それぞれ、本年初の猛暑日となりました。

東京の猛暑日は、一昨年の平成20年8月8日以来となるもので、最高気温36℃以上となったのは、平成19年8月22日に観測した37・0℃以来、約3年ぶりとなるものです。

③7月21日9時気象庁発表AXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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④7月21日9時~15時までのウインドプロファイラー時間・高度分布図(勝浦) 気象庁HPより引用

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⑤7月21日9時~15時までのウインドプロファイラー時間・高度分布図(水戸) 気象庁HPより引用

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この厳しい暑さの原因ですが、本ブログで昨日7月20日に解説したとおり、引用図③の上側図より、500hpa(上空5500m付近)では本州中部に高気圧(サブハイ)の中心があり、本州上をすっぽりと覆っています。このため、中層から下層(1500m以下)では下降気流が生じて、下層の空気が昇温したことであると思われます。

さらにもうひとつ、関東地方に限って言えば、引用図④⑤より、中層(上空3000m付近)より上側と下層(上空1500m以下)とでは、風向が明瞭なコントラストがあります。(引用図④⑤より勝浦と水戸両地点ともに、中層では北西風 下層では北~北東風で風速は弱めとなっています。)。

これは、引用図③の上側図より、500hpa(上空5500m付近)で本州中部に高気圧(サブハイ)の中心があり、中層の風向と、日中、関東地方で、海上から内陸部に吹き込む海風(厚さは上空1000m程になりますが)の風向と相反するようになり、当該海風の流入が阻害されてしまっている為であります。

関東地方(特に沿岸部)では、日中、海上から内陸部に吹き込む海風の影響で、気温上昇が幾分緩和されるものですから、当該海風の流入が阻害されてしまっては、気温は一層上昇してしまうと言う訳ですね。

このため、7月21日は、通常ですと、日中、東京湾からの海風が卓越する東京都内羽田(東京国際空港)でも気温が上昇し、最高気温35・6℃を観測しています。