メリル・ストリープ。
ひょっとして、現存する最強の女優ではないだろうか。
今年もアカデミーノミネート。
ダウトという映画で前人未踏のアカデミー賞15回ノミネートという偉業を成し遂げたそうだよ、すごい。
Meryl Streep。
49年生まれ、というから、申し訳ないが計算すると……。60歳ですか。
僕の印象だと、まずクレイマー・クレイマーのお母さん役。ダスティン・ホフマンもよかったな。
そして、ソフィーの選択の、辛い辛い選択を迫られる母親の迫真の演技。
恋に落ちて、の、デ・ニーロとの、実に小粋なNYの大人の恋もよかった。
最近で印象に残ったのは、プラダを着た悪魔の、まぁ、憎らしい、そして凄まじく美しい鬼編集長役。
さらに、トム・クルーズと出ていた、戦争映画「大いなる陰謀」でのベテラン女性記者役。
いずれも、素晴らしいとしか言いようがない。
が、マンマ・ミーアのメリルストリープは、
いままでのどのメリルストリープでもない。
陽気で、謳って、踊って。
しかも、これが、多分本当にそういうひとなのだろう、と思わせてしまうぐらい自然なのだ。
アバの曲を歌って踊って、ダンスしていても、足が上がる上がる。
歌が上手いのにも、驚かされた。
実は出世作はブレヒトのミュージカルだったそうだし、
高校生時代は、チアリーダーで、三年連続学内ミュージカルに主演だそうだ。
映画の最初のほうは、かなり疲れたオバサンで、ああ、メリルストリープも老けたなーって思わされるけど、映画見てくうちに、どんどん綺麗になるのね。ラストシーンのエンドロールで三人娘で歌って踊る所なんて、本当に最高です。
驚いたのは先代のジェームス・ボンドであるピアーズ・ブロスナンが出てきてこれまた歌って踊るんだが、驚くほど彼も歌が上手い。ちょっとハスキーで、ロックっぽいテイストで歌えるんだよな。ビックリしたよ。
ところで、アバ。なぜアバ。アバの曲は、なんていうか、不思議です。ロックっていうか、歌謡曲っていうか、いっしゅのピンクレディみたいなものなのだろうか。
そういえば思い出すのが、オバマとの選挙戦の時のマケインなんだが、音楽の趣味はアバっていわれて、すっごください人、と言われてしまったようだ。
が、アバっていうのが、多面的な評価をえつつ、いまも花を失わない、今も愛される音楽である、それだけでも、素晴らしい話じゃないですか。
実は、ステレオタイプな女性の幸せを打ち破って前に進んでいくところに、このミュージカルのキモはあるそうだ。だいたい、フラワーチルドレンの彼らのほうが進歩的で、子ども達のほうが保守的という逆転が生まれているようにも思える。最近だが。
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