カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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東海や西日本各地で大雨続く 大雨発生箇所ってこんな所に。

2010-07-14 11:09:37 | インポート

①7月14日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②7月14日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③7月14日6時の日本全国レーダアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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連日、西日本中心にして、梅雨前線に伴う大雨が降り、各地に被害が発生しています。

この大雨のため、昨日に続き本日も、山陽新幹線が一時運行をストップしたほか、空の便でも遅延、欠航が相次いでいます。成田空港でも、欧州各地からの便が、山陰沖の発達した雨雲を避ける飛行航路をとらざるを得ず、航路混雑のため各便とも軒並み遅延していましたね。

天気図(地上天気図)上では、梅雨前線に限らず、前線と言うもの、一本の線にて表現されていますが、実際の前線の構造やそれに伴う降水域の分布などは、単純に一本の線で表現できるものではなく、数百キロ程度の、帯状のものとして、取れえるべきであると、本ブログで以前、述べさせていただいたところです。

雲画像で、前線に向かって、刷毛で描いたよう形の雲が見られる場合、当該前線に向かって、南から暖湿流が大量に流れ込んで前線自体の活動が活発になっているもの、前記した刷毛で書いた形の雲の走向が、暖湿流の流れ込んでくる方向を示すものです。

前線に伴う降水域は

Ⅰ:全体として帯状に分布するものの、発達した降水域は、当該前線の走向に向かって暖気側に、幾重にも帯状に発生・分布するもの。特に、前線に向かって暖湿流が大量に流れ込んで、前線自体の活動が活発化するほど、この傾向は顕著になる。

Ⅱ:天気図(地上天気図)上の前線の形状に注目。前線上の低気圧付近のみならず、前線が ∧になった部分では降水域は発達しやすい。特に、当該箇所では、暖湿流同士が合流(上空1000m~1500m付近の風向に注目!)している箇所で発達した降水域が出現する。

以上の特性があります。(引用図①②③を見比べてください。)

さらに、前記Ⅰ、Ⅱの降水域は、山地の風上部分や外縁部分など、暖湿流が収束しやすい箇所や、地形的に入江状になっている箇所で、陸地に相対的に気温の低い気流が地表付近に滞留している箇所に差し掛かると、より一層発達して、大雨災害をもたらすようにもなりますね。

引用図③より、中国地方、九州北部地のみならず、大阪湾周辺から近畿地方中部、それに、岐阜県北部付近などにも発達した降水域があることは、前記Ⅰ、Ⅱであることをしめすものです。