ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

時には花を Ⅱ:水芭蕉

2016年07月09日 23時32分56秒 | Weblog
約半年の雪山登山シーズンが終わりを告げ、やっと春山シーズンに突入した5月。
毎年恒例のお花見トレッキングへと出かけた。

「今年はどこの山に登ろうか。何の花を見に行こうか。」
ちょっとだけ嬉しくて、ちょっとだけホッとできる計画立案だ。
候補地は幾つかあったのだが、「そう言えば俺って未だ水芭蕉を実際に見たことがなかったな・・・」と思い出した。
水芭蕉の花がとっくに咲き終え、やたら大きくだらーんと伸びきった葉の状態であれば毎年のように見てはいる。
ということで、今年の5月のお花見は尾瀬と決めた。

今年に限って言えば、降雪が少なく雪解けが早まったこともあり、水芭蕉の開花時期も例年よりも早いそうだ。
最盛期は過ぎてしまってはいたが、なんとかまだ愛でることができる。
職場の仲間を誘って5月の末に尾瀬へと出発した。
日帰りであることから、鳩待からスタートし、竜宮あたりまでの往復ルート。
「お気楽お手頃お散歩コース」ってところだろうか(笑)。

平日であり比較的空いているようだったが、一日を通して団体さんと多くすれ違った。
鳩待にもツアーとおぼしき複数の団体さんがいた。

小雨降る中のスタートだったが、今日は珍しく傘を使用してみた。
「まぁ尾瀬の木道程度なら大丈夫だろう・・・」
風も殆ど無く、正解!

山の鼻に近づく頃、遂に水芭蕉を発見。

初めて生で見た水芭蕉だ。
葉は何となくチンゲンサイの様にも見え、食べられるんじゃないかと錯覚する程新鮮だった(笑)。

しばらく歩いて行くと、見覚えのある可愛い花の群生に出会った。
上高地と徳澤とを結ぶトレッキングルートで見た「ニリンソウ」だった。
体力的にも技術的にもきつかった穂高の雪山から下山し、自分を癒してくれたニリンソウは忘れもしない。

「そっか、尾瀬にもあったんだ。」
そんな当たり前のことすら今まで知らなかった。
二週間程前に上高地で見たときはまだ開花前で、うっすらとピンクに染まった蕾だった。
いつもなら心を癒されるこの花だが、今日はアイスバーンで苦労した奥穂高岳を思い出した。

山の鼻からはいよいよ木道ルートとなり、広大な尾瀬湿原を縦走する。
一緒に行った仲間は初めての尾瀬であり、その広大さ、静けさ、花の美しさに感動していた。


木道の左手に小川が流れており、「ひょっとして・・・」と探してみれば・・・。
「おぉ~やっぱり!」
そうそう、どうしてもこれを見てみたかったのだ。
湿地帯の中ではなく、水の流れの中に咲く水芭蕉だ。

自分が勝手に思い描く水芭蕉のイメージとほぼ同じだ。
暫し木道に佇みじっと愛でる。
最盛期は終わってしまったといえ、水の流れの中のこの花を見つけることができただけで来た甲斐があった。

奥に見える黄色い花はたぶん「リュウキンカ」だろう。

水芭蕉とリュウキンカのコラボレーションに喜んでいたが、この日は様々な花のコラボレーションと出会うことになった。
さすがは尾瀬! やっぱり尾瀬!