掲載し忘れていた古いものですが、
今頃申し訳ありません、掲載させていただきます。
ピーノさん、申し訳ございませんでした。
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ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その41
イケヤの知人のピーノさんが
いつも私を含めたご友人の方に送られているメルマガのお裾分けシリーズ。
『ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】』です。
海外滞在が長く、外国語にもご堪能な方です(日本人です)が、
一週間程度で物凄い量のものを見る、読む、聴く。とにかく私もビックリ。
私も見習いたいと思っております。
今年も、ぶっ飛ばして見聞きしているピーノさんで情報満載ですので、ぜひご覧ください。
読者の皆様、感想等ございましたら、
私が責任を持ってお伝えしますので
ぜひコメント欄にお願いします。
では、レッツゴー。
◇「裁判員制度」が始まってから 1年10ヶ月経ちますが、テレビや新聞社が
取り上げる裁判のみ脚光をあびて、その他は一体どうなってるのか一般の
ひとにはほとんど分かりません。 同じテニス・レッスンを受けてるメンバーに
裁判所の事務官のひとがいて、彼に聞いたところ 「1件につき4人の裁判員
が民間から選ばれ、10日間程度で結審している」 そうです。 年に6件として
「24人」なので、80万人エリアで24人というと、現時点で 「3.3万人に1人」で
“20歳以上”でさらに確率は上がりますが、それでも選ばれにくい倍率です。
◇海外駐在で生活する上で、「日本と習慣が違うな」と感じるのは“小切手”
の存在です。 賃貸住宅などで大家さんに毎月の家賃を払う場合に、サイン
した小切手を手渡すケースが多く、記録に残る銀行振込みは“NG”でした。
多分、申告しない“副収入”なんでしょうね。 スペインでは、大家さん(娘)が
いつも仕事で忙しく不在がちで、両親が住むマンションに持参してましたし、
メキシコでは毎月最初の土曜の朝、医師を引退した大家さん夫妻とブランチ
を一緒に食べて小切手を渡してました。 その食事代は大家さん負担で日本
人は部屋をきれいに使い、支払いも遅れないからイイと言ってましたが(笑)
◇サンパウロでは東洋人街(Liberdade)にある、居酒屋「ごんべ GONBE」に
よく行きました。 焼き鳥がメインで、お寿司やてんぷらもある、いわゆる日本
料理屋なんですが、値段がまあまあ安く、日本からの出張者が何日か滞在
すると一回は必ず行く店でした(笑) 二階建てで内装は日本の居酒屋その
ままで、たまに酔ってくると、一瞬自分が新宿の場末の飲み屋にいるような
錯覚に陥るときがあり、地球の反対側にある日本情緒たっぷりのお店です。
http://beijaflors.exblog.jp/7210984/
【展覧会】
■「シュルレアリスム展」(国立新美術館、11/03/06 ★★★★)
パリのポンピドゥセンター所蔵の173点を展示。ダダイズムから紹介が始まり、
デ・キリコ、エルンスト、マン・レイ(写真)、ダリやミロ、マッソン、マグリッド等、
代表的な画家たちの作品群を一挙に見ることができます。 ルネ・クレールの
「眠るパリ」(1923)と、ブニュエルがダリと組んだ「アンダルシアの犬」(1928)
を上映しており、書籍、パンフレット、展覧会の案内など当時の資料もガラス
ケースに展示され、1910~60年代まで半世紀を駆け足で体験できる場です。
今見ても意表をつかれるテーブルやオブジェがあり、ビックリ箱のような空間。
http://www.sur2011.jp/
【演劇】
■「BEN」(あうるすぽっと、11/03/05 ★★☆)
作:鈴木聡(ラッパ屋)、演出:松村武(カムカムミニキーナ)。“トイレ”を題材
にした喜劇。小学校から高校までトイレに関するエピソードが続き、最終的に
ウォシュレット(TOTO)の開発秘話から、「おしりだって洗ってほしい」の宣伝
と直後のクレーム(食事時間中にCMを放映するな)まで実話を交えながら、
そこそこ楽しめます。 残念なのは登場人物のセリフと描き方が単調で軽く、
爆笑とならず苦笑で終わるシーンが多く、もっと面白おかしくできたはずです。
http://www.owlspot.jp/performance/110304.html
■「TRAVELING」(赤坂RED/THEATER、11/03/05 ★★★)
元“光GENJI”の佐藤アツヒロが主演のタイムスリップもの。ホテルの一室で、
若年性認知症にかかった妻を看病する夫と弟夫婦、ホテルの従業員たちの
ドタバタ喜劇。過去と未来に時間をスリップするうちに、繰り返されるセリフと
周囲の人物が徐々に変わり始め、デジャ・ヴ(既視感)を体験しながら、過去
の自分との出会いをいかに避けるかがテーマです。 暗転と音楽で時間設定
を変え兄弟二人の着替えが笑えますが、リゾートホテルのセットが今ヒトツ。
http://www.tglobe.net/lineup/traveling.html
【映画】
■ツーリスト <原題 THE TOURIST>(★★★☆)
アンジェリーナ・ジョリーと、ジョニー・デップの共演が話題のサスペンス映画。
水の都ヴェネチアを舞台に、あえて観光名所を撮影せず、運河と海上から街
を撮ることで望遠鏡から覗くような効果を出してます。冒頭からの逃亡と追跡
シーンはテンポが早く、その後で“アレレレ”となり、最後は「そんなバカな」で
終わります(笑) ハラハラドキドキするアクション場面は少なく、ヴェネチアの
街と二人の演技を楽しみ、結末に異議を申し立てるのは「ヤボ!」ですよね。
公式HP ⇒ http://www.tourist-movie.jp/
【Book、新書】
■酒井健 「シュルレアリスム」(中公新書、11/01/25 ★★★)
第一次世界大戦(1914-18)で戦争の悲惨さを体験したアンドレ・ブルトンが、
フロイトの影響(夢判断)を受けて、1924年に仲間と“宣言”したのが始まり。
誕生の前後の歴史から、心理学と近代化の波を受けどのように変化したか、
に重点を置いた前半部分はちょっと退屈で、後半の政治的背景(共産主義、
ファシズム)と芸術(絵画)、岡本太郎の1938年時点でのコメントや作品など
で面白くなってきます。 この芸術部分をもっと膨らませて書いて欲しかった。
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2011/01/102094.html
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シュルレアリスム—終わりなき革命 (中公新書) |
酒井 健 | |
中央公論新社 |
■藤倉良 「エコ論争の真贋」(新潮新書、11/02/20 ★★★☆)
「ゴミのリサイクル」、「地球温暖化」、「生物の絶滅と保護」の3つのテーマを
検証。食べ物の値段が相対的に下がり、賞味期限が来ると手つかずのまま
廃棄されたり、エコポイントやエコカー減税で、大量の家電製品や自動車の
買い替え(=廃棄物)が起きるというのは、本当に環境を守るために必要な
ことなのか、一度買ったら最後まで大切に使うのが、「環境にやさしい」生活
の基本である、に納得。有料化を進めることでしか消費のブレーキは無理?
http://www.shinchosha.co.jp/book/610406/
![]() |
エコ論争の真贋 (新潮新書) |
藤倉 良 | |
新潮社 |
【オマケ、今週の気になった言葉】
■子どもの頃好きだった食べものが今もやっぱり好きだったり、若い時夢中に
なった音楽が今もやっぱりよかったり、むかし大切だった友だちが今もやっぱり
大切だったりする。 どんなに時間が流れてもどんなに世の中が変わっても少し
ずつ、少しずつしか変われない人間に何だか、とても、ホッとするのです。
きのうと同じだからおいしい。 きのうと違うからおいしい。
(by 岩崎俊一/コピーライター、明治屋<1989>より)
1980年代から西武百貨店の広告で数々の傑作コピーを書いた岩崎俊一さん。
「ひとは、引力。」 「会う、贅沢。」 「服は肌より先に抱きしめられる。」などなど。
10年前、メキシコから帰国した年の秋、雑誌「広告批評」が開講した広告学校
に半年通った際、彼の授業がとても“新鮮”でした。 コピーを書く注意点として、
① 短ければ短いほど、優れている。覚えやすく、強力。
② 「、」と「。」は、文章のリズムで重要な要素。黙読ではなく音読と間を考える。
③ 「ニュートラルな自分を設定」し、商品のほうから語りかけてくるのを待つ。
④ たとえ読まれなくても「ボディコピーを書く」 自分の言葉で判った上で説得。
⑤ 「クリエイティブの才能を研ぎ澄ます」 感受性、繊細さをいかに持つか?
ひとの作品:映画、小説、音楽、広告・・・他のひとの内面を見て「心で書く」
あのときの講義は、今でもたまに思い出します。