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ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

映画「第9地区」を見た

2010年05月30日 22時20分12秒 | 映画レビュー
もう1ヶ月ほど前になりますが
レビューを書き忘れていました。

映画「第9地区」を見ました。


見たときは面白いと思ったんですけど、
なぜかこの映画を見たことをすぐ忘れてしまうんです。
なんでだろう。



以下ネタバレ注意です。


よく考えるとシナリオ的になかなかブッ飛んだ映画ですよ。
だって南アフリカの上空に巨大な円盤がやってきて止まっていて
円盤の中には宇宙人達が病気でボロボロになっていて。
それを助けて難民キャンプを作ってあげて、と
考えてみると奇想天外なストーリーなんですが、
これが実にリアルで普通に描かれているので
なんだか、ありそうな気になります。

これにはポイントがあって、
この映画だけでなく最近の映画を見て良く思うのが
ホームビデオの動画、さらには
YOUTUBEやSKYPEの動画、
あるいは防犯カメラ、監視カメラ、
兵士のヘルメットの先に付けられたカメラ
そんな映像手法をたくさん使うことで、
映画のような職業的なカメラマンが高いスキルで撮った動画とは違う
ものをたくさん入れ込んでいます、
これが逆に「この動画は現実である」という
無意識でのメッセージを発しているような気がします。

動画はインターネットなどの発展と
機材の低廉化、正直言ってデジカメにも
携帯にも、いまはiPodにもビデオ録画機能があるから
ほとんどコストゼロで動画が撮れ、
しかも(ここが大事)発信、配信できる時代。
大きなビット数の情報を世界規模で
ほとんどただで配信できるようになったわけで
つまり誰でもテレビ局、映画監督。
USTREAMの活発な活用は
もう革命と言っていいのではないか。

ああ、本論からずれましたね。

そういうわけでいろいろ考えさせられる映画だったんですが、
どうしても忘れがちな地味さがあり、
<★★★☆☆>

としておきます。


「のだめカンタービレ」を途中まで見た。いい映画だと思う。が……。

2010年05月25日 23時22分10秒 | 映画レビュー
「のだめカンタービレ」を途中まで見た。いい映画だと思う。
音楽家がいかに音楽へ向き合うか。
そして音楽を突き詰めていくことがどれだけたいへんか。
それをコミカルかつ、わかりやすく、
しかもクラシックの名曲も大画面といい音で堪能できて
クラッシックっていいなぁと思わせてくれる。

が、徹夜明けでやけくそで行ったせいで、
実は中盤以降、場内が明るくなるまで
寝てしまったのでした。

なんだか竹中直人がかっこいいなぁと思ったところまでで
沈没したので、
評価はできませんが、
予想よりもずっと見応えのあるいい映画でありました。


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映画「シャーロック・ホームズ」を見た。<★★★☆☆>

2010年04月18日 19時23分21秒 | 映画レビュー
映画「シャーロック・ホームズ」を見た。<★★★☆☆>

いままでのシャーロック・ホームズものを見たことがあるわけではないが、
これは結構革新的なのでは、と思う。
知的でちょっと変わり者のシャーロック・ホームズというよりも
ワトソンがマネージャーで、本人は変わり者のロックスターという風情だ。

ジュード・ロウは当たり役。
彼が有る意味で主役と言ってもいいのでは。
多分続編ができると思う。

シャーロック・ホームズのオフィシャル・ホームページはこちらです。
http://wwws.warnerbros.co.jp/sherlock/

映画「ハート・ロッカー」を観た

2010年04月11日 22時22分17秒 | 映画レビュー
もう数週間前になりますが、
アカデミー賞を撮った映画ってことで見に行ってきた。
たぶん賞を撮らなかったら見なかっただろう。
タイトルも地味っていうか、
中身が分かりにくいしね。

この映画は作品賞をとったんだが、
いままでの歴代の作品の中で最も興行成績が
悪い作品だったそうだ。

さて作品ですけど、地味だけどさすがという印象。

現代の本当の戦場のリアル、そして
切迫した状況のなかで正気を保つために
ほぼ狂気に近いことをする、
ということもわかる気がする。


ああ、本当はこれが戦場なんだなと思ったエピソードは
敵と狙撃合戦になった時に、終わりがなかったこと。
映画なら、バンバンって撃って、
敵が死んだな、と思えばやったぜ、と思って帰るわけだけど
実際には、敵が何人いるかわからないし、
どこかに潜んでいるかもしれない敵に備えて、
ギリギリまでそこでいつでも撃てるようにしているわけだ
何時間も。
ある時間を持って「終わり」にするだけの話。
その判断が間違っていれば、
戦闘態勢を緩めた段階で狙撃される。

物凄い緊張だと思うな。
間違ったら死ぬわけだし。

のどがカラカラになります。観てるだけで。

<★★★★☆>
ハートロッカーの公式サイトはこちら
http://hurtlocker.jp/

『インビクタス/負けざる者たち』を見ました。

2010年03月31日 20時12分39秒 | 映画レビュー
『インビクタス/負けざる者たち』を見ました。<★★★☆☆>

ちょっと前ですが、実家に泊まっていたときに夜中、見に行ってきました。
ネルソン・マンデラが大統領になった頃の、南アフリカのラグビーチームの実話。
ネルソン・マンデラの投獄27年というのがどれだけ苛酷だったか、とか
物凄く大変な事実上の再度の建国の時代に、
ラグビーがどのくらい役に立ったのか、
そして奇跡的に勝てたのかという話。
いわば国家の「ロッキー」みたいな感じ。

ネルソン・マンデラを演じるモーガン・フリーマンも素晴らしい。
抑え気味に淡々と映画を勧めるクイント・イーストウッドもいいねぇ。

ただ難を言えば、事実だから文句は付けようがないんだが
あまりに「小説より奇なり」であって、
これがフィクションならできすぎ、というところだろうし、
ストーリー的にも起伏があまりなかったように思えた。

とはいえ、ネルソン・マンデラという人間が
どんなすごいのか、ということはよく分かった。

できればドキュメンタリーとして実際の映像で見たかった気もする。




Special AKAのNelson Mandela - Special AKA
これは今聴いてもシビれますー。
http://www.youtube.com/watch?v=o3NJwyzFlTE

インビクタス~負けざる者たち
ジョン カーリン
日本放送出版協会

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自由への長い道―ネルソン・マンデラ自伝〈下〉
ネルソン マンデラ
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『ヤマハ吹奏楽団創立50周年記念 アンサンブルと室内楽の夕べ』に行ってきました

2010年03月28日 23時46分41秒 | 映画レビュー
『ヤマハ吹奏楽団創立50周年記念 アンサンブルと室内楽の夕べ』に行ってきました。
http://www.yamaha.co.jp/yamahaginza/hall/eventdetail_2888.html

木管アンサンブルやサックスアンサンブルの
現代的な曲を、それを見事に演奏する技術の高さ、
そして何より楽器の音のホールの響きの素晴らしさに
実に感銘を受けました。

ヤマハホールの響きは、木管楽器とは特に相性がいいように思います。

金管もいいのですが、8重奏ぐらいに大勢になると、
ちょっと音が大きすぎてダマになるような気がします。

後半のゲストステージでは、NHK交響楽団の首席ホルン奏者松崎 裕さんのホルンコンチェルトがものすごかった。

あんな明瞭に、まるでラッパのようにバンバンと吹いていくホルンは初めて聞いたし、音は美しく、滑舌が素晴らしく、重々しさがない点。

ものすごいホルンであって、あの音と技術は間違いなく、現在の日本一だろうな、
と思うわけです。いや、すごかった!

コルヌコピア
松崎裕
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アダージョとアレグロ
松崎裕
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無言歌 ~ホルン作品集~
松崎裕
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メリル・ストリープ主演の映画「恋するベーカリー」を見た

2010年03月21日 21時50分36秒 | 映画レビュー
忙しくなるまえに見て
レビューする前に書けなくなってしまっていた映画のシリーズがあるので
これからちょっとずつ書いておこうと思います。

こちらはメリル・ストリープ主演のラブコメ
「恋するベーカリー」。
中年の落ち着きのある、味わい深いラブコメ、
しかも中年の「性」をめぐる悲哀と悲喜劇を描いたものは意外とない。
これはそれが上品に描けていて
中年の「コンプリケイテット」されたところが
よく描かれていると思う。
この映画の原題は it's complicatedであって
ベーカリーはあんまり関係ないのね。
そのあたり日本語のタイトルは難しいのだと思います。

それにしても、上記のような中年のラブコメを描けたのも
希代の名女優メリル・ストリープだからであってほかに思い浮かぶのは
シャーリー・マクレーンぐらいだが、
それではあまりに喜劇的すぎる。

それにしても肩が凝らないラブコメだからこそ、
実力が現れるのであって、
メリル・ストリープは完全にほかのキャストを数十倍も
上回っていたと思う。

いまやメリル・ストリープは女優のキャリアのクライマックスを迎えているのではないだろうか。
近年観たのは、こちらだがすべてすばらしいのでお勧めします。

# 『プラダを着た悪魔』 The Devil Wears Prada (2006)
# 『大いなる陰謀』 Lions for Lambs (2007)
# 『マンマ・ミーア!』 Mamma Mia (2008)
# 『ジュリー&ジュリア』 Julie & Julia (2009)
# 『恋するベーカリー』 It's Complicated (2009)

映画「ゴールデンスランバー」を見た。賛否両論だそうだけど、俺はすごくいいと思ったよ。

2010年03月04日 22時10分21秒 | 映画レビュー
故郷に帰る新幹線の最終電車からのアクセス。
N700系はwifiが飛んでいて、
電源もあって、これは快適。
これなら車内でも普通に仕事ができてしまう。
素晴らしいです!


さて、ちょっと前になるけど、
まだギリギリ映画館でやっている
映画「ゴールデンスランバー」を見た。
映画のサイトムービーウォーカーなどだと
賛否両論だそうだけど、
俺はすごくいいと思ったよ。

原則は未読だけど、まずタイトルがいい。
ビートルズのアビーロードに入っている曲だが、
微妙に有名でないんだが、俺は大好きな曲だった。
ものすごくこの曲自体にフックがある分けじゃないが
いい目のつけどくろだと思ったのだった。

これはいわゆる無実の罪で「逃げる男」の話であって
巻き込まれ系で、ハラハラする。
大学時代の話と今の話が交錯しつつ、
いや、やめようストーリーを追うのは。
一部、あり得ないような奇想天外なところもあるけど
それも俺は楽しめた。
エンディングがややビターで、大人の味。
勧善懲悪でない点も、いいと思ったし。
おれは「ロックだな」の兄ちゃんが好きだったよ。

キャスト素晴らしい。
堺雅人、いまの日本映画には欠かせないのでは。
友だちの劇団ひとりも、吉岡秀隆もいい演技だ。
でも一番素晴らしいと思ったのは、竹内結子であって
彼女は「泣くもんか」でも素晴らしかったが
この映画でも良かった!

で、一番良かったのは
エンディングロールで大音量で聴いた
斉藤和義の『幸福な朝食 退屈な夕食』。
これはラジオでは聴いたことがあったが
いやー、映画館の大音量で聴くとホント、いい。
「ロックだなー」と。

というわけで
<★★★★☆>

最近、洋画より邦画のほうが面白いのではないか、
と思ってしまうほど充実してると思うわけです。


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マイケル・ムーア監督の映画「キャピタリズム マネーは踊る」を見た

2010年02月22日 16時57分14秒 | 映画レビュー
NHK特集などの「ちゃんとしたドキュメンタリー」を見慣れていると、
マイケル・ムーアの手法はちょっと「引いてしまう」ものかもしれない。
というか、俺は一瞬そう思った。
でも、実は物事というのは新聞や報道記事に書いてあるように
フラットに起きるのではない。
誰にとっても私的に起こるものであって、
それこそが、ドキュメンタリーなのだろう。
マイケル・ムーアは、自動車会社に働いていた自分の父まで動員して
空き地になった場所に赴いてあそこには何があった、とか
言わせている。これがリアリティを呼ぶのだ。

さて、キャピタリズム。
つまり資本主義について。
アメリカは、まさに資本主義がもっとも進化した場所であるはずだが
これをみて驚愕するのは、アメリカは民主主義の国ではあるが、
資本主義の国ではなくなりつつあるのかもしれない、と思えるところだ。

アメリカは宗教的な国として有名だが、
教会の牧師たちは、口を極めて「資本主義は悪魔の手先」とまで言っていた。

金融資本と合体した最も高度資本主義が、
一体何をもたらすのか、という実験がいまアメリカで行われている、
そう考えてもいいのかも知れないのだ。

そして信じられないことに、この映画では
アメリカは社会主義(民主社会主義)の道をとってもいい、という
考え方もあるらしい。

マッカーシーのアカ狩り以来、社会主義者は物凄く侮辱的な呼称だと思っていたけど
もはやアメリカでは、民主主義の終焉と共に、社会主義という言葉が
ポツポツと出てきているようだった。


感動的だったのは、ストライキをはじめた工場での女性の発言だった。
「なにをやってもどうせうまくいかない、と思っていた私たちにとって、
(ストライキで)何かを変えられる、と大きな進歩なの」
というようなことを言っていたけど、これは非常に重みがあった。
ある意味で資本主義が覆い隠していた民主主義が、
資本主義の危機と共に、その本質をまた輝かせ始めたのかも。

以下、映画に責任はなく俺の考え。

●産業革命は大量の労働者を生み出したが、彼らは考えてはいけない、
考えないように仕事をどんどんさせられていった。
そして学校教育はそれを肯定するモノだった。
しかし情報革命以降、知的労働者は自らの考えで高効率な仕事をし、
知的に怠惰な労働者は、その場所、企業、仕事に拘束されて
時間単価の安い仕事をするしかない。

●人類の歴史上永続した制度がないことからも明らかなように、
資本主義もやがて次の体制に取って代わられるだろう。
いままでそれは想像上の話に過ぎなかったが、
21世紀は、資本主義が終演する時代になるのかも知れない。
ではポスト資本主義とは何なのか。
それは、非常に難しいつかみにくい問題だが、
気づいた人から、新しい時代に入っていける、
ウルトラクイズの飛行場での問題のように、
解けたモノだけが、新しい天地に向かえるような
そんなものであるような気がする。

とにかく、マイケル・ムーアショーといえるような
過剰でやりすぎの場面もある映画だが、
問題は、この映画を見終わった後で、
資本主義と、ポスト資本主義について
どこまで考えることができるか、が勝負となる。
非常に深みのある問題提起をもったいい映画だと思います。

ぜひご覧ください。
おすすめします。

<★★★☆☆>

予告編も見られるキャピタリズムの公式ホームページは以下です。
http://www.capitalism.jp/


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テリー・ギリアムの映画『Dr.パルナサスの鏡』を見た<★★★☆☆>

2010年02月18日 22時36分23秒 | 映画レビュー
テリー・ギリアムの映画『Dr.パルナサスの鏡』を見た、という
エントリーですが、じつは見たその日に書いてブログにアップしていたのに
書いてないと思ってまた、書いてしまいました。
書き終えて気づいて愕然としたのですが、
どうせ書いたので、アップしてしまいます。

やっぱり見たその日よりも冷静になれることに
気づきました。

ということで、同じ映画のレビューです。
すいません。

以下です。

テリー・ギリアムの映画『Dr.パルナサスの鏡』を見た<★★★☆☆>

なんといってもこの映画のキャッチコピーは
「ヒース・レジャー最後の映画」だろう。
しかも映画制作途中で亡くなった。
それもロックンローラーのような亡くなり方で。
そこで親友のジョニー・デップが代役をやり、
それだけではスケジュール的に足りないので
ユアンマクレガーやコリン・ファレルも代役をやる。
しかもそれらがストーリー的にも破綻を免れている、
まるで仕組まれているかのように上手く嵌ったという意味で奇跡的だ。

そういうサイドストーリー(それだけで素晴らしいとも言う)はさておき、
映画はどうかと言えば、これはもう観客の想像力の限界を試すモノである。
イマジネーション、ギリギリチョップだ。
だから面白いとも言うし、面白くないともいう。

そういう意味で、ヒース・レジャーの最後の作品らしいとも。

さて、キャスティングの白眉は、トムウェイツであって、
これはスバラシイの一言である。
それから不死の爺さんだが、なんか見覚えあるなー、と思っていたら
サウンド・オブ・ミュージックのトランプ大佐だったのね。
スゴイです。

ペドロ・アルモドバル監督、ペネロペ主演「抱擁のかけら」を見た<★★★★☆>

2010年02月15日 16時20分49秒 | 映画レビュー
ペドロ・アルモドバル監督、ペネロペ主演「抱擁のかけら」を見た<★★★★☆>

ボルベール、バッドエデュケーションと見た。本とはもっといい作品があるというアルモドバル監督である。

ボルベールも良かった。こちらはある意味でストーリー的にはもうすこし内省的かも知れない。

でもこの映画の本質はアルモドバル監督がボルベールで言っているように「ペネロペは今、美の絶頂にある」というこの状態をフィルムに残すというものだろう。ペネロペは、いろんなファッションで、いろんな年令で、しかし美しいままこの映画の中では死んでしまう。

それを映画というメディアで賛美し、観客と共有するという企みの映画ではないかと僕はにらんだし、その企みは成功している。

それに正直言って、ボルベールが絶頂だとすると、こちらはちょっとだけ散り始めの桜のような、凄艶さがあると思う。で、僕はそちらの方が好き。です。

<★★★★☆>


キリンのウェブマガジンに
ペネロペ・クルスのインタビューと
映画中の美しいシーンの画像があります。
ぜひごらんください。
http://e-days.cc/cinema/feature/cat147/201001/29929.php


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映画『Dr.パルナサスの鏡を見た』<★★★★☆>

2010年02月13日 01時32分40秒 | 映画レビュー
奇才テリー・ギリアム監督が贈る
観客の想像力を遙かに超える
イマジネーションを見せつけるとんでもない映画。
実に面白くエキサイティングな映像。
極端さが、スゴイ。

見所はいろいろあるし、ジェットコースターのようなストーリーも
面白いんだが、なんといってもオレはキャストが凄かったと言いたい。

制作中に死んでしまったヒース・レジャー。
ダークナイトの鬼気迫る演技は本当にもの凄かった。
この映画ではその凄みをむき出しにしていると言うよりは
むしろ少し余裕を持った円熟味さえ感じさせる演技だったんだと思う。
でも、そこはやっぱり、もの凄く切れる日本刀のような
底知れない恐ろしい上手さがあったように思う。

また彼の死を受けて、友情のもとに彼の役をやった
三人の俳優達も良かった。
当代切っての
ジョニー・デップ
ジュード・ロウ
コリン・ファレル。
映画そのものではないが、現実のストーリーもそこで感じられるし
そのためにやや無理矢理な映画の作りも、
共犯関係として許せる。

おじいさん役のクリストファー・プラマーって見たことがあると思ったら、
なんとサウンド・オブ・ミュージックのトラップ大佐でありました。
また悪魔役が、これまたドンピシャな、トム・ウェイツ。
ものすごい存在感。

それにしても映像がもの凄い。
イマジネーションの限界を超えてくる映像というのは
このことではないだろうか。

ぜひでかい画面で、
極彩色の常識を越えた映像をご体験いただきたいなと。

<★★★★☆>

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映画『今度は愛妻家』を観た。<★★★★★>

2010年02月06日 21時46分34秒 | 映画レビュー
今度は、愛妻家。

ここ数年、日本映画がほんとうに素晴らしいと思う。
思い起こしても「嫌われ松子の一生」とか「おくりびと」とか
本当に素晴らしかった。

しかし、今度は愛妻家は、今年暫定一位です。
そして、たぶん、きっと今年通年でも一位でしょう。
良かった。泣けました。
映画館で泣いて、帰り道で泣いて、
翌日の朝泣いて、その夜にも泣いた。

大人の純愛映画。
ぜひ見ていただきたい、
だからもうちょっとだってストリーは言えないんです。
予備知識無しで見てほしいので。

で観た方とは、語りあいたいことがたくさんあります。
メールください!

薬師丸ひろこ、よいです。

実は、ほんのちょっとだけ出てきた、
井川遥が、映画を観ている間は?ですが
見終わって自分の中でレビューしたときに
彼女がどれだけ効いていたかが、わかります。


こんな素敵な映画が観られて、本当に幸福だと思います。
久々の満点です。
<★★★★★>







今度は愛妻家
中谷まゆみ
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『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』を見た

2010年01月31日 22時36分42秒 | 映画レビュー
『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』を見た


テレビがないので、話題を集めていた「のだめ」も、
ほとんど見たことがなかったのだが、
でもちょっとは知っていたのだった。

映画になったとはいっても、
ま、大して面白くはないだろうと思ったんだが。
これは意外と、実は実は面白いのであった。

というのも、へっぽこオーケストラのメンバーが
安月給ゆえにアルバイトをしながらも、
家でガチっと練習していたりして、
こういうところが、俺は泣けるのだった。

それと、この映画、テレビのキモは、
実はクラシックという音楽に親しめる点、
クラシックが好きになれるというのが
ほんとうは一番大きいと思うし、
事実、ボレロとか、ドキドキする。

細かい部分は、なんだか
外人が日本語で話したり
主要な外人は学芸会レベルの
変装で日本人役者がやっていたりして
そういうわざとやっている雑駁な部分は
それはそれで面白い、と思うのでした。
ちなみに、この映画のピアノの吹き替えは
世界的なピアニストであるランランだそうで
撮影のための借りたホールも、
ウイーンのニューイヤーコンサートをやる
有名なホールで、それを見るだけでも
面白い。

いいと思いました。
<★★★★☆>

後編も楽しみにしています。

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瑠絵のブログ
科学と広告のブログ(http://sciencecopywriter.blogspot.com/)
にもこの本にちなんだ
諸々の話が掲載されています。
そちらも見てください。
長くなりそうだと言ってます。
こちらです。
http://sciencecopywriter.blogspot.com/2010/01/blog-post_20.html

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映画「サロゲート」を見た。書籍「ロボットは涙を流すか」を読んでから見るといいと思う

2010年01月29日 19時48分25秒 | 映画レビュー
映画「サロゲート」を見た。書籍「ロボットは涙を流すか」を読んでから見るといいと思う。


ブルース・ウィリス主演の、アンドロイドが活躍する映画、「サロゲート」を見た。
この映画には冒頭、ほんのちょっとだけ、妻が共著させていただいた日本のロボット学の第一人者である石黒先生が出ている。
石黒先生は自分にソックリのアンドロイドであるジェミノイドを作ったんだが、本人とそのジェミノイドが映っている。

映画の内容は詳しく言えないけど、基本的にはある近未来、
人間は自分は家にいて、仕事やなんか、外に出るのはサロゲート(代理人)という
アンドロイドにやってもらって本人は操縦者(オペレーター)になるという話だ。

ある意味でマトリクスのもっとリアリスティックなバージョンといっていいだろう。

映画としてみても、もちろん面白いんだが
つい先日上梓された石黒先生と妻である池谷瑠絵が書いた
「ロボットは涙を流すか」を読んでから見ると、
これはもう抜群に面白い。
ある意味、映画も現実の科学も、
境界がないぐらい近接していて、
映画とは思えないぐらいリアルに
映画の中の話を感じることができる。

「人間」と「ロボット」の違い、あるいは違わない点、
そして人間性の回復という文脈で語られている何か、の正体について
そして、それに必然性があるのかという問題について
深く考えさせられるのでした。

ちなみにブルース・ウィリスは
アンドロイドであっても、
ダイハードのような目に遭うのが、なんつーか。

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